■3/25(sat)■


実は今日が最後の二階席での観覧だったんですよ。なのに、双眼鏡忘れました。年度末進行のお仕事が結構大変なのでへとへとな私は「いい機会だから言わせてもらう」……ではなくていい機会なので今日は全体を観る!に徹することにしました。

で、そのつもりだったのですがこれだけは忘れてしまう前に書き留めておかなくてはと思いまして。
実は今日は二階でも比較的前の方に座っておりました。
ラダーフライングが!!!
以前、友人が二階前方の真ん中あたりに座ったことがありまして、その時に「レーザーの海の中を歩いてくるみたいに見えた」と大層詩人なメールを寄越してくれたことがありました。他にも何人か知り合いであのあたりに座った人は一様に詩人になってました。

どんな風景なんだろうか。

ずっとそう思っていました。

ちょっとだけ、それがわかった。

舞台から一直線に二階客席の方に向かって伸びるレーザーの緑。
振れ幅がある光は一瞬にして、中空に緑の野を作り出します。
地面というよりは、薄氷のようなとても儚い感じがする、でも確かにそこにあるように思える薄い淡い緑の野。
光ちゃんは、その光の野の上を滑るようにして前に進んできていました。
確かにそれは緑のレーザーの海を泳いでいるようにも、歩いているようにも見えます。私は氷の上を滑っているかのように見えた。
震えた。
ちょうど目線の高さがそう見せるのでしょう。レーザーの作る光が緑の原に見えるんですよ。その中を滑るようにしてこちらに向かってやってくる光ちゃんは、なんというかちょっと超越してしまっているようにすら見えましたよ。
ああ、そりゃあれならどセンターの皆さんはみんな詩人になるね。そりゃなるよ。うん。
この世にこういう風景が存在するのか、と。
光ちゃんにはよくそう思わせられる風景を見せてもらっているけれども、ここにきてまたひとつ不思議で綺麗でそしてびっくりするような風景を見せてもらった気がします。
これ。この演出ってどなたの案なんでしょうかねえ。こういう時、舞台演出家という種類に属する方々の頭の中を見せてもらいたい気持ちになります。

舞台というのは、その日その日によって新しい発見が必ず存在するものだとは思いますが、今日もまたひとつ。
最後にコウイチが

「お前達の夢……おれ達の夢はこれからなんだ!」

と言うではないですか。
Endless SHOCKのまさに最後の台詞となる部分なのですが、今日はいきなりこの部分でスイッチが入ってしまいました。
コウイチは最初、自分が欠けてしまうカンパニーに向かって「お前達の夢」と自分を除いた人間達の夢と言いかけ、それからもう一度「おれ達の夢」と言い直すんですね。
もう、コウイチがその輪に生きて加わることはないのに。
それでも自分の気持ちはあのカンパニーの中にずっとずっと生き続けることを知っているから、満面の笑顔で「おれ達」と言い直せるのだなあ、と。
お前達の夢、の後の一瞬のタメが今日はずばーんと入ってしまったようです。
チクショウ、泣かせやがって。

本日スペシャルを。
えーと、光ちゃんの鼻づまり声は大分解消されてました。少し声がかすれてはいたけれども最悪の状況には至らず快方に向かっている模様です。ほ。
昨日の夜もそうだったみたいですが、外国人記者の方に
「ソレ、鬘デショ?」
と言われていたのが
「ソレ、新シイ鬘デショ?」
とおニュー装着を指摘され、コウイチさんそこは否定しとりました。
二幕でリカに「リカちゃああん」とやるあの部分ですが、語尾が(ドクロベエ様+喪黒福造)×0.5というおじいちゃんというよりどこの福禄寿(←私の中ではそういうイメージ……七福神なのに!)だ?というしゃべりになってまして、リカちゃん変な笑い方をして咳き込み「なんなら救急車呼ぼうか?」「今ならおれのいたベッドが空いてるかも」と畳みかけられ撃沈しておりました。
「リカちゃん、コウちゃんは帰ってきたんふぉふぉふぉふぉふぉふぉ」(←ふぉふぉふぉの笑い声を喪黒福造とドクロベエミックスでしゃべるコウイチさんをご想像ください。前半はヒガシ系です。とても、変です)
抱きつく時も駆け寄ってから一瞬間があった。ふぉふぉふぉふぉしゃべりをしてたから「私はコレに抱きついていいものか?」と躊躇したのだろうか(笑)
時々光ちゃんは「その原典は一体?そして何故今それを持ち出すことにしたのか?」と問いただしたくなるようなキャラを引っぱり出してきます。
恐ろしい。とーてーも恐ろしい。
ちなみにアキヤマも「ふぉふぉふぉふぉふぉ」の謎キャラをマネっこして会場の爆笑を誘ってましたよ。ホントに機転が利く人だなあ。

そういえばリカちゃんといえば、屋上で渡したネックレス、コウイチはちゃんとWorld Adventureの間ずっと身につけてるんですよねえ。二幕のショーでは和服の胸元が合わさっているのでネックレスをつけているかどうか自体、見えないのですけども。
この辺りも二幕で「いつも身につけていたはずのネックレス」をなぜかリカが持っている。というところへ繋がる、ちゃんとした伏線にしてるのか。細かい。細かすぎてそれほど気付いている人がいなさそうなのが惜しいんだが。
Endless SHOCKは実に実に細かい部分がこだわりいっぱいに作られているので、多分全部をひもとける人というのはいないんだろうなあと思います。
全員の知っている「実は」を合わせてもきっとまだ「実は」がありそうな気がする(笑)
そこが楽しいのですけどね。

千秋楽まで残りわずか。
今日は座長からいよいよその言葉が出てきました。
最後までどうぞ恙なく最高の舞台を続けてくださいませ。期待しています。

 

Back