■2/2(sut)■


何よりほっとしたことは、2月に入ってから例の中止になった昼公演のことを口にしなくなったことでしょうか。
少なくとも、ファンは不可避の事態だったということは理解していると思うし、それを口にする光ちゃんはとても悲しそうな顔をするので「もう言わなくていいのにな」とずっと思っていました。観ていてとても切ない気持になってしまうし。
もしも言うのだとしたら、あとは振替公演当日、該当公演のお客さんに対してだけでいいと私は思います。

ここのところで、ヤラの演技が固まってきたような気がします。というとすごくエラそうなんですが、以前は観る度にちょっとずつ印象が変わって見えていたのがここんところはずっと同じ印象で固まるようになった。
彼の中で「これがヤラ」という像が揺らぐことなくしっかりと固まったのかな?ただの気のせいかもしれませんが、そんな揺るぎなさをここのところ感じています。
ヤラはコウイチのことを「慕っている」というよりは「認めざるをえない」と思っている。
そんな感じでしょうか。
かといって、憎しみを抱くか?というとそうではない。でも、隣に並び立ちたいのにそうならない、なれない自分をわかってもいるけどそれを認めたら負けちゃうから、絶対に認めない。
認めない、というよりはそこの部分を「見ないように」している。
そんな風に最近思うようになりました。
コウイチが入院してからの一年、ヤラの中では一体どんな葛藤があって、それを日々克服しながらステージに立っていたのかな?とそんなことを思います。
そういえばそんなこと、今までのSHOCKで考えたことなかったんだよな。

さて、本日も新技開発に挑むコウイチ&リカ。
右回転だけでなく今度は後方回転を試してつぶれてました。てゆーかコウイチさん?それはプロレスに全く疎い私が見てもすぐにわかる。
それ、今試そうとしていたそれはバックドロップ……
無茶。
それが原因かどうかは知りませんが、告白シーンでリカの台詞がかなり吹っ飛んでいました。女優魂で無理やり乗り切っていたけれども。
あの場面のリカの台詞はDVD化されてる最初のEndllessから変わっていないので「ああああああ!!そこ飛ばしたらだめーーーーー!!!」と心の中でプロンプターになっていた私です。
コウイチが素早く台詞を引き継いで本編に戻っていたので、ことなきを得ていましたが。
結構すごかったなあと思ったんですが、あとでMさんに言ったら「言われてみれば!」ってなっていたので案外そんなものかもしれません。
ま、それも舞台ならでは。芝居が止まったわけではないので結果的に無問題です。案外、小さいセリフ落ちとかあっても気がつかずにスルーしてることって多いですからね。

オオクラは既にいじられキャラとして定着していますが(笑)ビリーのぐるぐる糸巻き以外にも、ステッキを投げ渡すところもポイントとして加わることが決定していたらしく、毎回横回転つけてコウイチに投げられるので取れない取れない、取りに行くというよりむしろ逃げてる感じで。
今日はコウイチに「全部、オオクラが悪い」と、一幕のマチダ・ヨネハナの台詞をもじられておりました。
関係ないけど、私はあの「全部オオクラが悪い」の場面でマチダが「リカは俺に気がある」と語るヤラに向かって
「誰もそんなこと思ってないよ?」
って言う、あの言い回しがものすごいツボなんです。マチダはツボつく台詞や仕草が多いです。単に私が町田贔屓だからか。きっと、そう。

ところで「夜の海」ですが。
以前、前の演出の方が好きだったなあ、と書いたんですけど。よく考えたらあれだと拍手のポイントがつけにくかったんだよなあということを思い出しました。
演出としては以前の方が好きなのは変わりがないのですが、拍手しやすくなったのはいいことだと思います。
だって「夜の海」を舞い終わるとコウイチ、すぐに儚くなってしまうから、拍手していいやら迷う気持ちはわかるもの。すごく綺麗で夢のようで目の前ですごいものを見せてくれた!って感動して、そのパフォーマンスに心から拍手を送りたい!と思っても目の前でコウイチが倒れてるのに、拍手なんて!!!というジレンマが、確かにあった。
うん。それを思うと今の方が心おきなく拍手できるよなあ。
それであんな風に変わったのかしら?と、思うとすごく納得です。
それにしても。
あの舞い散る桜の花びらをふと追いかけて、そのまま倒れるあの場面。
冗談みたいに綺麗で、非現実的ですよねえ。花がはらりと散るような、そんな前の方の席になったことないんで言っちゃいますけど、あれ、コウイチが倒れる時って音がしている気がしないんですよ。花びらが地面にほとりと落ちるようなそれほどの。
あれがあって、なおかつ最後にクリスマスツリーのてっぺんの飾りみたいにしてまっ白い衣装を着たコウイチが天上からみんなを見下ろすラストシーンですよ。
なんかもーこの世のものとはとても思えず。何度も何度も観ているはずのこの場面、観る度に毎回「今、すごいもの観てるなあ」とため息が漏れます。あの綺麗な花は何事でしょう。
クリスマスツリーのてっぺんにはこの世で一番美しいものを飾るんですよ。たかみーがクリスマスによく語っています。
うん、納得。
まさしく、コウイチ自身が花だ。
花であるコウイチが、観る人の心にも花を咲かせる。それがSHOCKなのだな、としみじみと思ってしましました。
そんな風に考えていると、ラストシーンのあれ、コウイチが天辺に立ってみんなを見下ろしている最後のあれが本当に大きな花のように見えてきます。
綺麗な綺麗な、この世のものとは思えないような、でもあのカンパニーが咲かせた、この世の花です。

 

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