■2/12(mon)■
舞台では毎日事件が起きているのです。 私、自分でも相当数Endless SHOCKというか、光一さんの舞台を観てきてると思いますが、例の戦車の上に目隠しの幕を被せてすっと上に引き抜くとコウイチが現れるっていうあの演出。からくりはわかっているのに、どうやっているのかがどうしても謎なあの演出。
あれも相当観てるんですよ。Endless SHOCKにタイトルが変わり、今の内容になる前からやってますもんね。
それもあって、かなりの回数観てるんですが。本日は、コウイチが現れる戦車を目隠しするための布が舞台奥から持ってこられた時に既にねじれて上にめくりあがってました。いつもなら、戦車前に持ってくる時点ではらり、と前に落ちてちゃんと戦車全体を目隠しできるのですが。
今日は上にめくれあがったままで戦車の特に下部が丸見え状態になってました。
なんとかできるとしたら、刀絵布の側にいる方のみ。でも、なんかちょっと布を引っ張った位じゃどうにもならない感じ。
どうするの?これ、どうするの?
だけど舞台をストップさせるわけにはいきません。
舞台は続いていきます、SHOW MUST GO ON
布をいつもように前に垂らすことはできそうにもない。
刀絵布持ち担当の方も、必死に半分の面積になってしまっている布を下から持ち上げるようにしてコウイチの出を隠そうとするのですが、恐らく中にいる光一さんにはわからなかったのだと思います。
一体どうやってあそこのあのコンマ一秒のタイミングを計っているのか定かではありませんが、刀絵の布が戦車の前面を隠す時に一瞬影ができるのかな?と。その影がさしたのを観て光一さんは出てくるのかな?と思いました。
音じゃないんだな、と思います。音じゃなくて一瞬できる影のタイミング。その一秒もない「ここだけ!」ってところで出てくるからあんな魔法のようなことができるのだと。
でも、今回はその魔法がかからなかった。
とにかく、目隠しの刀絵の布が引き上げられた瞬間、隣の戦車の上にはトウマが立ってましたが、コウイチの戦車の上は無人でした。
ど、どうすんのこれ?
が、状況を察したらしい光一さん、戦車の底から上板を蹴破って出てきます。丸見えです、正直。ああなってるんだろうなというのはわかっていたものの、実際見えてしまったのははじめて。というか、ぎりぎりのタイミングで出たことは何度もありますが、ホントにあれだけ見えちゃったのは空前絶後だと思います。
戦車の上に仁王立ちになることはあきらめて、横から出ていって戦車の前に立って見得を切ってました。
アキヤマがコウイチがさっと出てくるところを隠そうと、手にした旗を前にかざして目隠ししようとしてたのを観て、
「さすが、あっきー」
と心から感心しました。
もちろん、客席全員からカラクリも何もかも丸見えです。丸見えですが、その時できる最善と思われることをとっさにやってのけるあっきーに、光ちゃんのスピリッツがちゃんと伝わってるのだなあ、と思いましたよ。
ところで。
さすがにこの出の失敗は光一さんとしても痛恨の出来事だったらしく。
戦車から出て次の上手側での殺陣の時、刀を取り落とし、敵から奪ったものの一瞬フリーズ。てかあのコウイチ側の人々全員が固まってました。
なんか動きが突然スロー再生になったようで、殺陣の時に刀落としたりとかいろいろあるけど、あれほど止まったのを観たのも空前絶後だったのでした。
が、その後すぐに調子を取り戻していつものペースに持ち込んでるあたり、光一さんもカンパニーの皆さんもさすがだと思ったのでした。
一幕最後の拍手は、いつものように、心からの盛大なものでした。しかし、さすがに幕間の話題はそれ一色。
いやあ、驚いた。
さらに。
REUNIONでのこと。
ヤラさんがコウイチに向かってハットを投げて渡すところ。コウイチがまだヤラの方を全然向いてないタイミングでヤラさんがハットを投げてしまったため、コウイチの頭にハットがメガヒットしたのでした。
会場からは笑い。コウイチは「まあ、こんな時もあるさ」と場をつなげたわけですが。
そんな時はマチダさんです。
とっさにヤラに拳をあげて食ってかかります。
「何すんだよ、お前!」的な。もちろん台詞つきじゃなくてジェスチャーでね。
さすがです。マチダのキャラにぴったり寄り添ってます。そして、曲中の台詞も。
「何もかもが素敵。例え頭にハットが命中しても素敵!」
とアドリブきかせてました。
ここんところ、マイクに入るか入らないかの声でのマチダさんの芝居がいい感じで緊張の連続の舞台に柔軟剤効果を与えてるなあと思うのですが、こんな風に座長をサポートしている姿を観ていると頼もしいやら、心強いやら。
もう、ヒロインはマチダでいいんじゃないかと思うよ、私。ヒロインの名前もマチコに変えるんでいいと思うんだ。
今日ばかりは本気でそう思った。
いい感じで和んで、ほわーっとなって終わった後でコウイチもすかさず、
「ヤラめ覚えておけよー」
とおじいちゃんの杖ついて言ってました(笑)一人だけじゃなくてみんなでミスを回収していく姿はなんか観ていて嬉しくなりますね。
いい感じだった。さすがに、二幕のショーは圧巻でした。
もうなんかラダーでコウイチが飛んでくるだけで、その心意気に泣ける私ですけど、なんかもうすごいよなあ、と。
ちゃんと立て直して、きっちり回収するもんな、この人は。
いつもより余計にCONTINUEが染みるように届いたのは、私の気のせいじゃないと思うのです。ああしかし。
ホントにどきどきした。心臓が縮みあがったよ。
どんなことが起きても舞台は続けて行かなくてはいけない。
幸か不幸か、今まで何度かそういう場面に出くわしておりますけども、今回もまたその思いを新たにし、そして私たちの目には恙なく何事もないようにきちんとあの舞台が繰り広げられるということが、どんなにすごいことなのか、よくわかったような気がしました。