■2/20(sun) matinee■


本日お昼の部は黒木瞳さんがご来場。もう、ずっと来てくださってますよね。立派SHOCK通ですな。
今日はマスタングのところで「F1話をしながらドライブ」と言ったのを真っ向アキヤマに否定されて、えっらいガラの悪いところを見せていたコウイチ。アキヤマに「なんでそんなヤクザみたいなんだよ!と言われてもなお、すごむ。しまいには「すみません」と謝らせてました。そんなコウイチは運転も荒く「安全運転で!」と言われたらムキになってぐるんぐるんハンドル切ってましたよ。
そして、コウイチが行ってからいつものごとく車のキーを受け取ったアキヤマ。
「あのヤクザ、どうやって運転してったんだ?」
大笑い。君はやっぱり得難い人だよ、アキヤマ。
今日はバイトの最後に、壁が頭に当たるところで、
「ハゲちゃうよ……ほら、こんなに薄くなっちゃって」
と自爆ネタをかましたコウイチに、ヨネハナが
「確かに……」
その瞬間、何も言わずにじと目で睨んだコウイチさん。毛髪の明日が気になる、そんな微妙なお年頃。

今更ながらのことではありますが、MAは随所で本当にいい感じです。
今回、光ちゃん本人曰くは「今までで体力的に一番キツい」そうですが、それでもMA・ABC、ちゃんと一番大変な座長のがんばりに応えてくれる面子が揃っているから安心していられるんだな。
光ちゃんはひとりじゃない。どんなに大変なことをやっていても悲壮感を感じないで済む。
MAもABCも舞台の端で中央で、実にいい。
千秋楽のシャンパンの時、全員が楽しく歌い踊っている時にアキヤマだけは下手のところで「ああ、そんなぁ!」って仕草で手を差し伸べていたりしますよ。
マチダは随所でものっすごく高いところできゃあああああ(はぁと)って奇声上げてるだけじゃありません。アイリッシュダンスではやっぱりマチダのダンスは一番すきでついつい見入ってしまいます。動き、綺麗です。ギリシャのとこでいい位置で踊ってるんですよ。
ヤラは、一幕バックステージ、ツバサとコウイチが決裂して二幕の準備に行こうとするところで「やっぱり黙ってられない!」とばかりにコウイチの方に詰め寄ろうとして、ヨネハナに止められております。
ヨネハナは言わずもがな、アキヤマの「俺に惚れたら火傷するぜ」でえづいてますし。
きっちり、それぞれのキャラが立ってるんだよなあ。
ABCもですね、スーパースター様のところ、記者会見後にコウイチを中心にしてみんなで集まるところとか、すごくきらきらした瞳でコウイチを観てるんですよね。
五関くんとかすごく嬉しそうな顔をしている。
ステージの時はもちろん光一ファンですので光ちゃんばっかり追ってますが、そういう後輩くんのがんばってくれてるところを目にするとやっぱりきゅーんときます。
本当に、最初のMILLENNIUM SHOCKでは後輩の顔をしていたのが、すっかりいい先輩の顔に。
最後の大階段上でみんなを見渡すところなんかもう、ホントにねえ。いいもんみてるな、って気になりますよ。

日替わりネタ続き。二幕登場時は、ジャミラ後ろ向き歩行。とてててて、と地球上ではありえない進化の課程を辿った生物の動きで、途中でちょい止まって進行方向修正。そうしてどこにもぶつかることなくセンターステージに到着してました。
あれのぜんまい仕掛けで動く人形を作らないとは、帝劇も商売っけがないな!
リカに見つかり、大股開きで「観ないで!」とやった後に、なんかいたたまれなくなったらしく、床にうつぶせの丸太状態で寝そべり
「僕は床です」
どうも、自分の演技に疑問があったのか、さんま焼きみたいに仰向け丸太になり「床です」とセルフプロデュースしてました。
「コウイチ?」という、もはやかわいそうな人に呼びかけるがごとくのリカの声に起き直り「これはこれはリカさんお久しぶりで」と正座してごあいさつ。
ネックレス受け取ってふと「身長伸びたね」と聴く者の涙を思わず誘う語りを。
なぜか涙で前が見えないよ、コウイチ!

今回はどこを切ってもすきなところばっかりですので、あれなのですが。
スペイン「LOVE&LONELINESS」のこと。
むしろ、リカとのペアダンスのところよりもコウイチが見えないパートナーと踊っているところの方がかっこいい。
あそこ、ステージの中心でコウイチが見えないパートナーと踊り、周囲で女性ダンサーがやはり見えないパートナーと踊るわけですが。
観ていると、コウイチが全員と一緒に踊っているように見える。これ、後半では女性ダンサーはちゃんとパートナーを得て踊っている(コウイチはソロでやっぱり見えないパートナーと踊る)んですが、やっぱり、ダンサーを踊らせているのはコウイチに見えるんですよね。
むしろ、マエストロ。
中心で全員を指揮し、思う通りに動かす指揮者のような感じがします。
あの手に舞台の全員が従い、舞う感じ。ざわざわとします。
ものすごく優雅でかっこいい。
だけどなんか切なくて、もの哀しい雰囲気が漂っております。これもやっぱりすきだなあ。

ところで今日のシェイクスピアでまた新たな発見。
ハムレット王子「生か、死か」のところで台詞を受けたアキヤマをねめつけていると書きましたけど、自身が語るところ
「どちらが男らしい生き方か」
と言うところでも、ちらりとなんとも言えない冷たい怨みをはらんだ目つきでアキヤマを観るのですね。
責めてる。悪夢の中のコウイチは容赦なくアキヤマを責め立ててると思いました。直接手をあげるのではなくて、なじるのでもなくて、ただ怨みをはらんだ目で観るだけ。
でも、それがアキヤマには耐え難い苦痛なんでしょうねえ。
それこそ、叫びだしたくなるほどに。
そして今日のこれは、観ていた角度の問題。
死せるロミオの手が。手が。手が、猫手!!!!!!
猫。それ、猫の手。猫の手の角度。
要するに指先が服に埋もれて見えなくなっていて、ことりと腹の上にのせられた手がいい感じの角度になっていて、爪をしまった猫の手に見えた。
大興奮。うわあ、それ卑怯!卑怯だよ、それ!

と。ばかなことを書いておりますが。
今日観ながらすごく思ったことがありまして。
二幕最初のところ、アキヤマはこの上なく悲嘆に暮れ、人生にも舞台にも絶望してるんですよ。観る夢は悪夢。
それはツバサも同じことで。
マチダもなんか元気がない。
戻ってきたコウイチが言った通り、劇場全体が寂れてしまっている。
スターを失うというのはそれほど大きなことだったわけですよ。コウイチは本当にあのカンパニーの光そのものだったから。
それが。
コウイチの本当の死を越えて、みんなでCONTINUEを歌う時には全員がすがすがしい表情で明日へ続く夢があると歌っている。
コウイチがいない。
そのことには変わりはないけれども、病院でふせっている間中ずっと舞台に立ちたくて仕方なかったコウイチがもう一度戻ってきて、そうして生きていくために必要な強さを身をもって示してくれたから。
彼らは前を向いて生きていく、生きて舞台に立つことを思いだしたんですよね。
本当はコウイチと一緒に舞台に立ち続けていたかったけど、もうそれは叶わないから、仲間達で手を取り合ってそれでも自分の足で立って舞台を続けていく。
そう決めたんだなあ、と。
あのフィナーレのぱあっと前が拓けていくような感じはそれだからこそなのかな。
仲間を観ているコウイチはとてもすがすがしい笑顔でいる。CONTINUEの歌詞の通り、自分の夢が続いていくことを確信しているからなんでしょうねえ。
あの事故の直前、合戦の二部に向かう前にコウイチがいさかいを起こしてたった一人きりになり、虚空を見上げてなんとも言えないため息をつくではないですか。
コウイチは不言実行の人で、きっと舞台で見せることでみんなわかってくれるものだと思っているところがある。
人は完璧な存在にはなれないから仕方ないけど、コウイチはやっぱりちゃんと言葉で大切なことを伝えて仲間同士でわかりあうための作業が必要だったんだと思います。
でもそれはもうできない。
そう思うと哀しいけど、でも。
やっぱり、いい話だな。と思います。ホント、すきだ。今回のSHOCK。

 

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