祝!堂本光一さん 帝劇主演ミュージカル
主演■堂本 光一
2004/2/6(金)〜2/29(日) 於 東京帝国劇場
■STORY■
==1幕==
コウイチは亡き兄・ヒカルの意志を受け継ぎ、カンパニーを支える花形スター。
今日も、元義姉・ナオ、ナオの再婚相手であるリーダー、ジュンの連れ子であるシュンスケ、ミーとヒカルの子であるカズ、そしてミーの実の弟であるツバサや、カンパニー達と旅から旅への毎日を過ごしていた。
公演中コウイチが落下事故を起こしたりすることはあるもののまずは万事こともなしの毎日。
ある日、コウイチ達は単調な旅の毎日に変化をつけようと、バイクで次の公演地・京都までツーリングの計画をたてる。気が進まないといった様子のツバサを半ば無理矢理連れ出したものの、コウイチは後ろに乗せたツバサとバイクごと吊り橋の下へ落下してしまう。
大怪我を負うツバサ。カンパニーの仲間からのそしりをうけつつも、コウイチは「何があってもショーの幕だけは開けなければ」と強引にジャパネスクショーの幕を開けた。
最初はコウイチの態度に反発を覚えたカンパニーの連中にそっぽを向かれ、たったひとりで幕を開けたものの、ツバサの命に別状がないと知ったメンバーが次々とステージに戻ってくる。
ショーは大成功。
コウイチたちはNYのエージェントから、招聘の依頼を受ける。
元義姉・ナオは、愛する夫・ヒカルを失った街であるNYへ行くことをよしとはしなかったが、コウイチは、亡き兄の遺志を受け継ぐため、そして誰よりもケガを負ったツバサのためにと、渡米を決意する。
ツバサを東京に残していくことに対してのためらいがあるメンバー達もツバサ本人から「コウイチとN.Yに行ってくれ」と懇願されついていくことになった。
だが、表面上笑顔でみんなを送り出したツバサはコウイチへの憎しみと嫉妬に心を蝕まれていく。
それぞれの心にわだかまりを残したまま、舞台はNYへと移った。==2幕==
13年前、NY。
ヒカルのミュージカルは無事初日の幕を開け、観客の評判も上々。だが、リーダーの持ってきた新聞の劇評は散々なものだった。
その責任を感じたリーダーは、自ら果てようとする、が、いつのまにか陰謀に捕らわれたヒカルは逆にその命を落とすことになった。周囲には自殺だと思われるような、そんな不可解な死。
ヒカルは弟のコウイチに怨みを晴らして欲しい、と願う。いよいよ、到着したNY。結局、ツバサに懇願されついてきた元・義姉のナオ、リーダー。
カンパニー全員が揃っての公演は、各国の様子を次々に演じていくさながら万国博のようなミュージカルだった。
場内は絶賛の嵐に包まれ、駆けつけたプレス達からもコウイチは褒めそやされる。
プレスに囲まれフラッシュを浴びるコウイチに、カンパニーのヤラは反発を覚え日本へ帰国してしまう。そんな折り、アキヤマはコウイチに「トウマの様子が心配だから」と日本に帰国しようと提案する。コウイチは、ツバサのためにも彼の戻ってくるべき場所を守ってやるべきだ、とアキヤマに諭す。話の食い違う二人。そんな時、マチダとヨネハナが血相を変えて飛び込んでくる。
ツバサが病院から飛びだして、行方知れずだと。
アキヤマ達は心配して、コウイチに日本へ帰るよう促すが、コウイチはきかない。カンパニーは決裂し、三人は帰国してしまう。日本。
ツバサは幸福を呼ぶという白鯨に願いを託し、ひとり岸壁に立っていた。
コウイチはツバサの一番の望みだったNYでの成功を手に入れた。嫉妬からコウイチへの感情を爆発させるツバサ。
だが、亡き兄ヒカルの導きにより、彼は自分が実はもう歩けるようになっていることを知るのだった。
再び歩けるようになったツバサは、コウイチが自分のために場所を守ってくれていたことに感謝し、N.Yへ戻る決心をする。もちろん、帰国していたカンパニーのメンバーも一緒に、である。ツバサが帰ってきた。
喜びにあふれるカンパニーは、再び前進をはじめる。そんな時、コウイチがみんなを楽屋に呼び出した。これまで起きていた不可解な事件、その謎が解けたというのである。
コウイチによれば、これまでの事件の全ての黒幕はリーダー。
始まりはヒカルの死。リーダーによって、操作された劇評を信じた兄はその陰謀によって死に追いやられた。
さらに、コウイチの落下事故。これは、ロープに切れ目がつけられており、最初から切れるように仕組まれていたのである。
そして、バイクの落下事故は、先回りしたリーダーがなにがしかの細工を橋にしかけていたものであった。正体を現すリーダーに、何も知らなかったシュンスケは愕然とする。
一緒にショービズの夢を追いかけていたはずのヒカルにばかり当たるスポットライト。いつのまにか置き去りにされた自分に気づきいたたまれなくなったリーダーは、嫉妬に狂い、邪魔なヒカル、さらにはコウイチをも亡きものにしようとしたのだった。悪事が露見した今、リーダーは潔く死を選ぼうと見せかけ、シュンスケひとりを連れて逃げ出そうとするのだった。息子にこちらに来い、と呼びかけるリーダー。
シュンスケは実の母のように愛してくれたナオのことを思い、父の元に行く勇気が持てない。が、やがて決心し、高所を移動しようとして落下してしまう。それを助けようとして間に合わなかったコウイチは、リーダーに拳銃で狙い撃ちされてしまった。
やぶれかぶれになったリーダーは、カズをも手にかけようとして拳銃を撃つ。が、凶弾は息子をかばおうとしたナオに当たってしまう。カズに、母親の死の責を負ったまま生きろと呪いの言葉を吐いていずこへと消えるリーダー。一同に絶望が訪れた。
だが、亡き兄ヒカルの手によりなんとかコウイチは間一髪のところで救われていた。シュンスケを「どんなことがあってもお前はおれたちの仲間だ」と話しかけるコウイチを虫の息で見たナオは心からの礼をコウイチに伝え、息絶える。
ようやく、ナオは愛した夫の元へと旅立つことができたのだった。悲しみを乗り越え、カンパニーは今日も舞台に立つ。
ツバサ、そしてシュンスケとカズの兄弟は、日本に帰るカンパニーを離れてNYに残る決意を固める。
そうしてコウイチ達は、凱旋を果たした日本で今日も舞い踊るのだった。