祝、200回公演。
本日夜の部は、東京帝国劇場で2000年11月に行われた「MILLENNIUM
SHOCK」初日から数えてちょうど200回目の公演となりました。
光ちゃんのSHOCK、200回目の記念日です。
おめでとう、光ちゃん。
これは単なる積み重ねてきた日々の通過点のひとつであったとしても、それでも。
おめでとう、光ちゃん。
晴れやかな日のゲストは光ちゃんが最も尊敬する先輩である東山紀之さん。
光ちゃん、冒頭から非常に緊張してましたよ(^^)
一幕はほぼ完璧と言っていいんではないかと。
しょっぱなヒカル様ってば思いっきりトチってましたが、それ以外は。
「ジャパネスク」
私、感動しました。
詩的な表現になってしまって申し訳ないんですが、人間はひとりひとりそこにいること自体が奇跡のような偶然の産物だと思いますが。
地球にたくさんいる人間の中で、私にとっての特別な奇跡のひとつは、間違いなく今目の前の舞台で舞い踊っているこの人なんだよな、と。
なんだか改めて思いました。
いてくれてありがとね、と。
こっぱずかしいほどに思っておりました。
「月夜ノ物語」がですね。いいんですよ。
速く、それでいて優雅で。
動きが速い分、とるべきところでの「ため」を持つ余裕があるんですね。確かな技術に裏打ちされた緩急の気持ちよさこそダンスを観る快楽の第一なんだよな、と思います。
音楽とぴったりよりそっているんだけれども、ある種乖離している感じで。
あの余韻とか、風情というのはなかなか出せるものではないです。
和なんだけれども、それ以上にエキゾチックというか。上手く言葉で表現できない自分がもどかしい。
そこからはじまる「千年経」に至っては私、涙ぐんでおりました。
いや、マジで。
全身の毛も逆立つってもんですよ。最初「月夜ノ物語」〜「千年経」に変わった時の違和感が嘘のようだ。完璧。
正直、光ちゃんのダミーの方にもうちょっとダンスの素養があればなあ、と今回は思っているんですが、それでも公演を重ねる内に大分なめらかになってきている気がします。
やれるだけでも大したものですが、そこにダンサーとしてパフォーマンスを見せている、っていうニュアンスが込められたらもっと素晴らしいのになあ、と。今回は特に思うので。いや、やってらっしゃるのがダンサーさんなら申し訳ないですが。
「龍神」は、もう少しだけ尺が欲しい気がします。退治されるまでがものすごくあっけないんですよね。もうひとつ見せ場を作って盛り上げてあげればもっとよくなる気がします。
弁慶はもう。
あれはすごいです。大階段で背後から二本の刀に刺された後の光ちゃんがもう。
今日は本当によかったです。死が迫るのを感じながらも、主君のために最期の力を振り絞って戦う弁慶がめちゃめちゃ入ってました。
いい芝居だったなあ。
死の美学は認めたくないけれども確かに存在しているものだよな、と。そんなことを思いました。天上で許されて再び長刀を奮う姿にちょっとまた涙ぐむ。
「ジャパネスク」終わった後、ミーさんが拍手しながら登場する場面になるんですが、今日の拍手はミーさんの心からの拍手のように聞こえました。
今日はワールドアドベンチャーも素敵でしたねえ。
「ブロードウェイ」の華麗。「ジャングル」のシャープなのにワイルドな雰囲気。それから「スパニッシュ」の妖しくて寂寞とした心象風景(四回転目がかなりぶれてましたけど(^^;)最後の「ウエストサイド」
なんか今日の「ウエストサイド」はいつもよりぐるぐるが激しかったような。
なんであんなに振り回されても光ちゃん平気なのか?毎回ながら謎です。
えー、ところで人は過度の緊張を経験するとですね。不思議と普段はやらないミスをやるようにできてます。
で、光ちゃんの本日。
いやあ、久しぶりに観ましたよ。ステッキダンスで思いっきりステッキ落とすところ(^^;;
他のふたりノーミスなのに、あんたが落としてどうするよ。
という位に見事な落としっぷり。からん、と二階まで音が聞こえましたもの。
まあ、きっと今夜は一人ダメ出ししてると思うので明日が楽しみですが。
あとはもう、ぼろぼろと崩れるように細かいミス連発でした。
台詞をちょっとトチったりなんだり。
なぜにあそこまでヒガシの前だと緊張するのか?謎すぎます、アナタ。
今日がスペシャルな日だと思ったのは光ちゃんだけでなく。トウマもOPのところで新技披露。横の壁から登場して一度舞台に着地。もう一度上がるところでくるくるくるーっと、空中ピルエットが1,2,3,4・・・ええい、何回だ?思わず拍手です。
アドリブ関連もヒガシ系。
光ちゃんはドレッサー前で金ぴかジャケット着て、裾をさばいてはひとりヒガシのマネっこ。それを観たあっきー
「ひとりだと、いつもそれやってんのか?」(←マジ訊きモード)
「あやかってんだよ」
うん。なんかプライベートでもやってる感じがする!
ちなみに、ヒガシには動じないらしい田口くんのパンツは「宝くじ」柄(どんなだ?)でした。
前回観た時からたった数日で、光ちゃんの顔からごっそり肉がそげ落ちており。弁慶の時、船長の時、それから二幕「Destiny」の時と、何度もはっとさせられましたよ。
皮の下に直接骨があるような、そんな感じ。恐いくらいにげっそりとしたその顔が、どれ程熾烈な毎日であるかを教えてくれました。
元々ふくよかな人ではないのに。あれ以上どうやって痩せるんだろうか?と思っていても、まだ落ちる肉があったのね、と。
で、本日は200回目だ!ということで期待してきたお客さんも多かったのですが最後のごあいさつで
「200回目を迎えました」
と言ったきり。つーか、歌入りのタイミングを若干トチって、ごあいさつイマイチしまらないまま、いきなり「solitude」に入っておりました。
ところで、最近の「SHOCK」のお客さんは学習能力があります。
拍手、しときましょう。館内放送に追い出されかけてもまだ拍手。そら拍手。やれ拍手。
で、出てきました。Wアンコール。さすが、200回目。
もうすでに緞帳の裏では撤収がはじまっているそうです。
光ちゃん、世界で一番嬉しい顔をしてお客さんに、この場にいない今までの来場したお客さんに感謝の言葉。そしてそれを支えてくれているスタッフに感謝の言葉。
「スタッフに拍手!」
座長は観客の長でもありますので、みんな拍手。
ありがとう、おめでとう、ありがとう。
にこやかで晴れやかで満足げな座長は一気に春を呼び込みそうな笑顔で
「まだ200回です」
と言って何度も「ありがとう」を私たちにくれたのでした。
光ちゃんは素になって、自分の言葉を言う段になると途端に言葉数がなくなる人ですが、短く当たり前の言葉で繰り返される感謝の気持ちは、それだけに真っ直ぐ届きます。
あの世界一の笑顔だけで、実は充分過ぎるほど嬉しい気持ちと感謝の心は伝わるのだけれども。
やっぱり奇跡のようにかけがえのない人だと、改めて思った祝いの夜です。 |