■1/21(mon)■


天気予報で散々降雪を脅されていた割になんともなかった今日。よかった、本当に降らなくてよかった……と心から安堵した今日。
久しぶりに一階席での観劇でした。

土曜日に友達が言っていた「Love and Loneliness」のコウイチがヤラが出てこないのを気にして袖を観ている図、というのを注視してみました。おお、ホントにかなり露骨に袖を見ている。
曲の途中でヤラが慌てて飛び出してきて、諦めて戻るのを確認してからヤラのパートらしきところをコウイチが踊るっていう振りに行くんだー。
感心していたら、友達はみんな「えー、気がついてなかったのー?」と言うし。
見ているようでいて、見ていない。
スペインのコウイチは大好物なので、ついつい指とか手とか足さばきとかそっちにばかり目がいってしまっていたのですよ(若干いいわけ)軽くトリップできるんです、彼のダンスは。
AMERICAの新しい振り付けにも大分慣れました。やっぱり伸びやかで広がりを重視している前の方が好きは好きなんですが、難易度上がってる今回のもこれはこれでよし、というかそんな気持ちになってます。光ちゃん的には何年も同じ振り付けで踊ってきているだけに変化をつけてみたかったのかなあ、とか思います。
今回はリカのダンススキルが高いのでデュエットの場面は安心して観ていられるのは嬉しいかも。
SHOCKのレビューは、ひとつひとつのレベルが高いのと前の場面からすごく落差のある変換をするのですごくわくわくします。

ところでここがツボと言って密かなツボがひとつ。
1幕のマジックシーンのコウイチのポージングがすごいツボに入るんですが同志はいるのでしょうか?
すっと腕を伸ばして車の登場を促したりとか、空中に浮く車を自在に回転させたりしているときのあのポーズが真っ白い衣装と共にすごいツボなんです。
レディーファーストに乗っ取って、リカをエスコートしながら車から降ろして、コウイチが車の扉をちゃんと閉めるというのもすごいツボに入るんですが、同志はいるのでしょうか?
ラスベガスのマジックショーの再現なんですが、なんだかひとつひとつが優雅でいいんだよなあ。白い衣装のコウイチに真っ赤なドレスの女性ダンサーがついてるのもなんかすごいツボなんです。なんでしょう、あの風景が。車のマジックそのものが、というよりあの光景が。
エンタメ好きの心を揺さぶられるのか、それとも何か前世のアレとかこれとか。
この前の堂本兄弟で、光ちゃんが掌の指が人より広がらないから「がんばる」って言っていたのを観ているせいか、なんか手を広げたりするポージングに別のツボが追加されたような感じです。
最後に緞帳が上がった途端にフルキャストが居並び手拍子始めるともう、いろんなものが放出しまくるわけです。
そうして、SHOCKは好きな場面がいっぱい詰まっているなあ、としみじみ思うのです。

さて、本日。
2幕・コウイチ復活の例の場面。
リカに抱きつかれているところを目撃された時のいいわけは
「今、二人で新しい技を開発してたんだ」
技。
技?
ぎゅっと抱きついたままのリカ。そのまま抱きつかれて密着したところを軸に人間プロペラと化そうとするコウイチ。あんた、そりゃ無茶だ!いくらなんでもひどすぎる!リカにどんな腕力期待しているんだ!とか言いつつ結構直角まではいけるところがコワイです、逆に。人間でクロスが形成されていたよ。私、何を観たんだろう。
二回ほど試して失敗していた。まーそりゃ当たり前ですよ、そりゃ。成功したらそこは拍手をすべきか無茶するコウイチを非難する場面か悩むくらいだ。
復活アピールその2は、お馴染みとなったビリー。
オオクラは腕をぐるぐる回すの(糸巻きするヤツ)がどうしてもみんなと反対になるらしい。
「なんで反対なんだよ!」とコウイチに突っ込まれて直そうとしても上手くいかない。ものすごい高速回転要求されて、ついていくマチダ。マチダ速い!すごく速い!ヨネハナも普通についていく高速回転。一人ぐだぐだなオオクラ。
すっかりお気に入りのおもちゃと化してますが。
さらにこの後のステッキダンス(REUNION)が終わった後でオオクラにステッキを投げ返すところで、まんまと取り落としたオオクラ。なんかすごい悲鳴をあげていた。そして再チャレンジ。2度目は上手くいってました。
光一組の洗礼はホントに大変だよなあ。
同情すると共に、確実に初日よりダンス上手くなっていってるのがわかります。がんばれ、オオクラ。

今回は特にシェイクスピアのシーンが、すーっと入ってきているような気がします。
二幕上がったばかりのオオクラの苦悩というのは、激しい慟哭というよりもなんかもう消えちゃいそうに自分を責めているじゃないですか。
そこから始まるハムレットもリチャード3世も、芝居を通じてオオクラを責めているような。元々そういう趣向だったわけですが今回はより強くその傾向があるような。
ヤラのリチャードの出だしがほとんど「オオクラ」に対しての恨みつらみを吐き出すような感じだからでしょうか。あれはもう、ほとんど「化けて出ている」って感じで。
誰も彼もが自分を責めている。
そんな風にオオクラが感じて自分を責めているようなそんな印象が濃いんですよね。
ハムレットの時もヘンリー王の時も、コウイチの目がほんとに冷たくて恐いんです。怨みぬいているという感じ。ヤラリチャードもそれらを受けて踏襲してくれているので場面に繋がりが出ているというか深みが増しているというか。
実際のコウイチもヤラも、決してオオクラに対してそんな気持ちを抱いてはいないし、絶対にそんな視線を向けることもないのですが、自分を責めぬいているオオクラの目にはそういう風に映っているのだな、と思いました。
今までは割と普通にSHOCKの物語とリンクしていて、オーナーの悪夢に直結していて、とか結構形式的に捉えていたんですがなんだか今年はより深い意味合いとか暗喩をシェイクスピアの各シーンに覚えています。
ヤラリチャードは正直、最初は「どうかな?」と思ってたんですがなるほどSHOCKの中の一場面のリチャードとしてはある意味最高のリチャードかもしれないと思いました。
オオクラ退場の後のロミジュリはそうなると当然、リカの心情とマッチングしているはずなんですがこの場面のすぐ後でコウイチの死を知ることになるリカの心情とイコールなのがロミオを失ったジュリエットなんですよね。
それにしても、またハードルの高い暗喩を持ってきてるよなあ、といつも思います。役者にとってはすごくやりがいあると思いますけれども。

 

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