■2/6(sun) soiree■


初日以来の翼くん回の観劇でした。
Wキャストの宿命ということで、亮くんVerとの比較から。
正直なところ舞台での発声(幕が上がって少しばかりの間はちとやばめだったけど)・ダンスは翼君に一日の長あり、といった感じでしょうか。
ただ、情感をこめた告白シーンなどは亮くんのいい芝居の方によりぐっとくるものがありましたね。
これは、役柄の解釈の違いというのも大きなところではありますが。
私の印象だけで言うのならツバサは最初から最後まで「コウイチのライバルであり続けよう」としてもがいていた感じに対し、リョウは「コウイチのライバルになりたかった」というある種憧憬のようなものがあったように思えました。
だから、ツバサはコウイチに対してあの一幕のいさかい以来怒っていた。リョウは自分を理解してくれなかったコウイチにショックを受けた。そんな違いを感じましたよ。
二幕での告白シーンは、どちらもコウイチが戻ってきたことで精神的に追いつめられながらも、ツバサは他の人間の目がどうであれ、対等の立場であると思っていたかったのにどうしても敵わないことを心のどこかで認めていたコウイチに対してやりきれない思いの全てを爆発させていた感じ。
リョウは最初から「ライバル」は口だけで気持ちは子どもの頃にコウイチに「遊んでよ」とかまってちゃんだった頃と変わってないのに、事態だけが彼をおいてどんどん進んでしまって取り返しがつかなくなってしまった感じ。
そんな違いを感じました。
どちらもいいところがあり、どちらも違うものが足りていないようなそんな感じです。足して二で割ればなあ、と思いました。なかなか完璧というわけにはいきませんよね。当たり前のことですが。

コウイチとツバサ(と、アキヤマ)はマチダ・ヤラ・ヨネハナの三人を含めて幼なじみでずっと仲良しだったわけですが、千秋楽の夜の屋上でコウイチがツバサの肩を叩いて会話するシーンは、後の展開を知っていて観るとかなり泣けるものがあります。
こんなに仲良かったのにな。
なのにほんの少し後には、取り返しのつかない事故が起きさらに一年後には仲間だったはずのツバサは
「コウイチが売れるまではな」
と、仲間であったことを否定するようなすさんだ心になってしまうんですよね。
ううう。
あの屋上のシーンは、後に起こる様々なことの前の最後の静かな時間だっただけになんかじんときます。ホントにいい仲間達だったのにね。

ところで、Duet誌上で今回のSHOCKで光ちゃんが手がけた曲が明かされました。
「So Feel It Coming」「Don't Look Back」「Why Don't you Dance with me?」「yoru-no-umi」「CONTINUE」
この5曲。
いやもう、光ちゃんの引き出しはどれだけあるんだ?という感じですね。絶対ガチだと思っていた「NewYork Night」がないのにも驚きましたが、ふつーに職業作曲家の作品と疑っていなかった「So Feel It Coming」とか「Don't Look Back」なんてものがラインナップされてるんですから、開いた口がふさがりません。
で、今日は「これがそうなんだよなあ」と思いながら観ていたりもしました。
しかし、やっぱり「これがそう」と思うと、耳が聞き入ってしまうので「solitude」で「先入観を持って聴いて欲しくないから」という理由で変名で曲を提供した(の、割にはものすごくわかりやすい変名でしたけども)人は、もしかしたら同じ理由でパンフレットに作曲者を載せなかったのかな?と思ってしまいますよ。ま、そんなところまで光ちゃんの目が届いているとも思えないんですけどね。
「So Feel It Coming」は、OPの金ぴか衣装で登場する時の曲ですが、これがいわゆる「ブロードウェイっぽい曲を作らなくちゃいけなくてギターを使わずに作った」というナンバーじゃないかと。
正直私は、作曲を専業としているプロの作った曲だとつゆほども疑っておりませんでした。私が浅学にして知らないだけで、もしかしたらどこかのミュージカル映画で使用されているナンバーであってもおかしくないと……そうか、これを作ったのか。すごいわ。この曲、最後のカーテンコールでまるで今回のSHOCKのテーマのようにして全員登場のご挨拶の時に流れている曲ではありますが、いやはや。
参りました。よくわからないけど、頭を下げるよ、私は。
「Don't Look Back」は、使われている場面とタイトルのマッチングから言って、バックステージでツバサと諍いを起こした後のコウイチ独白シーンで流れているピアノナンバーだと思われますが。どこかの雑誌で「急遽場をつなぐための曲を作らなくちゃいけなくて、急いで作った」と言っていたそうです(Hさん談)から、ホントに直前になってぱぱっと作った曲ではないかと。ピアノだけなのはそこまでアレンジしてる時間がなかったんじゃないかなあ。同じ曲は二幕のシェイクスピア後のアキヤマがピアノ弾いてる場面でも使われてると思うのですが、他にもどこかでアレンジされてさりげなく使われているかもしれないなあ。歌詞がのっていたらどんな印象になったんでしょうか。耳障りのよいこれも普通に専業プロの作品だとばかり思っていた曲です。
「Why Don't You Dance with Me?」はまあ、納得。光ちゃんぽいなあと思っていた曲でしたから。てか、今回「これは光ちゃんかな」と思っていた曲は半分以上外してますので説得力のかけらもありませんよ。えらいかっこいい曲です。
今日は光ちゃん、ツバサのダンスを台上でじっと見つめている時口元に手をやっておりました。ものすごくかっこよかった!倒れそうに素敵だった。そして笑いながら立ち上がりまたじっと見定めるような目をして観ていた。
ここの表情の変化。なかなか見応えあります。
この曲はそして最後の「Just do It!」のキメがかっこいいんだな。
ちなみに、最初の歌詞は「Hey You」なのか「Hey Ryo」なのかずっと悩んでましたが、今日は「HeyTsubasa」と言っていたのですっきり解決しましたよ。いや、「Ryo」と聞こえてたんですが、ひょっとしたら「You」かなあ?とも思えたので。初日のことはもちろん、全く覚えてません。
「yoru-no-umi」は最初からガチと思っていたのが当たった。とはいえ、今回は「これは光ちゃんね」と思った曲の半分以上が外れていますので以下略。
壮大な映画のエンディングに使われてもおかしくないような曲です。何度観ても泣ける。このすぐ後にコウイチの本当の死がくるとわかっていて観るとまた倍くらい泣ける。
ここは、女性ダンサーさんが下がってコウイチとMA・ABCが揃って前に出てきてからがものすごくいい。
夢のように綺麗です。一糸乱れぬとはこのことだ。全員が一丸となってひとつの美しいものを作り上げようとする、舞台の精神そのものみたいな場面だと思います。
こんなに綺麗だと、ぐっとくると同時に不安になったりもします。みんな近づくコウイチの死をひしひしと感じながら踊ってるんだよなあと思うとホントに泣ける。
「CONTINUE」は、友人が何人か「光ちゃんの曲じゃない?」と推してましたが、私は否定してた曲。これも同じ人が作ったとはとても思えない。光ちゃんの引き出しの多さに感心します。もちろんアレンジの力はでかいですがそれにしても。
この曲、いつもそうですが大階段の下にみんなが集うエンディングでキャスト全員に向かってコウイチが眩しい程の笑顔を送るんですよ。その笑顔がいいんだ。泣けます。
例えコウイチが死んでも、その精神を受け継いだ人たちが舞台に立ち続ける限り SHOW MUST GO ONの心は死ぬことはなく、永遠に続いていく。
ただ舞台に向かうあくなき精神。
SHOCKのテーマそのものですよねえ。
それは夢みたいなことかもしれないけど、続いていく限り夢は死ぬことはないんですね。

そう言えば今日。
一幕でツバサがスタッフに食ってかかっている、まあ全ての発端となってしまった場面。コウイチがドレッサーに向かうところはまだスポットも当たっていなかったのですが、ドレッサーに乗ろうとしてずるっとこけて、台に上がりきれてませんでした。ちょいコケ。
周囲に静かなさざ波のような笑いが起きていたということは、みなさんも御覧になっていた、と。
観ろ。舞台上の芝居観ろ、と他人のことは全く言えない私は思っていたのでした。
正直、すまん。

そして、一幕といえば千秋楽の場面でみんなに小言を言うアキヤマに対しての文句。
「いちいちうるせえんだよ!新幹線みたいな顔しやがって!」
と、いつもと台詞が変わっておりました。そうしたら、コウイチはすかさず受けて舞台に出てきてからシャンパンの請求書を渡すところでアキヤマに
「で、のぞみなのかやまびこなのか?なんか乱反射して返ってきそうだから、やまびこだな」
と新幹線の種類まで断定しておりました。
光ちゃん「のぞみかやまびこか」って、普通は「のぞみかひかりか?」になるんじゃないのか?そうか、普段新幹線と言えばのぞみなんだな。ひかりなんてありえないんだな。そして東北行く時はやまびこであってあおばじゃないんだな、とそんなことを思った私。
その後も今日はずーっとやまびこを引っ張ってました。
マスタングに乗るところでアキヤマに向かって
「やっほー!」
やれば、アキヤマは「やっほー」とやまびこライクに返してコウイチに喜ばれ。バイトのシーンで出てきたところでも
「キモイんだよ!キモイんだよ!キモイんだよ
と言い。
二幕になっても、落ちてきたロミジュリの絵にむかって
「なんだチミは?なんだチミは?なんだチミは?
と、やっぱりやまびこしていた(笑)
食いつくよ!とことん。ウチの座長さんは、やりつくすとも!
大層笑わせてもらいました。何が出てくるかわからないね!

映画館バイトのいつものあれは「ショットガン」
二幕登場は「光ちゃんでっす!」
リカに対する軽いセクハラ(をい)は、股間押さえて「観ちゃいやん!」そして、正座して「これはこれはリカさん・・・一緒にやる?」と再び股間押さえてポージング。いい大人なんだから(笑)……面白いからもっとやれ(をい)
そういえば、二幕でMAに再開した後でアキヤマにみんなでぼこぼこ愛の蹴りを入れるところ、今までヒップアタックしてたのを「ホントに体力こんなところで使うの止めよう」と自粛してました。大人になって!(違)

小宮山さんがリカ役をやった時も思いましたが、同じ役所であっても演じ手が変わるとこうも変わるものかと。
そんなことをまざまざと思い知った感じのする回でした。
初日後に亮回を観た時は、まだ自分の中にイメージががっちりできあがる前でしたのでさほど差違を感じなかったんですが今日は結構「おお」と思った。
なかなか楽しいです。
どっちがいいか、って話になると「どちらも一長一短だなあ」というのが正直な感想です。
どっちもWキャストのもう一人より優れているところがあり、どっちも劣っているところがある。
そんな感じでしょうか。

 

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