■1/21(fri) soiree■
黒木メイサちゃんと交互出演の小宮山実花さんの回。
よかったです。
どっちのリカがすきかは好みによるのでしょうが、私はどちら?と言われたら少なくとも台詞運びとダンスについてはこっちのリカの方がすきかもしれない。
光ちゃんのあのロミオを受けきれる人はなかなかいないなあ、とは思いました。どっちのジュリエットももう少し何かが欲しい。二人のジュリエットに足りないものはそれぞれ違うのですが。
あのロミオ、よすぎるんだ。お点が辛くなるのは許してくれ。さて。
リョウが刀の差し替えを告白するシーンで、今までどうしてもリカがコウイチを刺した理由が理解できなかったんですけど、今日はなんとなくすーっと入ってきました。
そういえば、リカはコウイチが大好きだったんですね。
大好きで、大好きだからこそ、大好きなコウイチが大切にしていたものがコウイチの存在がゆえに壊れていくのを止めなくちゃいけないと思ったのかな。と。
この上リョウが死んだら(生命を失うという意味でも、舞台人としての命という意味でも、人としての生きる意志を失うという意味でも)コウイチ(生前のも今現在のゴーストのコウイチも含む)が一番望んでいたことは実現できなくなる、と思ったのかな、と。
今日のリカを観ていたら、なんだか自然にそう思えました。
「こんなに近くにいるのに、あなたを感じることができない」
幻の存在であるコウイチでも側にいて欲しかったけど、リョウが死んだら本当にコウイチが望んでいたものが全て水泡に帰すと思ったら引き替えにすぐ側に帰ってきてくれた一番大好きな人を失うことになっても、そうしなくちゃいけなかった。コウイチの一番の望みを果たしたかった。
だから、コウイチを刺した。
コウイチの愛したショーを続けていくために
「現実を受け止めなくちゃいけない」
と言ったのかなあ、と。
今日はじめてそう思えましたよ。
そうですよね。女は好きな男をそう簡単に刺すことはできないけど、好きな男が望むことならどんなことをしてでも叶えようとする生き物でもあったんだな。
ようやく腑に落ちました。もう、この解釈が違っててもいいや。それなら私の中で女が惚れた男を刺す理由に納得がいくから。今日は、光ちゃんの演技いい感じで入ってましたよ。
自分が本当は死んでいることを受け入れて、あの事故の時に対応できなかったのは自分の方だ、とリョウに言う時に一瞬「ふっ」と自嘲の笑みを漏らすんですよ。
ぎゃあ!たまらん。
あの自嘲の笑み!「しょうがねえよなあ」みたいな笑み!わあ!
そうなんですよ。
あの場面で「SHOW MUST GO ON」を意地でも実践したがために、もっと大きな部分で「SHOW MUST GO ON」を実践できなかったんですよね、コウイチは。
演じていたまさにその公演はまっとうできても、その後に詰まっていただろう公演日程の舞台に立つことはできなかった。どころか、コウイチの事故のせいでカンパニーは解散して、今の惨状を招いてしまった。
コウイチならそれを無念に思っていてもおかしくはなかったんです。
あの一瞬の自嘲の笑みで、コウイチの無念が余すところなく伝わってきましたよ。そうだよね。ずっと舞台に立っていたかったよね。そう思った。
それを受けてリョウが「もう一度一緒に舞台に立ってほしい」と望みみんなに「行くぞ!」と気合いを入れるからいいんだよね。
それからそれから、大桜のところ。
ついに力尽きたコウイチがリョウに抱きかかえられて果てるところ。一瞬、手を前の方に差し伸べて、ぱたりと落ちるんですよ。
やるだけやって、その時がきてもまだなおショーを続けようとするコウイチの無念が、真に迫ってきた。
その前のリョウとの修羅場・・・刀の告白からリカに刺され、自分が死んだと自覚するまで・・・の最後に漏らした「SHOW MUST GO ON」を唱え続けてきたのに果たせなかった自分への自嘲の笑みとあいまってもう・・・・たまりませんでした。
いやもう、その前の「yoru-no-umi」で大概うるうるしてましたが。まさかSHOCKでストーリーに涙する日がくるとは思わなかった。光ちゃんのがんばりに涙することはあっても、まさか話にこんなにクるとは。
本当に命尽きたコウイチを、リョウが無言で取り返しのつかない悔恨と惜しむ心で抱きすくめるあたりはもう、ぼろぼろでした。
「yoru-no-umi」も、もうすぐ消えてしまうコウイチを思う八人の気持ちがぐらぐらする程伝わってくる本当に本当に綺麗なダンスで。そりゃもうぐっとこない方がおかしい。
やっぱり、ストーリーでの一番のひっかかりが解消されてたから故でしょうねえ。あのリカの行動の不可解さは、正直刀がどうこうよりずっと大きかったので。
心のどこかに?が残っていると、お話に対してぐっとはこれないですから、私。
あ、今日はちゃんとリョウが刀を持っていくところを観てましたよ。タンクトップの人が舞台の中央にいる時に端っこでやられるとそりゃ見えてなくても仕方ないと思うので、わからせたいならやっぱ照明落としてピンスポだよな、と思いました。今日はそして休演日でいくつか変更かかったみたいなところが随所に。
一幕の千秋楽後で、コウイチがリカに「おれのネックレス知らない?」と声をかけて、例の形見となるヤツを持ってきてもらっていたり。
二幕のスーパースターのところでリョウが言う台詞が変わっていたり。えーと
「コウイチは自分を待っている舞台がある限りは消えたりはしない」
とかそんなような台詞になってました。うん、こっちのがしっくりきていい感じがする。
コウイチが昇天するところで子供時代の声が被ってきたり。
ええと、リョウの変更台詞は私はいいなと思いましたが、リカにネックレスを持ってこさせる意味がどうもわからなかったです。あそこは強調することになんか意味があるのかしら?
コウイチ昇天の場面の子どもの台詞は舞台上に集中したいところなので正直、邪魔なんですが。
台詞の内容そのものは「きっとコウイチは帰ってくる」というようなものですので、賛否両論あるに違いない、コウイチは完全に死んで終わるわけじゃなく「また戻ってくるよ」という明るめの未来を示唆してるんだなあと思いました。
つまり、コウイチが死ぬというストーリーはそれだけ観客に抵抗があったわけか、と。
どこに届いた声を聴いたものか、あるいは舞台を観た関係者のどなたかの進言なのかはわかりませんが。
そんなことをつらつらと考えたわけです。一幕の映画バイトのシーンでは、ミッションインポッシブルの後で
「マイ カノン砲だ」
と言ってました。マグナムよりマシンガンよりグレードアップ(笑)
病院から帰ってくるシーンでは
「♪よーこっそー ここへー」
と、パラダイスな感じで。お客様に光GENJIのどなたかがいらしていたらしい。晃くん?あっくん?それとも?・・・カーテンコール前にそっと出ていかれる影だけ観ましたのでどなたかはわかりませんが。
リカに見つかったらまた、股間・・・というより穴のあたりを押さえて「いやん」だの「どこ観てんのよ!」だのと。
今日のリカは冷静になんかかわいそうなものを観る目つきでコウイチを観ていたので
「そんな、軽蔑に満ちた眼差しをしなくても・・・結構傷つくんだよなあ」
と言ってました。いいクスリです(笑)
MAを驚かすシーンでは、
「もう死んじゃったかもしれないし」
と言った後で、おもちゃのようにつつつーとレールに乗ったように水平に動いて壁裏に隠れていた。時々コウイチさんはおもちゃ仕掛けになりますよ。
休演日の間に髪を切ったのか、前髪中心に全体的に短い感じになってました。
なんだか小猿のようだった。かわいかった。
おかげでロミオの容姿がますます幼げな感じに!つーか帝劇さま。帝劇さま。写真にロミオを出さないのは何に対する挑戦なのでしょうか?
いっそ10枚全部ロミオでも構わない!10枚のロミオでぱらぱらマンガをやりたい。\5000するぱらぱらマンガ。夢!それ夢ですから!今日はほぼ完璧だったんですが、ラダーフライングがちょいと恐かった。
一発目に飛ぶところで勢いつけすぎたのか全体に大回りで、最初のはしごに取り付けませんでした。途中で一度舞台に戻るところでも、中央着地せずにずいぶん上手側に勢いよく着地していて、心臓ばくばく。
その後は何事もなく綺麗に決めていましたので心配はないと思いますが、あの短い距離を自在に飛ぶフライングは圧倒されると同時に心臓が痛くなるので今日は嫌な汗をかいた感じです。
その後の仮面のところで、次の衣装の赤が襟元と袖口から結構見えてしまっていたのが残念でしたが、それくらいかな。
ホントにいい公演でした。そう言えば、亡ハムレット王の台詞回し、変えてきましたね。
少し張った声にしてきた。リチャード三世の亡霊の声はより低くおどろおどろしい感じにしてるので、ふたつの亡霊の差がくっきり出てきていました。
生前の人となりは確かにこのゴースト二人は違うと思った。はっきりと別の人の亡霊だ。
すげーや、光ちゃん。
亡霊の演技はどっちも一緒でいいと思ったけど、ちゃんと変えてきたんだな。
言うなれば、ロミオの口調は以前みたいなもっと幼げな方が好みかな。
「愛する・・・君のために」
の間は、あと一瞬だけあると最高にすきな感じ。
などとこんなところで希望を口にしてみる。二月の小宮山回のチケは持ってないので、今度の日曜日がマイ小宮山楽。
今日も今度の日曜も元々は全く持ってなかったチケットでした。観れてよかったな。次も楽しみです。