■2/27(fri)■


今日が初日にして千秋楽だというHさんのお誘いで帝劇に。会社から抜け出そうとした時にトラブル発生して大汗かきました。
七時開演だったらいいのになあ、と思うのはこういう時です。夜公演が七時開演ならこんなに必死になって土日狙わなくて済むんだけど。

夕べは流れるように踊っておりました光ちゃんですが、やっぱり蓄積された疲労は隠せないのか白トキオのラスト近くのターンで「このまますっころぶのか?」という程ぐらっといってましたね。
他にも「月夜ノ物語」後に、台に昇ろうとして棒二本で作ってもらった台に乗り切れなかったりして。
ダンスは、その分すごく丁寧に踊っているなあという印象が残りました。
ひとつひとつを大切に踊っているような。
身体を作るところからはじめた今回のSHOCKは、とにかく足がよくあがるようになっているし、表現の仕方もすごく柔らかくなっていて、フリが細密になっていると思います。
この細かいフリについてこれるメンバーがバックにいてくれるからこその振り付け。
まっさらの新作をやるよりも、以前別のフリがついていたものに別の振り付けをしたものの方が大変だと思いますが、それもがっちりやっている。
正直なところ、ここまできっちり作っていると「来年は大変だぞ」と思ってしまいます。
いっそ、SHOCKという形だけ残して来年は全くの新作をやってしまうべきじゃないかな、というのは毎回の本音ですが、今回は特に強く思っております。
毎回進化していくSHOCKであればこそ、次のSHOCKが同じものであるわけはなく。
ひとつの到達点と言っていいだろうこのSHOCKはだからこそ、なおのこと、DVDにして残すべきだと、私は思います。
素直に出せ。とっとと出せ。なんなら土下座したっていいから出してくれ。

一幕、ホテルの一室の場面でカズくんがツバサを「若い方のおじさん」と言っていたので、光ちゃんのことは「年とってる方のおじさん」とでも言うのかしら?と思っていたらあにはからんや。

「かっこいいおじさん」

と。
おお!光ちゃんご満悦。ご満悦ビーム四方八方飛び散らかす勢いのご満悦。
ソース取ってもらうときもかっこいい演出。ソースかける時もかっこいい演出。とりあえずなんでもかんでもかっこいい演出。
正直、それはかっこいいのか?と思っていたらシュンスケも「それがかっこいいかどうかも、この家族構成もよくわかんないよ!」と(笑)同感。
この場面、サンドイッチ以外はダミーなのですが、何かに取りつかれたように、えびフライにフォークをつきたてようと躍起になっている光ちゃんがおかしかったです。
あっきーの鍋話、ご時世だけに「1Kg 300円の豚肉が手に入ったんだよ!」と嬉しげにコウイチに報告してましたが、夕べは「1kg 500円」だった。このご時世に値下がりしたのか。良心的な業者だな!とどうでもいいことを思っていたのは私です。
バイクに乗って京都に行くぜ、いぇーい!な場面は、謎の球を手でこねながらはけていきました。
その出典が、よくわからないよ。ドラゴンボール?カメハメ波?元気玉?

ドラゴンボールつながりで「龍神」のこと。
龍の親玉の頭に光ちゃんが乗るところを観た時、初日は「まんがニッポン昔話?」と思ったんですが、二回目以降に観た印象は、どちらかというと「ネバーエンディングストーリー」のラッキードラゴンに乗るアトレイユのような気がしてきました。
おかげで観る度に「アットレイユー!」と叫んでいた犬顔のファルコンを思い出します。
今日は、本来なら龍退治のライトサーベルなシーンで炎が剣を走るべきところが龍の頭の上でぼーっといってました。
いやでも、こっちのがいいような気がする。とても。
ナイショなんですが、この場面や弁慶を観る度に「光ちゃんが演じる三蔵法師とか観てみたいかも」と思うのですよ。
派手な袈裟着てばっさばっさと妖怪どもを調伏してみせるおっとこまえ系三蔵法師とかいかがでしょうか?孫悟空や沙悟浄、猪八戒は「仕方ないなあ。ま、三蔵だから仕方ないのか」と思いながらお供してるようなのがいい。
京劇の派手さとSHOCKは相性がいいと思うんですよねえ。

今日のシャッフルは「リチャード3世」
これは、観る度にどんどんよくなってきていると思います。一番新しく観た回がベストアクトっていう感じですね。
アンをついに落としたあとの高笑いがもう、ツボでツボで。たまりません。どきどきしますよ。
それからもうひとつ。
リチャードは、敵兵に何度も切り結ばれて、最期には敵兵の剣の刃を素手で掴むんですが、そこが実はめちゃめちゃツボ。
もう、死ぬのはわかっているし血も流れ過ぎてしまっているのがわかっているから、今更手がざっくりと切れて血塗れになっても一向気にも留めないっていう壮絶さが。
呪われて憎まれて、誰にも愛されずにのたれ死ぬリチャードの悲惨さがツボ。
屍の上に作り上げた自分の王国の玉座から引きずり下ろされる最期の瞬間でさえ、己が殺した屍の上に君臨しようとしているみたいな、絶命シーンも大好きだ。
町田エドワードのののしり方も日に日に激しくなっていっていて、ツボ。

二幕のぴーさまご存命の頃のスウィング後。
実は密かに楽しみにしているのは、ぴーさまのジャケットと、首に巻いたマフラー(というかスカーフ)の隙間からちら見えるお肌。
なぜかこう、隙間を縫ってぐっとくるお色気シーンだったりします。そんなところまで観ているんじゃないと言われてもこれがサガというものでございまして。へっへっへ。

さて、二幕「崖」の話。
Gアルに入っていた「消えない悲しみ、消せない記憶」を聴いた時には「宇宙戦艦ヤマトが発進しそうだなあ」と思ったのですが、舞台にはめるととてもいい感じの馴染み方をするんだなあ、と新たな発見をした気持ちになります。
この曲の出だしで帝劇の壁や天井に仕込んである星空ライトがぱーっとつくのですが、星空の下の「消・消」はびっくりするくらいはまります。
N.Yのコウイチと日本のツバサは離れていても同じ空の下にいるのね、という感じ。でも、確かに現実の距離は横たわってるんだなあ、と。
グリーンルームの壁が、音楽とともにさーっと上がっていって、舞台空間がいきなり広がる感じも曲の広さとよくあっていると思います。
ツバサ歌唱の時の光ちゃんの柔らかなダンスも綺麗でいい。表現力が上がっている分とても見応えがあります。うっとり。
壮大で広がりのある曲というのは、光ちゃんの作曲ラインのひとつに数えられますが、この使い方はいいなあと思います。
恐らくは最初から帝劇の舞台を想定して作ったのでしょうけれども、侮れません、はい。

ちょっとびっくりしたのは、義姉さんがリーダーに撃ち殺された後の場面。
本来はコウイチ独唱の「ニューヨーク・ニューヨーク」のイントロが流れるところで、なぜか謎解きの音楽が。
あれ?と思ったらすぐにとまり、気を取り直してもう一回・・・って、今度も明らかに違う。
おーい、頼むよ、音声さん。
初見の人だって「違うから!」と総ツッコミ入ったと思われます。こんなミスははじめてじゃないか?
シリアスなシーンだけに光ちゃんもフォローしようがなく、きっかけをゆっくり台詞しゃべることで作り直していたりしました。

カーテンコールのあいさつで、来年の再演の話に及んだ時に
「二ヶ月もやったら、死んじゃうかもしれません」
と笑顔で言ってましたが、半分本音でしょうねえ。これを二ヶ月。これ以上を二ヶ月。考えられないんですが。
ともあれ、今年のSHOCKはあと二日。三回。
最後まで楽しい時間を。

 

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