■1/8(mon)■
やあ。
光一座長は体内の疲労物質を体外に排出しきり、新しい高級オイルでも入れ直したみたいですよ?今日は二回公演だというのに、全然調子があがってました。もう、ホントにわずかなわずかな遅れみたいなものは見あたりません。
さすがです。
今日は♪Why don't you〜のキメの♪Just do it!も許容範囲内の遅れでした。今日は落とし物DAY
一幕OPのゴーストの落とし物と思しき蛍光色のやたらと派手な布がステージに残っていたり(これは、ヤラが機転を効かせて拾い上げさりげなーくリレーして上手の方にはけさせていた)WORLD ADVENTUREの誰かの衣装の一部がずーっとステージに落ちてたり(これもまた、サンババトルのヤラが拾い上げ、まるで最初からダンスのために用意した小物のようにひらひらと遊ばせてみたり、アクロバティックな動きの時は口に銜えてパフォーマンスしてみせたりで、大喝采を浴びていた)
二幕の記者会見の場面で、インタビュアーのマイクがすぽーんと飛んでいたのを、キャストの一人がこっそり拾って何事もなかったかのように飛ばした人に返してたりした。
ちなみに昨日は、ナオキがパフォーマンスの最初で派手にスティックを落として持っていたもう一方のスティックを男らしく投げ捨てていた。投げ捨てたはいいけど、どうやって回収するのかなあ?あそこ、コウイチの歩いてくるあたりなんだけど…と思ってたら紅い布とともに巻き込まれて回収されていった。あのスティック、後から見つけることはできたんだろうか……
かと思えば、初日からずっとどっかしらの炎が消えていたジャパネスクの松明は今日はちゃんと四つ全部燃えていた。
昨日、炎の剣(二幕)によって火を移される篝火の内、一番下手側の篝火が他の篝火の軽く三倍位炎上してたのが、今日は普通に同じ位の炎だった。
ちょっとずつちょっとずつ。
細かいところが修正されてたり、思いもよらないアクシデントには当たり前に普通にキャストが対応していたり。
ああ、随所にSHOW MUST GO ON
ステージをやる上で当たり前のことを当たり前にやっているだけだけど、この舞台のテーマがテーマだけに、なんかそんなところにも頷いてしまうわけです。ところで、割とよく笑いの神様が降りてくる座長様ですが。
二幕でみんなのところに戻ってくる場面。いかに自分が元気になったかを示そうとして、思わずヲタ芸を打ってました。
あんた、どんだけそのネタ気に入ってるんだ?って話ですが。
あんまりにも元気よく打ちすぎ、その後思い切って床にも転がってみたため、腰を打ったらしく。次の台詞で曲に入るきっかけを作らなくちゃいけないのに、腰を押さえて
「ちょっと待って……」
と(大笑)
「ホントに元気になったのか?」
と口々にアキヤマたちからのアドリブが入れば「大丈夫大丈夫」といいながらまたヲタ芸を打ってみせるわけです。
だから、どんだけそのネタ気に入ってるんだ?以下省略
ようやく、きっかけの台詞を言って曲に入ったわけですが。
ここでヤラが気付いて、コウイチにハットを投げてやります。コウイチは当たり前にハットを受け取り、そのまま新曲に行くのですが。
笑いの神が降りてきている以上、ただではすみません。
ヤラ、まさかの大暴投。コウイチの頭上はるか1mくらい上を景気よくぽーんとハットが飛んでいきました。
客席から笑い声。慌てて拾ってもらったハットを受け取って、ダンスに入る前の最後のフレーズを歌い上げるコウイチが、流石に歌いながら吹きだしていた。
ああ恐ろしい恐ろしい。笑いの神が降りてきてる人はこれだから。
この後は何事もなく、昨日は何げにステッキからとり落としていたハットも、ステッキの中に収まった小粋な感じのキメポーズまでばっちりでした。
この二幕の場面ですが、アキヤマがもの悲しくピアノで「追憶の雨」を弾いているシーン。ピアノの上に、タオル巻して満面の笑みを浮かべて両手でピースサイン作ってるコウイチの写真が額に入れて飾られているんですよ。
もっとかっこいい写真とかいっぱいあるだろうに、あえてこの稽古場写真。うっかり双眼鏡でこの写真を観てしまうと、笑っちゃいけないところなのに笑いがこみあげてきていけません。
帝劇のステージフォト。ぜひこっそりとこの写真を出してもらいたいと熱望してるんですがどうでしょう?みんな絶対欲しいと思うの。ものっすごいいい笑顔ですから、あれ。100点の笑顔だ。小ネタで言うと、一幕千秋楽後のシーン。
マチダが、毎回コウイチのシャンパングラスをパクってるシーンがツボで仕方ありません。ものすごいキャラ立ちの仕方です。しかも、メインの台詞の押収は別でやってる時にやってるのですよ。
それ以外にも、とにかくコウイチLOVEなマチダさんの所作は随所で光ってます。
台詞でなくて所作でキャラが立つってのはすごいことです。MA日記で衣装さんに「それはやめときなさい」と諭されるだけのことはある(笑)キャラの際だたせ方は前回より濃いです。
今回は前回よりも更にMAひとりひとりに見所を作ってるなあ、と思います。
アキヤマは前回とはちょっとキャラが違ってるのが、ちょっと面白いですね。二幕告白のシーンでの「もう一度ショーをやろう!」と叫ぶあれは、今までで一番ぐっときました。
ヤラは何げにプレイヤーたちのまとめ役というか、班長っぽい。時にはコウイチを諭すこともあるっていうプチ兄貴なところがありますよね。でもやっぱりコウイチに頼っているから、最後にまだ惑いを隠せないのかなあ、とか思います。
ヨネハナはアイススキー(笑)で、あの中では一番純粋でいい意味でダンス莫迦な感じ。今日から増えたWORLD ADVENTUREでのラップシーン冒頭の連続バック転はかっこよかったです。ホントに綺麗に飛びますよねえ。今回、光一さんの演技そのものは前回までとさほど変わっているようには私にはみえないです。
みえないのですが、トウマやリカが変わって、前回までとは違っているため、同じタメや演技であっても意味合いがまた違ったものに見えてくる。
当たり前ですけど、舞台を作るのは役者なのだな、とつくづく思います。
印象的なのは、リカがコウイチが既に亡くなっている事実を告げた後の変化。
実を言うと、前回も同じように最初はその事実を受け入れることができなくて戸惑っていたコウイチが、リカの
「現実を受け止めなくちゃいけない」
という言葉にはっとするという流れは同じだったと思うのですけど。
他でもないカンパニーの中で最も幼くて、妹的存在だったリカが一番最初に受け止めがたい現実を受け止めていた、という事実に気付いて、だからこそ
「全てを受け入れる」
という気持ちになれるんだなあ、と素直に思うことができました。
おかげで、その後に続くリカへの「ありがとう」と「成長したな」という台詞がとても大きく重いものに変わりました。
負うた子に教えられる、というか。子どもだと思っていた人がいつの間にか、誰よりも先にいっていたことに気付いたという感じでしょうか。
今回のリカとはその先に、もしもコウイチが生きていたとしても恋が始まる可能性は感じないのですけど(笑)きっとリカにつく虫をコウイチが片っ端からむしってはなげ、ちぎっては捨てするんだろうなあと思ったりします。
トウマがまた、リカの言葉に「嘘だろ?」と泣きながらみんなに聞いて回るところはもらい泣きです。
その必死さが悲しくて痛い。
嫌いなわけがない人がいなくなってしまったという重い事実。誰でも信じたくはないし、受け入れがたいものなのは想像するまでもないことですから。
それを聞いている、当の本人であるコウイチの心境と共にこの舞台の中でもしかしたら一番辛い場面かもしれない、と思います。
ひとつだけ言うなら、コウイチの死を招いたのが自分だ、という罪の呵責がよりすさまじいものであればなあ、と。これは脚本からいじらないといけないと思うのであれですし、その部分をクローズアップすると、テーマが変わっちゃうんですけども。
コウイチの死に対する嘆きがどーんと響いてきたので、その分「後悔は決して先にはできない」と思ってしまう部分も大いにあるものですから。三日連続号泣。
次は耐えきれるだろうか、自信ないし。