■2/19(sat) matinee■
お久しぶりのKさんにお誘いいただいて、共通のお友達であるCさんの名代で帝劇に。
本日写真追加。
ロミオ出た!ロミオ!二枚!死に顔とアップ出た!太鼓出た!yoru-no-umi出た!大漁。大豊漁!第二弾と第三弾が正直微妙な感じだったのとエラい差です。スカなし。こんなんあったんなら、最初から出しておけ!とか言いません。出してくれてありがとう。そう伝えておこう。
もっと出せ(そこか)
一週間ぶりのSHOCKでした。ああ、何もかもが新鮮。そして何もかもが懐かしい。
今日は、一幕屋上のところで懐かしく昔を語り合うシーンでコウイチがアキヤマに
「お前もリアルだったけど、お前のオヤジもリアルでショーには厳しい人だったよ」
と言ってましたよ(笑)
虚を突かれながらも、アキヤマは
「そんなリアルなオヤジもメジャーになるって夢を抱えたままで逝っちまったよ」
と返しておりました。どんな時でもついてきてくれる。あっきーありがとう。
マスタングに乗って去るところでは
「みんなでドライブだ……F1の話をしながらな!」
と言うコウイチにアキヤマが
「F1の話はいらないでしょう」
と言えば、
「(タメ結構長く)……いるでしょう!」
と突然壊れた人のように叫んで去っていきました。
二幕登場のところは、ジャミラしながらスキップして登場
「ぼっく、こっおちゃん!」
……いやもう、何やられても光ちゃんだなあ、と思い始めている自分がいっそ恐いっす。
ジャミラスキップは結構強烈でした。またこれが基本に忠実な美しいスキップで、それがまたおかしい。スキップの見本のようなスキップ。でも、ジャミラ!地上で生態系進化を遂げたらあんな生き物にはならない。絶対ならない、っていう動きです。なんだチミは!何がこの人にそこまでさせるのか。謎。でもかわいい。
なんだチミは!と言えば、勝手に落ちてくるピアノ上の額ですが、
「なんだチミは!・・・・・額です」
と一人ボケをしていましたよ。細かいから、アナタ。
リカに見つかるところでは、恒例(え?)の大股開きで
「大事なものはここ!」
と、穴隠す……もうアナタに棄てるものはないですね、実際(笑)そのままごろんして、寝たふり突入、高いびき。あまりにもいびき時間が長いのでリカに「コウイチ?」と話しかけられる。起きあがって正座し
「これはこれはリカさん、お久しぶりで」
とごあいさつ。立ち上がってネックレスを渡されるシーンで、おもむろに
「ありがとう……背、伸びたね」
とさみしげに漏らしておりました。こ、こ、光ちゃん!!!(なぜか涙が止まりません)
続く、MAとのかけあいでも
「背はちっちゃいけど、ステージでは輝いていて!」
とポーズ。そうか、そんなにその発見はショックでしたか。それはともかく(笑)
ハムレットはやっぱり、生か死かのくだりに台詞の吐き方に変化を加えてから圧倒的によくなりましたねえ。
うっとり。
光ちゃんのハムレット王子は情熱のハムレット王子だったんですが、そこに一辺倒でない複雑さが加わった感じです。いいなあ、すきだなあ、とむしろロミオよりもどきどきしながら観てますよ。
ハムレット全編やらないかなあ。やって欲しいなあ。
ハムレット王子の台詞は、途中から悪夢のただ中にあるアキヤマに引き継がれるわけですがこの時舞台上のハムレットコウイチはねめつけるような視線を苦悩のアキヤマに送っております。
現実のコウイチならば絶対にありえない怨みの視線ですが、ここはアキヤマの夢の中。
お前が全ていけないんだ、と睨むでもなくただ観ている視線はものっすごく恐いです。
でも、現実のコウイチはアキヤマに対してはもちろん、刀をすり替えたツバサに対しても憎しみを抱いたりしないわけで。
そんな、人間ができすぎてるよ!と思わないでもないんだけどコウイチって、自分自身の命よりもステージの方が大事な人じゃないですか。
じゃなきゃ「対応できなかったのは俺の方だ」なんて台詞出てこないよな。ここは、この台詞に至る芝居もすきですが、ツバサに「もう一度コウイチのステージに立たせてくれ」と頼まれて了承するところがすごくすきです。
一瞬誰からも背を向け、ちょっとタメを作るんですよ。
このタメの時、今日の昼は明らかに背中が震えていて台詞では決して表現しきれないコウイチの中の複雑な胸中を垣間見た思いになりました。
誰だって死ぬことは恐いし、それを受け入れることは躊躇するでしょう。でも、コウイチには目の前に「一緒にやりたいと思っていた仲間と立つことができるステージ」があったんですよね。
死んだ瞬間に、一年間我慢して我慢して「戻りたい」と焦がれていた場所と仲間のところに飛んで帰ってきちゃう人ですから。
立つべきステージがあればそれで満たされる。
だから、笑うことができた。笑って「思いっきりやろう!」と言えちゃったんだな。
きっとステージっていうこの世で一番大切に思うものがなかったら、パニック起こしてたに違いない。というより、そもそも死んでから戻ってくることもなかったよね。
ステージとステージに一緒にたてる仲間だけがこの人を強くさせるのか、と思った。
そうなるとツバサの苦悩も理解できますよね。
「止まったヤツは切り捨てられるんだろ?」
って、つまり自分がライバルでありたいと切望していたコウイチの目の中にも入らない存在になっちゃうっていう恐怖じゃないかな。
コウイチはホントに「一緒のステージに立つ仲間」っていう前提がないと視界の中に人を入れてくれないから(笑)
ある意味、自分の患者しか愛さない「魔界都市新宿」のドクター・メフィスト並みですな(ドクター・メフィストご存じの方たち、ここ、笑うところです)
リカも厄介なのに惚れたもんですよ。
最期まで「仲間」としては愛してもらえても「女」としては観てもらえないのも当たり前だ。
だけどそんなコウイチは、きっと最期の瞬間だけ弟のように思っていたツバサを幼い頃の気持ちのままで「いいこ、いいこ」したんじゃないかなあ、と思います。
だけど、あの時確かに少し動いている唇が告げている言葉はきっと、次の舞台への激励なんだろうなあ。
リカはコウイチの手が「冷たい」と言ったけど、ツバサの頭をなでるあの手はきっと温かかったと思います。少なくともツバサにはきっと温かいと感じられたに違いない。
今回のSHOCKがすきな理由のひとつは、話が通っているおかげで芝居の隙間にあるドラマが自然にぽわーっと浮かんでくるところ。
反芻しては、台詞の外側にある登場人物たちの思いに心を馳せることができます。
でも、人間の記憶力には限界があるので。
出せ。DVD出せ。頼むから出してくれ。In The Cemeteryのこと。
私はこの曲こそ、光ちゃん作だと信じて疑っていなかったわけですが。その理由のひとつが光ちゃんの曲に多く詞を提供してくださっている、久保田洋司さんのサイトの発言にあったわけです。
久保田さんは「『罪と罰』というので、ドストエフスキーを読んだら、ギリシャ神話の罪と罰と言われた」とおっしゃっていました。まあ、今回提供された詞についての記述だとは一言もなかったわけですが(笑)
この曲って、病院のベッドで生死を彷徨っていたコウイチが黄泉に堕ちていくっていうイメージだと思うのですがいかがでしょう?
In The Cemeteryのラストで十字架に磔になったコウイチは、あれで本当に息絶えたんじゃないかなあ、と。
コウイチの死そのものをストレートに扱っている感じがとてもします。迫り来る死と闘ってついに破れた、みたいなそんな印象。ダンスもそんな感じですよね。
んで。
この曲の詞がまさにギリシャ神話の罪と罰……私にはオルフェウスとエウリュディケの神話みたいだなあと思ったのでした。
日本で言えば「黄泉比良坂」……イザナギイザナミの神話ですね。
黄泉に落とされた妻を追って夫が黄泉の国に行き、妻を取り戻す。地上までは決して振り返ってはいけない、と言われたのに最後に一度だけ振り返ったせいで妻は再び黄泉の国に戻されてしまって二度と逢えなくなる、という。
どこの国にも冥界とそこから愛する人を取り戻したいが叶わない、という神話はあるものですけどIn The Cemeteryの歌詞って断片的に耳に残っている詞がそんな神話を思い出させるんですよね。
ふたを開けたら全然光ちゃんの曲じゃなかったけど(笑)そして、ちゃんと歌詞を全編観たら全然そんなことないのかもしれないけれども。
そんなわけで、毎回ここのところは白ブラウスのぴらぴらにどきどきしながらそんなことを考えているわけです。
この曲、ダンスもすきだし曲も詞もものすごくすきなので、とっとと形にしてください。もったいないから!もったいないお化け出るよ!ホントにさ!