■2/14(sun) 初日■





初日、おめでとう。
前日の雪混じりの天気もすっかり晴れ渡ったバレンタインの日曜日。
本日、Endless SHOCK十周年&100回公演の初日です。

オープニングはいつものようにはじまりました。
今年は10周年の記念年。
オーナーの後の口上でもコウイチ……いや、まだここは光一さんはそう申しておりました。
ちなみに、その時の背景の電飾がちょっと色数増えたとりどりのドット絵みたいな感じに変更。
そこからは割と去年までのSHOCKと変わらない感じで。

あ、今年の千秋楽の歌でのオーナーの掲げるショーのテーマは

Yes,We Can

ではなくて、

Yes,My Dream

になってました。
歌詞はところどころYes, My Dreamに差し変わっていたけど、基本の変更はなし。あ、歌詞の差し替えがあったといっても、サビのところの歌詞はYes, We Canのままでした。
正直、ソロコン以降の光一さんの怒涛のスケジュールを見ていたら今回のSHOCKはそれほどの変更箇所はないかなと思っていましたけど。
ふたを開けたら、やっぱり去年とかなり変わってました。
まず、ブロードウェイに行ってからのショー部分。
ここがかなり手が入りました。
私の大好きなAmericaは健在でしたよ。それからジャングルのくだりまでは同じ。
タップのくだり以降が全面改変されてました。
去年は、割と尺をとったヤラを中心としたリカやマチダ、ヨネハナたちのアイリッシュタップの後にオーナーがタキシードで出てくるという流れでしたが、今回はアイリッシュタップではリカがいなくて、いつもの半分以下の尺ですぐに場面転換します。
去年は、ここでかっちゃんオーナーが真ん中でタップショーを素直に披露していたんですが。
オーナータップのコーナーへ繋がった、と思ったらそこにはリカがベビーピンクのパンツに蝶ネクタイ姿で立っています。
つまり、劇中設定ではここは「リカのタップコーナー」というのがホントのプログラム。
ところが、いきなりリカの見せ場である(はずの)男装ダンサーズとのタップコーナーに割り込んでくる黒タキシードのオーナー(笑)
娘押しのけ、自分主役でショーを勝手にはじめちゃいます。
ひどい。ひどいよ、父さん!
ステージから追い出されたリカはただではすませません。
復讐に燃えて、ステージの真ん中につかつかと歩み寄り、父親をビンタ。往復ビンタ。さらにビンタ。容赦なし。
オンの大劇場のステージ上ではじまる親子ゲンカ。場内大爆笑です。
そりゃもー、リカが怒るのも当然です。
自分の見せ場まるまる横取りされたんですから。リカが正しい。
客席は大爆笑。
去年も、たまたまステージを見に来たオーナーが「YOU出ちゃいなよ」とインペリアルガーデンシアターのオーナーに言われて「出ちゃった」っていう流れでしたけど、今年はそれをそのままステージで再現しちゃったという。
割を食った格好の娘とのコミカルなケンカのシーンで、ショータイムにいいアクセントもついてました。
そして、白熱する親子喧嘩に割って入る、新衣装のコウイチ。
ものも言わずにオーナーをぐーぱんち。右に左にぐーぱんち。
当然です。演目台無しにしたんですから。
そして親子が引っ込んでから、気を取り直してポージング。
背景にセットなし。
ここから、今回の一大変更ポイント。新スペインのはじまりです。
衣装は黒の上下。銀のラメというかあれはストーンか?が惜しげもなく散りばめられたジャケットがすごくすてき。上品な黒でありながら、セクシーな黒でもあり、シャープな黒でもありました。
ここはおそらくダンサー全員のフォーメーションによる帝劇のステージを最大に使った群舞。というより、やっぱりフォーメーションです。
ものすごい、かっこいいです。
光一ファンはたぶん、これ大好きだと思う。
ステージをいっぱいに使って、どこから見てもきれいな動き。
これは、何回でも観たいです。そしてあらゆる角度から観たい。
どうしても目がコウイチを追うんですが、あの見事なフォーメーションも観ていたい。
帝劇みたいに広いステージを、こういう風にめいっぱい使ったフォーメーションパフォーマンスって、ものすごく好みです。
そしてステージ上の人数が多い分、自分が大きく見えるように踊っている光ちゃんがすごくかっこいい。
どれだけたくさんの人がステージにいても、常に真ん中にいるべき人はこの人なのだな、と自然に思ってしまいました。
ラストはThis is Itな感じで〆てます。
ここは本気で楽しみに観に行きたい。
で、このスペイン……仮に新スペインとしておきますけど、この曲が加わって、旧スペイン……Love&LonelinessとSHIRENがカットになりました。
靴脱ぎもなくなった……
でも、テンポがよくなっていい感じです。

2幕は。

2幕は。In The Cemeteryと夜の海以外、曲は同じでもすべて振り付けが変わってました。
すごい……この人には時間がそんなにあったわけではないのに。というか、ぜんぜんなかったのに。
去年と今年で一番大きく変わったのは、2幕におけるヤラの描かれ方です。

コウイチ復活の際のバクステシーン(ここは、大幅に短縮されてました。コウイチの形見を受け取ったリカとオーナーのやりとりの後で、リカは引っ込まずにその場に張り付き。そこに、マリオカートに乗せられたコウイチが登場、という流れ)でのコウイチ、オーナー、マチダ、ヨネハナ四人でのステッキダンスの背後でシャドウになってオンのステージでのヤラの様子が語られてます。
ステッキダンスの振りは、ポイントポイントで、背景のシャドウになってるヤラたちとぴたっと揃い、またそれぞれ違う振り付けになり、を繰り返します。
そうして、曲が終わるとコウイチたちは和やかにお互いのパフォーマンスを称えあうのに対してヤラは仲間を振り切るようにステージを去るという無言劇が演じられていて、現在のヤラの状況が明確にこちらに伝わってきてました。
すんごい、かっこいい演出です。どきどきした。

コウイチは、誰一人観客のいない場所でスポットも華やかな衣装もなく踊っているのにすごく楽しそうでうれしそう。
対するヤラは、華やかなステージと観客と衣装とスポット。すべてがあるのに絶対的に不幸にしか見えない。

これだけの状況がすんなり入ってきました。
一体どちらが幸福でどちらが不幸なのか。
いろいろ考えてしまいます。
すごくいいです。とてもいい。
そして、Watch Me!もステージ全部を使って精一杯やってる感じが前に前にでてきてました。

ここまでのヤラがいるから、

ヤラはあの劇場で一人で意地になってステージを続けている

っていう台詞での説明がすんなり入ってくるんです。
それからコウイチが帰ってきた時のM.A.D.の台詞とかもすんなりくる。

それから、ドラムバトルですね。
以前まではコウイチの「思い描いた夢」のひとつとして、ナオキとのバトルを見せていたのですが。
今回はナオキとのバトルはむしろ前哨戦。
途中からヤラが登場し、コウイチとヤラのドラムバトルへと移行するのです。

物語的にみて、確かにヤラがあそこまで「コウイチのステージに立ちたい」と願ってそれを受け入れたはずの舞台でバトルするのが「ナオキ」ではちょっとおかしな話です。
もちろんドラムバトルはコウイチが密かに思い描いていたプランのひとつではあるけれども、この場合は「ヤラと最後のステージを一緒にやる」ということの方が、大事なはずなんで。
となると、やはりここは「ヤラ」である方がはるかにしっくりきます。

屋良ちゃんはがんばった。
コウイチとナオキを相手に食い下がった。

今回はとにかく二幕におけるヤラの描き方が濃くなっているので、その分ヤラの見せ場が増えてます。質的に言えば去年までの倍は軽くアップしていると思います。
見せ場が増えるということは、それだけ負担が増すということ。しかも相手は光ちゃんと直さんです。
死ぬほどがんばったと思います。
でもおかげで、コウイチ最後のステージの意味がぐっと深く強くなった。

個人的な趣味でいえば、直さんとのバトルをもっと観たかったというのはあります。正直なところ。
でも、このプログラム変更をしたことは正解だし、いいと思います。
あの告白のシーンの後のヤラが、コウイチ最後の舞台で一緒に並んで咲くことで、全部がもっと生きてくる。
特に最後のContinueなんて、ホントに深くなるじゃないですか。
それは間違いないと思います。

そして、今回の目玉のひとつである和傘フライング。
ああ、まるでその姿はメリーポピンズ……
マスクがはじまるものと思っていたので、正直ちょっと拍子抜けしたのは事実なんですが、どうやって飛んでるのかさっぱりわからなかった。
ワイヤーで吊ってるは吊ってるんでしょうけど、あの姿勢を保って、傘をさしたままで自在に動くって、どうやってんだろう。しかも、衣装はつっぱってなかったし。

全体的にテンポがアップし、あの事件以降のヤラとその贖罪の舞台、という部分が色濃くクローズアップされた、というのが今回の初見の感想でした。

なにはなくとも、まず一幕の新曲でしょう。
あれを観るために「通いたい」と思わず思ってしまうかっこよさ。できたら、ソロコンでも観たいと思っちゃいました。
フォーメーションものは、全員が合わせる気合いがないとかっこよくならないので。
ホントにかっこよかった。ここのところでの光ちゃん関連の新曲振り付けの中でもトップランクに入るかっこよさ。とにかく、観ている間中ずっとわくわくしてました。
個人的にはそれからステッキダンスのシャドウの演出ですね。
舞台でなくてはできない演出です。また、コウイチたちとヤラたちとでは背合わせになっているのに、ポイントごとにぴたっと合うのがまたかっこいいんです。
そうして、曲そのものは朗らかで明るい曲なのにヤラの置かれている状況……決して幸福でも順風満帆でもない、という部分がありありとわかるあの表現はホントにかっこいい。大好きです。
台詞で言わずとも伝わってくるということは、なかなかできることじゃないと思います。台詞でいっちゃった方がずっとラクだし。

あえて言うなら、一幕の親子喧嘩タップの印象が強烈で、そもそもの事件の発端になったヤラがスタッフのミスでちゃんと出れなかったというあれが、逆にヨネハナたちの台詞だけで表現されているというか、目立たなくなりすぎてた気はします。
というか、ヤラがきーきー怒っているのを見ると

それくらいで怒ってんじゃないよ。リカを観てみなよ。あれこそ出番ごっそり父親に持ってかれてんだよ?
小さい男だなあ!

とふつーに思ってしまうのは、若干いかがなものかと思うのですが。
親子ゲンカタップも、その後のコウイチぐーパンチもおもしろくて好きなんですけど、なんかこう、ヤラの怒りが「わかるけどさー」ってものとはほど遠くなっちゃったというか。
リカのあの悲惨な事件があったのに、あえて今日言うことじゃないよねえと思っちゃったというか。
あそこで笑っちゃった後だけに、コウイチもやたらキレやすすぎないか?とか思っちゃったというか。
なんとなく去年までの場面と今年の場面との、貼り合わせっぽい感じが強くなっちゃったのは事実です。
なんというか、ヤラの怒りからの顛末がすごくとってつけたみたいに思えてしまうんですよね。
なんかもうちょっとうまくやれなかったのかなあと思います。
ほかがよかっただけにね。
個人的にはあと、あの告白のシーンも手をいれてほしかったかなあとも思ってます。
とりあえず、謝ろうよ、ヤラ……
とついつい思っちゃうので。今年も彼は一度も謝らなかったよ。全部人のせいにしたまんまだよ。

そういえば、一幕のオーナー。
屋上のシーンでコウイチが
ブロードウェイの舞台の主役がライオンだったり、ネコだったり……
といいながらなでなでする屋上の柵についてる玉をおもいっきりとっちゃってました。
そりゃもーぽろっと。結構あっさりと。
コウイチ苦笑。場内爆笑。というか「あ!」という声もあがっていたように思います。
だってそれ、ついさっきコウイチがなでなでしてたヤツだし。

これ、結構好きだったのに……

と幼い頃からの思い出の場所を破壊されたコウイチさんがかわいそうでした(笑)

初日のカーテンコールは二回。

初日だというのに、まるで千秋楽のような感動がありました

と光ちゃんが言ってくれてました。
ショー部分での変更点が予想以上にかなり多かったのに心底驚かされていたこと。
それと、今日はポイントごとですごくいい拍手がたくさんでていたので、個人的にもとっても幸せな気分で観劇していたのですが、光ちゃん的にもその拍手がほんとにうれしかったみたいです。
いつも以上に

あたたかい拍手

という言葉を真心込めて口にしていたように思います。
あと、二度めのカテコかな。で、冒頭に

俺は光一が舞台でかっこよくなってくれて、それを観たお客さんが喜んでくれるならなんだってやるよ

とかっちゃんが言ってくれた、とうれしそうに話してました。
本当にすばらしい、よい先輩だと思います。
去年と今年のSHOCKの持つ、特別感のある「温かさ」はかっちゃんが一緒にステージに立っているがゆえだと思います。
座長としてなにもかもを背中にしょって、後輩たちを引っ張って。緊張でぴんと張りつめきったステージライフの中で、どれほど「いてくれること」それ自体が光ちゃんの勇気につながっただろかと、想像するにあまりあるものがあります。
それから口に出して屋良くんの名前をあげてました。
彼のがんばりが、今回のSHOCKの成否に深く関わってきます。
というか、屋良くんががんばってくれないと去年まで以上に成り立たない。特に二幕が話にならなくなっちゃう。
KinKiのツアーに同行していたんですから、光ちゃんと同様に稽古の時間もなかったはず。
ましてや、ドラムバトルのシーンでは一日どころか百日、千日も長がある直さんや光ちゃんと「渡り合う」ことが要求されるんですから、プレッシャーもふつうではなかったと思います。
その分、まま後半で改心した後は存在感が行方不明になりがちだったライバル役が、今回は濃く深く刻まれることになりました。
毎年よくなっていく舞台ですけど、今回のブラッシュアップも見事でした。
去年のぬくもりはそのままに、テンポアップして、物語のエッジを鮮明にした感じでしょうか。
光ちゃんは、SHOCKはどこまで進化していくのか、楽しみで仕方ありません。

カーテンコールではしきりに

あと99回。あと99回。

といっては、かっちゃんと苦笑していました。というか、キャスト全員からその未知で無謀な数字にため息がでていた。

体力的にきついのは隠しても仕方ないです

と、いつになく開き直った光一さんの言葉に「100回公演とか、無茶だろう」とは思っていたけど「やっぱり無茶なんだよなあ」という思いが新たになったわけですが。
でもなんだか、びっくりするくらい心配はしてないのも事実です。
このカンパニーとなら大丈夫。
そういう信用を無条件でしてしまえる、今年のSHOCKもそういうカンパニーに初日にしてなっていました。

初日おめでとうございます。
残り99公演、どうぞつつがなく最後までいいステージを。

 

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