■2/15(sun)■
お会いしとうございました、殿下!
殿下、ハムレット殿下、しばらくお目にかからない間にすっかり立派になられて!
ローテーションでいけば、今日のお昼公演はきっとハムレット。でも、一緒に観劇したMさんと私はハムレット遭遇率0。昨日の夜の時点で公演回数の半分弱はハムレットをやっているのに0。
リチャード陛下になんの不満もございません。いやむしろ、想像以上の出来映えと稽古を積んだ結果としての素晴らしさに毎回やられているのですが。ラストの死者の折り重なるその上に倒れ伏す姿に毎回くらくらになっているのですが。
そりゃ、いらっしゃるのがわかっているなら、一度なりとお目にかかりたいと思うのもまた真実。
本日はパネルが出てきた瞬間、そしてあっきーの第一声でMさんとふたり小さく万歳三唱。
「ハムレット」の声に、大拍手。いやもう、正直なところ出来映えだけでいけばリチャードだと思います。恐らく稽古の量がそもそも違うのではないかと。
完璧にものにしているし、芝居そのものについても、一幕冒頭からいきなりラストに飛んでもさほど違和感がない感じにアレンジしてあるし。
比べてハムレットは最初はともかく場面展開すると一瞬戸惑うかな。
なのですが。
あの衣装!お衣装が!
日本人でナチュラルにあんな衣装似合う人って他にいるのでしょうか?まるで御年三つの頃から着てました、と言われても納得のいくハマリ具合。
白いふりふりつきの開襟丸襟。ボタンは一番上まできっちりとめてあります。手首にも同じ意匠のふりふりつきのお袖が見える。その上に合わせるのは黒のベルベットっぽい艶のと生地違いの黒ラインの入った短衣。ウエストはベルトできゅっと締めて、黒のパンツにショートブーツ。
似合いすぎるにも程がある。
何だこの人は。光ちゃんはやっぱり大時代のかかった衣装とか、不思議吃驚系の、そんなもの着て街中歩いたら一斉に後ろ指、って衣装がぱちん、とはまる。場面は以前のSHOCKでやった一幕冒頭場面+二幕御前試合の末に父殺しの犯人クローディアス王に毒杯をあおらせ自らも死を迎える場面のアレンジしたやつ。
ハムレット・・・光ちゃん
ホレイショー・・・風間
マーセラス・・・町田
ハムレット王の亡霊・・・あっきー
で、クローディアスとガートルードは役者さんがやられていました。
最初にハムレットをやったと聴いた時に「レイアーティーズは?」とKさんに尋ねたところ「いない」という返事だったので、死ぬところをやるのに一体どうやったらそんなことができるんだろう?と思っていたら。
ハムレット王の亡霊に復讐を誓ったハムレットの独白から、なぜかいきなり王の近衛兵たちと切り結び、腹を斬られながらも敵を圧倒。クローディアスをも斬り捨てるが、母が毒杯に倒れたことを知った怒りに、倒れ伏すクローディアスに無理矢理同じ毒杯を呷らせ、己が犯した殺人の罪に怯えて神に許しを乞い、この行動の全ての元凶となった父の名を叫んでこときれる、と。
そういう、まあそのちょっと無理矢理?な展開で。
確かにレイアーティーズをやる人がいないのはわかる。レイアーティーズやったら、その人はN.Yについた時にすぐのタイミングで甲板に出られない。光ちゃんの早変わりだってかなり早いタイミングで出てるのに。
役柄からいけば翼がやってもいいんじゃないかとは思うんだけど、それだと船底で芝居をしているという設定にはあわなくなっちゃう。
でも、レイアーティーズがいないとハムレットがいきなり狂乱して王殺しをしたように見えちゃうんだよなあ。うむ、難しいなあ。
洋装のハムレット王子はそりゃもう素敵でした。
和装のハムレットも素敵だったけど、洋装は犯罪クラス。先に観ていた友人一同一言絶叫系のメールを寄越したのもすごくわかる。
出だしが黒い魔導師もかくや、という長マントで身体をすっぽり包んで出てくるのですがこの時点で燃える。フードつきの黒マントですよ、お客さん。
そうして小出しにはだけていって、ハムレット王の亡霊に向かって「運命がおれを呼んでいるのだ!」で階段をかけあがるところで脱ぎ捨てる。
きゃあ素敵。わあ素敵。
王子だ、王子。この人王子だよ。
なんでこの時代の、現代となっては冗談みたいな衣装が似合うのか。
苦悩のハムレット王子は健在で、以前よりもずっといい感じになってました。
私見ですが、光ちゃん本人はあんまりハムレット王子には共感できるところはないんじゃないかなあと思います。
通じるとすれば「父ちゃん、大好き」っていうところくらいかなあ?
そんなことを思ったり。
ツボシーン。
やっぱりラスト、こときれる前の絶叫
「我が罪を許したまえ!」と神に。そして最期に叫ぶ「父上ー!」
倒れます。総倒れ。
あと、ホレイショーとマーセラスにハムレット王の亡霊に出会ったことを「他言するな」と誓わせるところ。
「剣に誓え」と言うのですが、その時にハムレットが掲げた剣に二人は両側からかちりとあわせる。
その姿は三銃士。
やってくれ!アトスでもアラミスでもダルタニヤンでもいい。大好きだ、三銃士!>光ちゃん
「ハムレット」はとにかく、どこを切っても名場面という話なので、何がきてもいいなあ。うっとり。
光ちゃんのハムレットはやっぱり若々しくて、その若さが哀しい最期へ向かわせるのだな、と思わせてくれます。
それにしても、似合うよなあ、あの衣装。感動したこと。
実は二階席にあがるのは今日がはじめてだったので、いろいろと発見が。
群舞はとにかく夢のようでした。ホントに本当に綺麗だった。特に白トキオ・・・ラストのLet's go to Tokyoは感涙です。
Where is Tomorrow?もよかったなあ。
あの、全員がきっちりと揃って踊るさまは本当に美しい。圧巻ですよ。
ミュージカルの醍醐味は群舞だと私は思うので、それが今回は本当に充実していて観ていて嬉しくなってくる。
大合唱は「One」という名曲がありますが、今回は踊りも充実してますなあ。いいなあ。
そうそう。
最後の最後、薄荷キャンディーを歌い終わって三方礼をした後、キャスト全員で前に進み出るのですが、その後でキャストのみなさんが声をあげながら、舞台の奥に走って下がるんですよ。なんだかそれがとても嬉しくてぐっときました。
昨日までの公演では実は私は全然気がついてなくて、それだけになんかいいなあ、と心から思いましたよ。
いいなあ。そこかしこから伝わってくる雰囲気が本当に今回のカンパニーはいい。
光ちゃんがこんな中でやれて嬉しいな、と思います。ところで。
一幕・船底での風間くんの「リーダーとナオが日本に残った顛末はこれさ」語りが日に日にすごくなってきてるんですが(笑)
今なんて「カンパニー」じゃなくて「キャンパニー」、「母さん」じゃなくて「きゃあさん」ですよ(笑)
きゃ・き・きゅ・きぇ・きょの台詞になってるのが、おかしくて仕方ないです。彼は大げさな物言いで人を笑わせるやり方を心得てるなあ。
あっきーは言わずもがな。
座長が言う言葉の全てをきっちり拾って投げ返してくれる。本当に得難い人だと思います。今日はそろそろ余裕が出てきたのか、なんだかアドリブ満載でびっくりでした。
一幕・ホテルの一室のところでは、ナオさんに突っ込むのがお約束になりつつあるのか?いきなり
「関西で銀行のCMやってたことあるんだって?」
とふって、かなりナオさん動揺してました(笑)どこから仕入れた?そんな情報。ここは登場人物紹介の場面でもあります。ホテルの一室で家族紹介をするのですが、その時に「何家族ヅラしてんだよ!」と突っ込まれるあっきー。
「丸焼きにして食わずに捨てる」(←今日はこっち)
「はく製にして飾らずに捨てる」
覚えているだけでこんなすげないことを言われてますが、他にもまだあるのだろうか(笑)
猫になったり、犬になったり忙しいあっきーですがなつかれていると光ちゃん嬉しそうです。大好きだもんね、あっきーのこと。
ツバサが「明日は世界中のエージェントがおれのことを観るためにショーを観に来る」と大言を吐く場面では、今日に限って風間くんがそーっとバイクのメット(赤)を被って膝立ちするので何をしているのかと思ったら、へぇーボタンになっていた(笑)今までは口で「へぇー」言うだけだったのに!
二幕・初日後の記者会見前のところ。
大熱演のあっきーはぶわぶわ唾を飛ばしながら台詞をしゃべっておりましたが、浴びせかけられた光ちゃんは妙に嬉しそう(え?)だった。嫌がりながらもきゃっきゃしてた。
この記者会見の大層偉そうにふんぞり返っているコウイチですが、上手・下手で著作権に関わることとかコウイチの様子に憤るMAの芝居が入っている間、ステージ奥で椅子にふんぞり返って記者の人たちにリップサービスなんぞをしている体裁になってます。
この時にかけていたグラサンをちょっと頭の上にかけるのがかわいい。えーと、ど根性ガエルのヒロシ!で、わからなければ「メガネ、メガネ」のやっさん。
昨日は記者の人たちに向かってシャッターを自ら押したりしてました。記者の人々が壁になってちょっと見づらいのだけれども、かなりかわいいところです。
で、記者会見終わってからひとりドレッサーに向かって裏声で「緊張したー」と独白する部分がいつもより多めで(笑)あっきーが台詞に入るタイミングを与えないものですから、あっきーたまらず
「一人の時は、そんな裏声なのか?」
と(大笑)完璧だ、あっきー。
いつだったかの回の家族紹介場面で猫になったあっきーが光ちゃんにじゃれついて「離れないー」と言ってましたが(笑)君を離さないのは光ちゃんの方だし、他の幾多の事務所の先輩たちだと思うぞ。
本当にあなたは得難い人だ。
今日はでもさすがに連日ちょっといじめすぎているかも、と反省でもしたのか、それとも単に気が向いただけなのか、二幕・ツバサが帰ってきた楽屋でみんなに「コウイチのことを誤解していてごめん」「ごめん」と謝られ倒されるところ、
「みんなでごめんごめん、って気持ち悪いよ、特にアキヤマリアルで気持ち悪い」
と言った後でコウイチ様は「ごめんね」とあっきーに謝って友情復活の抱擁を交わしてました。あなた、ホントに光ちゃんに関しては鉄壁です。ツバサが帰ってきたところといえば、あのスケスケというよりは、網ドレスですが(笑)ほとんどツバサへのセクハラもしくはパワハラだと思います。
毎回毎回、しょーもない下ネタをきらきらビーム炸裂で披露するコウイチさん、今日はさすがに呆れられたらしく、気付いたら中央にぽつんと取り残されひとりぼっち状態に(笑)
ナオさんが笑いすぎて息も絶え絶えになりながら「なんでそんなにやらしいの?」と尋ねておりました。
その通りですね、しかもまごうことなき小学生(低学年)レベル(^^;; いや、ホント、申し訳ないっす。なんか他にもあったような気がしますが、今日はこれまで。ちょっと長いですね、すみません。