■2/26(tue)■


千穐楽。
毎年、絶対にただ平穏無事じゃ終わらないSHOCKですが、今年は多分光ちゃんにとって今までで一番痛かった出来事がありましたね。
初日、ステージの上も下もなんだか異様な緊張の中で始まったのを昨日のことのようにもなんだかずっと遠い昔のことのようにも記憶しています。
千穐楽。
いよいよ、です。

千穐楽はおそらくキャストよりも観客である我々の方が特別に思っているんじゃないかなあ、と思います。少なくとも座長は一公演たりとも手を抜いたことがないですから。それは、入った公演全てで感じていたことですから。
オケピから登場した光一さん。
いつもと同じ、でもなんだかやっぱり特別に思える笑顔です。
もともと華奢な人なのに、もう光ちゃんの頬からは肉がごっそりそげ落ちております。なんだけど、あんまり心配な気持にならないのは観ていて本人が充実感でいっぱいになってるのがわかるからでしょうか。
いい、笑顔です。
「500回公演から幕を開けたこの公演も千穐楽を迎えることができました。このEndless SHOCKも千穐楽公演の舞台から幕を開けます」
との前口上。
ああ、本当に千穐楽なんだなあ、と。思いましたよ。
公演自体は、このカンパニーらしくいつもより「特別」ってなかったと思います。
思いますが、二点ほど。

一幕の殺陣、特筆すべきはコウイチと二刀流となったヤラの一騎打ちの場面。
速い。
いつも、速い、と思うのですが今日は。いつもより速い。絶対速い、間違いなく速い。
目にもとまらぬ速さというのはこのことか。
普段も十分速いですが、今日のは本当に目で追うのが精いっぱい。動体視力には自信のある友人も感嘆しきりでした。表現に誇張なし。すごい。なんだこの人達は。本当に同じ人間なんだろうか。そもそも目の前で展開しているこれは、本当に今その瞬間リアルに演じているのを見ているんだろうか。そう思ってしまうくらい、速かったです。
与えられた尺の中で圧倒的な速さで決められた殺陣をこなすので、次のタイミングに行くまでの間がすごくたっぷりとれてました。
すごい。本当にすごい。
ヤラの圧倒的な身体能力もすごいですが、一歩もひけを取らないコウイチのかっこよさってすごいです。
挑んでくるなら受けて立つ。
そんなところか。
血のりもすごい大量だったなあ、今日は。髪の毛なんかしとどに濡れる、って感じで。口の中にも入っちゃっててかわいそうでした。
二点目。
夜の海がなんか、すごかったです。
圧倒された。気合いが身体中から放射されてた感じで。
なんて豊かな表現方法をこの人は持っているんだろうか、と魂もってかれました。
舞台の真中に立つ人間として、それを生業にしている人間として、才能は絶対になくちゃだめなんだと思います。でも、才能だけじゃだめ。才能がある人なら多分世の中にはいっぱいいる。
神様がくれた才能の上にあぐらをかかずに、積み上げるべき技術や鍛錬や経験をきちんと重ねて、誰よりもやるべきことをちゃんとやり続けてきた人だけが成しうる表現と世界があるのだと思います。
十年前、初めての主演舞台をやった頃には「身体が固い」が本人・ファン共通のデフォルトだった人が真面目に柔軟を続けてあれだけ足があがるようになったんですよ。
今出てるDVDの映像の中のダンスと今現在の彼のダンスでは、雲泥の差があることがわかります。
それは、とりもなおさず光ちゃんがきっちりと積み上げるべきものを積み上げていった成果です。
人間はいくらだって成長できる。
こんなに豊かな世界を創りあげることができる。
そりゃもう、感動するなっていうのが無理な話。

今日は、ちょこちょことマチダがはじけてくれていて楽しかったなあ♪
ヤラがリカに渡そうと持っていた指輪をさらっとシャンパンボトルとすり替えた後、いつもはお客様にお披露目行進してみせていたのが、今日はヤラ・マチダ・ヨネハナの三人を後目に撤収作業を続けているオオクラに捧げて速攻断られてました。
さらに、屋上シーン。
ブロードウェイの街にミュージカルを観にいこうという話になった時のマチダの言葉。
「俺の席、コウイチの隣にしてくれよ!」
が、今日は
「俺の席、コウイチの膝の上にしてくれよ!」
膝!膝の上!コウイチの膝の上!それ、どこのプレイガイドで売ってるのか教えてくれ。今すぐ!とか思いました。いや、私が乗ったら多分骨がくだけ……今からビリー入隊したら間に合いますか?だめですか?
ちなみに、コウイチさん「ライオンが主役だったり」のライオンを「ライ、ライオン」となぜか噛んでたことをご報告しときます。
それから、REUNIONの前。
ビリーやってる時のぐるぐるは、やっぱりヨネハナに一歩譲るマチダさん、今日の本気は半端じゃないです。やおら、きていたジャケット脱いでぐるぐる。それを見ていたヨネハナさんも負けるわけにはいかないぜ、とばかり着ていたダウン脱いでぐるぐる。
なんでしょう、この本気っぷり。
ちなみに最後までへたれ全開のオオクラは、やっぱり最後まで内巻きぐるぐるがまともにできずに終わったんでした。

あと、特筆したいのは、一幕World AdventureIIのIrish。
男性陣とリカが一緒になってやるIrishダンスのラスト。ラストの決めポーズで全員が気合いの「Hey!」って掛声で締めてました。かっこよかった!
多分、これがはじめてじゃないでしょうか。
座っていた席の位置的に、ちょうどヨネハナの表情がよく見えたのですがきりっとしていて男前でした。
ヨネハナだけじゃありません。みんな、すっごいかっこよかったです。きっと始まる前に全員で打ち合わせしたんだろうな。誰が言い出したのかはわからないけれども、その心意気に大喝采。SPAINのスタンバイをしていた光ちゃんにも聞こえていたはずなので、舞台裏でその瞬間どんな表情を光ちゃんがしたのかはなんかわかりますよね。想像にすぎないけど、でもきっと感じるものはあったろうな、と思います。


ひとつひとつが楽しくて、素敵で、名残惜しいEndless SHOCKは、そうして無事に素敵に幕が下りました。

カーテンコールは、通常よりも三回多かったです。

最初のカーテンコールは、いつも通りEndless SHOCKの文字の描かれたLCDパネルを前にして座長一人で。
500回目の公演から始まったSHOCKがついに千秋楽を迎えたということ。再演は当たり前のことではなくて皆さんとスタッフ・キャストがいてこそなしうることだと。
今回で575回目。
もしも、もしもまた、再演の機会があったらすぐに600回を超えてしまうなあ、ということ。
次があるかはわからないけれども、またお会いできる日を楽しみにしていると。
大体、そんなことを言ってました。最後はキャストを呼んで、みんなで一緒に締め。
ええと。その。それは、来年もEndless SHOCKは「ある」と思っておいていいってことですか?そんな気がします、座長。

カーテンコール、二回目。
今度はキャスト全員並んだ状態で、

祝・千穐楽 またお会いしましょう

の文字を背負って。
千穐楽は特別な空気が漂っていると、そして何度も言っているけれども終わった気がしないと言う座長。でも、堅苦しいのは苦手らしく、いきなり大倉さんに振ります。
千穐楽にオオクラに振ると言ったら!もちろん!恒例のあれです。

「オオクラさーん!シャンパンいただきまーす!千穐楽に乾杯!」

で、乾杯ソング。曲のラストにバズーカで赤い細かい花吹雪。
また、次の台詞を言ったらこのまま続けられそうだと笑う光一さん。
みんなどこかしら身体が痛いのが当たり前だとまた笑う。それでも、気持ちで続けてこれたのだと。

そうだよなあ。だって、これだけのステージですもんね。身体にあざのできてない人なんかいないんだろうな。みんな、消炎スプレーとか湿布とか医者とかそんなのとお友達なんだろうな。
それっくらい過酷なステージですもんね。

そして、キャストのご紹介。

女性ダンサーさん。そしてもちろん皆勤賞「結婚できずに575回」の赤坂さんは特別にご紹介。
男性ダンサーさん。それから、JACKさん、G-ロケッツ、チームUSA。
そして直さんからは直接声を。もちろん全部一言一句覚えてるわけじゃないので大体のところだけ汲んで下さい。
直さんは、

まさかSHOCKに四回も呼んでもらえると思っていなかった。いつもの自分のやっているのとは違う世界ですごく勉強になったし刺激を受けた。
毎年、どんどん光一くんが上手くなっていくので僕も気を抜いていられないな、と思った。

というようなことを。迫力と難易度があがった今年のドラムセッションは本当に楽しかったそうですよ。
今回のドラムセッションは、また難易度が上がっていてその分見ごたえが前回以上にアップしてました。
直さんのさりげないフォローが素晴らしいのはもちろんのことですが、いつこれだけのことを練習したんだ、座長!と腰を抜かしましたよ。
どこまで行くつもりなんだ、座長!と。

RiRiKAさんは、涙腺崩壊。お客さんへの感謝の気持ちとSHOCKという舞台に立てた幸せ、そして。

みなさんが最後まで温かく見守って下さっていてとてもうれしかった。

と。泣いてるRiRiKAさんに光ちゃんが
さっき、袖で「私泣かないから」って言ってた、と茶化したことは特筆しておきましょう。

M.A.D。

越岡くん「このカンパニーの中では最年少で、足を引っ張っていってるんじゃないかと不安でした。光一君を支えられてるのかなあ?と。毎日光一くんの背中を見て勉強させてもらいました。ありがとうございました」
辰巳くん「千穐楽にこのステージに立てたこと、500回記念に出演したことを嬉しく思います。キャスト・スタッフみんなが光一くんとSHOCKが大好きで、僕たち以上にSHOCKが大好きなみなさんが来てくれる舞台に立ててホントに幸せでした」
福田くん「稽古からいれて三ヶ月間SHOCKをやれて楽しかったです。この2008年のSHOCKは今日で終わってしまいますが、僕の中でEndless SHOCKはエンドレスです」
松崎くん「bjらふぁろいgvりあ(←微妙に何を言っているのかわからない)この舞台に立てることが不思議でならない。今でも不思議でならないのですが、この一歩一歩が自信につながっていくという」

現在、光ちゃんのお気に入りの座を徐々に射止め始めている彼はやっぱりいい味でした。

大倉くん。難しい役どころのオーナー役、という光ちゃんのキャプション入りでご紹介。

初SHOCKで、いろいろ自分が変わっていく中で唯一変わらなかったのは体重だけでした。そして一番の成果は二回転ターンができるようになったことです。これを関ジャニに持ち帰って生かしていきたいと思います。

二回転ターンができるようになった、と言った瞬間に「えええええ???」ってMAとMADがやっていたのがおかしかったです。うん、今日もなんかあさっての方向を向いて止まってたと思うよ、あのターン。

そして、米花。

この作品はお客さんにパワーを与えたいと思ってるのですが、僕ら自身もパワーをもらえる作品だと思ってます。光一君を支えなくちゃいけないのに逆に支えられていたと思う。また帰ってこれるように僕も思っています。またステージに立てるように明日からも頑張りたいと思います。

さすがです、いいこと言います。

町田。

この舞台に立つことができて幸せです。毎日毎日毎日楽しい思い出がたくさんでき、舞台に立つことができて僕は幸せだと思います。またみなさんとお会いできる日を楽しみにしています。

町田は直前の病気があったせいでしょうか。とにかくずっと幸せだと繰り返し言っていました。本当に初日は土色の顔をしていたのにね。戻ってきてくれて本当にうれしかったよ。
ちなみに「楽しい思い出がたくさんでき」のところで、光ちゃんを見つめたことは絶対に特筆しておかなくては!そして見られた光ちゃんは「今見られた!」って笑ってました。本当に、絶妙です。

屋良。限界を超えてがんばってくれていたと光ちゃんのキャプションつき。

今回はライバル役ということで、唯一光一くんより背の低いライバル役で。でも、ハートは大きくって思っています。でも、自分らしいライバル役をできたと思っているので、それが今後の成長につながっていけたらいいなと思います。

正直、特にあの殺陣ができる役者は一体何人いるんだろうか?と思います。
さらに踊れて、芝居ができる。このポテンシャルの高さは、本当に歴代随一だったと思います。特に千穐楽のあの殺陣はあまりにも鮮烈でした。この先、そこそこの殺陣を見ても、私は「これじゃぬるすぎる!」と思ってしまうに違いない。

そして、光ちゃんからスタッフのみなさんへのねぎらいの言葉がありまして、みんなで拍手。
最後はやっぱり座長。

毎年再演をやらしていただいているけれども、僕は毎回これが最後かもしれないという気持ちでやっています。また次の機会があればまたみなさんに会える日を楽しみにしています。

で、みんなでオケピのところまで出てきてごあいさつしよう、としたら緞帳が若干降りかけてきてしまって。客席みんな気づいてどよっとなったんですが、キャストは気付かずにこやかにごあいさつ。緞帳は空気読んですーっとまた上がっていきました。
ここで、一回幕。

三回目。
今度は座長一人。

終わった気がしないです。
身体と気持ちが矛盾する点なんですが、身体的には限界ぎりぎりでやってるけれども気持はまだまだやりたいという気持ちがある。でも、千穐楽は来てしまうんです。

まさしく、座長の本音だろうなと思ってしまいました。
そして、あの日のことをやはり。

今回は公演を中止した回がありました。何よりもお客さんが一番つらかったと思う。
SHOW MUST GO ONが主題なのに、それに反すると思われても仕方ないような出来事で、自分にとってもすごく大きな出来事だった。
これまでも小さなトラブルから中くらいのトラブルまでいろいろあったけれども、なんとかやってきた。あの日だけはどうしても中止せざるをえなかった。
以前じん帯を切ったことがあるけれども(光ちゃん、自分がじん帯きった足が右か左か忘れてました…)その時に「足が動けない中でも光一さんなりの表現の仕方があると思いますよ」と言われたことが大きな言葉だった。

トラブルやアクシデントが起きた時に、どうしたら最善を尽くせるか。先日の公演中止は光ちゃんの中にまた何か不屈の魂を育てたみたいです。
だからこそ、

期待してくれるみなさんがいてくれれば、みなさんが期待している以上のものをもって帰ってほしいな、と思います。

こういう言葉が言えるのだし

自分自身、575回一回も手を抜いた回はなかったな、とそれだけは自信を持って言えます。

これを、迷いなく自信を持って言い切れるんだと思いますよ。
光ちゃんが手を抜いたことが一度もないことは、観ていればわかりますもんね。
改めて、自分が光ちゃんを選んだことは間違ってないなあ、とファンとして誇りに思えるような言葉でした。
手を抜かない。期待をしてもらっているのならそれ以上のものを返す。
それを心に刻んで舞台に立つ人の作品がよいものでないわけがないじゃないですか。
そして、

自分もSHOCKを愛しているし、みなさんにも愛される作品になってくれていたら嬉しいです。

光ちゃんがSHOCK大好きなのはわかっていたけれども、こんなにストレートに言ったことってありましたっけ?結構衝撃でした。

そして、恒例のステージ上での胴上げ。
町田さんは光ちゃんに触る位置を確保できず、胴上げされる光ちゃんにタッチしていました。よ!ファン筆頭!
おろしてもらった光ちゃんは、しょぼしょぼとしてちっちゃくなってました。そしてなぜか、光一さんを半径一メートル位で遠巻きにして見守っているカンパニー。なんか変な構図です。毎回胴上げを怖がる光一さん、やっぱり

一番、これが怖いんです。今年ないかなと思ってたのに油断してました。

なぜか遠巻きにしているキャストを見て「愛されてるんだか、避けられてるんだか」と笑った光ちゃんに、ほんの大股一歩だけ近寄ってみせたのは私たちの町田さんです。
絶妙です。
さすが、光一ファン筆頭(笑)この、微妙に近づきすぎることができない感じがね、ものっすごいシンパシー感じますよ。
で、最後の最後に光ちゃん、なんかいいこと言おうとしてSHOCKを「シャック」とか言い間違っていましたよ。あれ?

ファンが、この二か月ずっと帝劇に来れない日でもSHOCKを思っていたことをちゃんとこの人はわかってるんだなあ、と思った。
初日にも「あ、わかってるな」と思うようなこと言ってたけど、やっぱり楽でも今日劇場に来ていないファンがたくさんいることを、ちゃんとわかってるのだと思いました。
なんだっけ、なんか最後にそんなこと思わず思ってしまうようなことを言っていたんですよ。

四回め。
緞帳の前に座長現る。そして、やっぱり第一声は。

何度も言っておりますが、終わった気がしません(笑)
んで、スタッフへの感謝とお客さんへの感謝をひとしきり言った後で、
みなさんの期待以上のものを届けられようにしていきたいと思います。
スタッフにも、みなさんにも支えてもらっている自分は幸せ者です。できれば夜公演をしたい位です。
みなさんの応援があればまた必ず会える日があると信じています。ありがとうございました。

で、手を振って袖にはけていきました。元気でした。笑顔でした。かっこよかったです。
幾度もの感謝の言葉と、頼もしい言葉。
今日、光ちゃんが口にした

みなさんが期待している以上のものを届けられるようにしたい。
575回の公演で手を抜いたことは一度もないと自信を持って言い切れる。

という言葉に、稀代のエンターテイナーとしての頼もしさを感じました。

みんなにこにこ笑って、お疲れ様!って言い合っているようなそんな雰囲気の楽でした。
なんか空気が柔らかくて、幸せだなあ、と心から思えた。

今年のSHOCKはこれで、幕。

お疲れ様でした。
座長に、キャスト全員に、スタッフに、それからもちろん我々ファン全員に。
千穐楽に、乾杯!

 

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