祝!堂本光一さん 帝劇主演ミュージカル
主演■堂本 光一
2006/2/6(月)〜3/29(水) 於 東京帝国劇場
■STORY■
オフブロードウェイ ドリーム・ゴースト・シアターは、コウイチ率いるカンパニーの公演で連日大人気を博していた。
いつかは華やかなオンブロードウェイへの進出を夢みるカンパニーだが、アキヤマの父が遺した劇場でかつかつの公演を行っている。
そんなカンパニーにある日転機が訪れた。
カンパニーの公演が、新聞の劇評で大絶賛されたのだ。ことに主演のコウイチに対する賛辞は素晴らしく、瞬く間にオンでの上演の話が舞い込む。
降って沸いた景気の良い話だが、各人の胸中は様々で以前には確かにあった結束にはほど遠い状態となってしまう。
だが、ともかく夢のブロードウェイの幕は上がった。
順調に公演を続けるカンパニー。客席の反応も上々だ。だが、カンパニーのナンバーツーであるツバサ(リョウ)は、裏方のミスのせいで出とちりをしたと、激怒する。
そんなツバサ(リョウ)の様子を観ていて、舞台は生き物でありどんな場合であってもそれに対処することが必要だ、とコウイチは説く。
コウイチの叱咤に激しく反発するツバサ(リョウ)の胸にはある計略が浮かぶ。
成功したが故、カンパニーの歯車は噛み合わなくなってきはじめていた。
そんな中迎えた公演の二幕、ジャパニスクの場面でハプニングが起きる。
コウイチとの殺陣のシーンでツバサ(リョウ)の刀が取り落とされてしまったのだ。
とっさの機転を効かせたアキヤマから渡された刀の異変に気付いたものの、躊躇無くツバサ(リョウ)に渡して公演を続けるコウイチ。
そしてコウイチは真剣にすり替えられたツバサ(リョウ)の刃に血しぶきをあげ、大階段を転げ落ちていった。それから一年後。
事故をきっかけとして、カンパニーは分裂状態に陥っていた。
アキヤマとリカたちはオフブロードウェイに戻り客の入らない公演を続けている。ツバサ(リョウ)は単身オンに残りまるで意地を張っているかのように公演を行っていた。だが、その公演も程なくクローズするという。
そしてコウイチは、未だに病院で生死の境を彷徨っている。
アキヤマもツバサ(リョウ)もそしてリカも、未だ悪夢に悩まされていた。
そんなある日。
何事もなかったかのようにコウイチがカンパニーの元に帰ってくる。あの事故の後のことは何も覚えていないコウイチは、アキヤマたちにまた公演をやろうと言いだし、俄然カンパニーに活気がみなぎってきた。ばらばらになったカンパニーもまた再編できるかもしれない。希望が満ちる。そんな中コウイチに想いを寄せていたはずのリカだけが浮かない様子だった。
オンで公演を続けるツバサ(リョウ)の元を訪れるコウイチたち。
だが、てっきり喜んで迎えてくれると思ったツバサ(リョウ)はコウイチに対して邪険に接する。常に、コウイチの影に隠れてナンバーツーにあまんじてきたツバサ(リョウ)。
実は一年前のあの事故は、ツバサ(リョウ)が故意に竹光を真剣にすり替えたことから起きたものだったと、告白をする。
手にした真剣の重さに、コウイチにはそれが本物の刀だとわかったはずだった。ツバサ(リョウ)は真剣にすり替えられているとわかった時点で公演はストップするものだと思っていた。
常日ごろ「SHOW MUST GO ON」を唱え続けるコウイチへのホンの意趣返しのつもりだったのだ。
だが、真剣だと誰もが気付いた後も公演は何事もなかったかのように続けられ、事故は起きてしまった。
コウイチへのコンプレックス。リカへの恋心。そのリカもコウイチから恋心の見返りを受けたことはなかった。
ツバサ(リョウ)はリカに「自分を殺してくれ」と懇願する。だが、リカは逆にツバサ(リョウ)から託されたナイフでコウイチを刺してしまう。
リカだけは知っていた。
本物のコウイチは病院で息をひきとったのだと。
死せるコウイチは、本人すら自覚のないままにカンパニーの前に姿を現していたのだった。現実に触れることもできるのに、もう生きてはいないコウイチ。
みんなの前に何事もなかったかのようにいられる時間は、そうは多くないのだろうとようやく本人も自分の境遇を悟る。
公演を行おう。自分にとって最後の、そして最高の公演になるはずだ。
コウイチは復帰を知らせる記者会見を開き、公演にかける意気込みを公表する。
カンパニー全員に言い含めた言葉は「もし、自分が公演の途中で消えてしまったとしても、SHOW MUST GO ON・・・・ショーを続けろ」と。
そして、コウイチ最後の公演が始まる。
それは、誰の記憶にも鮮明に残るものとなった。そして、コウイチは公演の最中今度こそ本当の死を迎えるのだった。
だが、コウイチの精神はカンパニー全員の心に刻まれ生き続けていく。これからも、ずっと。