堂本光一さん三年ぶりのソロツアーで、こんなことがありました。

2009/10/12 17:30 横浜 横浜アリーナ My Wishのこと




どうしようかとかなり寸前まで迷って、やっぱり書きのこしておくことにしました。

Best Performance and Music
10月12日 17:30公演でのできごとです。

このツアーのセットリストの中に、My Wishという曲があります。
光一さんの処女作であり、素朴な印象のメロディーにまだ十代だった頃の光一さん自身の手による実に素直で優しい詞が載せられたまさに

双葉より芳し

を地でいくような佳曲です。
メロディーラインはとても素朴でシンプルで、まだまだ歩き出したばかりというのがよくわかる、けれどもファンにとってはとても大事な一曲でもあります。

ところが、本人的には曲の未熟さが自分の当時の未熟さにつながるのかあまり歌いたがってはくれません。
mirrorツアーの時にバンドメンバーが密かに練習してきてくれてサプライズで歌った、それを自分の中では

これが最後

と結構本気で思っていたみたいですし。
ですがBPMツアーでは「ファンの子たちは喜ぶと思うよ」というスタッフの推薦もあったのでしょうか、同じくはじめてのソロ曲「僕は思う」と共にセットリストの中に組みこみ、毎回歌ってくれておりました。

とにかく照れるらしい。
そこで一計を案じた光一さん、出だしの部分で歌うのを中断して、オーディエンスを煽り、いろいろ無茶ぶり……あの優しい曲にも関わらず、男らしい気合いの入った掛け声を要求するのが恒例としていました。
目的は何か、というと

歌に集中させないため

というのですから、こんな目的でそんなことをするのはおそらくこの世に光ちゃんくらいだと断言できてしまいます。
まあとにかく、ツアー中いろいろやってきてネタもつきたのか、オーラスの光一さんは「みんなの熱いものを聴かせてくれ」とオーディエンスに自由にコールさせてくれたんですよ。
と、なれば最初は当然「光ちゃん」コールが起きます。
当然です、ソロコンですから。

ところが光一さん的にはそれはとってもテレる。
ものすごくテレる。めちゃめちゃテレる。
同じ日の昼の回には「光ちゃんって呼ばれると『はい』って返事しちゃうから!」という理由でそのコールやめて……と懇願してたくらいです。はい、かわいい。なんだそのかわいさは……というのはおいといて。

オーラスもやっぱり「光ちゃん以外で」というのを要求してきたのでした。

場内は最初ばらばらに「王子」だったり「光一」だったり、負けずに「光ちゃん」だったりをコールしておりました。
おそらく最大勢力は「王子」次いで「光一」でしょうか。
いずれにせよ堂本光一さんその人を呼んでいた、あるいは「パンちゃん」「F1」といった、堂本光一さんに属しているもの、あるいは最大にして唯一といってもいいシュミを呼んでいた人もいたようです。
まあ、大勢は「王子」「王子」とコールしてました。
おそらくは場内の半数以上が声を嗄らしての「王子コール」です。
どこをどう聴いても

王子!王子!

でした。
ところが、ステージの光一さんの反応がとっても妙。

米花、人気だなあ!

え?なんで「王子」コールでその発言が出るの?なんで?
どうも、これは誤解されてるとしか思えない。思えないんですが、一度はじまった「王子!コール」はステージの上の人が何かはっきりと方向変換してくれない限りは一斉に別の何かには変えられない。
ので、我々としては「お・う・じ!」とはっきり発音して対応するより術がありませんでした。

ところが。
ステージから見て平面上の距離が比較的近い……大体1/3よりも前にいた人たちには最初こそ「王子」と聞こえたコールが途中から明らかに「つよし」としか聞こえなくなったんだそうです。
つまり、横浜アリーナのオーラスは大体ステージから数えて後ろ2/3くらいのブロックは多くが

王子!王子!

とコールしていて、前のほんの1/3のブロックくらいは

つよし!つよし!

とコールしている声が多かった、ということになります。
ブロックで言えば
センター Aブロック Bブロック
アリーナ Eブロック Fブロック
スタンド 南スタンド 東スタンド

このあたりの人たちはほぼ「つよし」としか聞こえなかったとの多数の証言があります。
なぜか前の方のブロックだけそういうことが起きていました。中には必死で抵抗しようとした人たちもたくさんいましたが、なぜだか前方ブロックだけがそんなことになってしまった。
それが、あの日のあの場での事実です。

比較的オーディエンスの声として拾いやすい場所の人たちが「つよし」としか聞こえなかったコールは当然、ステージ上の光一さんには

つよし!

としか聞こえないですよねえ。
聞こえないと思います。
その後のMCで後ろの方の人たちがいくら声を尽くして

王子!

とコールしていた、と主張しようとも、そりゃあ伝わりませんよ。

せっかくのオーラス!どれだけ待って待って待ち望んでいたかわからないほどのソロコン、そのオーラス!
なんでそのオーラスで、光ちゃん以外の名前をコールすると言うのか。

ソロコンですよ。

Gコンじゃないんです。

ソロコンです。

なんで別の、そこにいない人の名前を叫ぶ必要がありましょうか。

私たちが観たいのは堂本光一さんで、歌を聴きたいのも堂本光一さんで、パフォーマンスを観たいのも、笑顔を観たいのも堂本光一さん以外にはおりません。
少なくとも、ソロコンサートはそういう場であると私は考えます。
だから、誰かの名前を呼ぶとしたらそれは堂本光一さん以外にはありえない。

でも、光ちゃん的には聞こえてきたのは自分ではない別の人の名前ということになってしまいました。

それが、すごく悔しいです。

納得いかないです。

数多くの光一さんのファンがこのことで悔み、あるいは悔しいと感じました。
最後の最後、ファンが誰しも一番大事にしたいと思っている時間と空間でどうして後味の悪い思いを残さなくてはいけなかったのか。

過ぎた時間は戻せないし、光ちゃんがその時聞こえていただろうコールを別のものにすり替えることはできません。
果たして光ちゃんが実は多くが「王子」だったり「光一」だったりと自分を呼ぶコールだったことを知ったかどうかも、今となってはわかりません。
ファンの多くの意志がちゃんと声になって伝わっているかどうかは、わからないままです。

なので、ここに書きのこしておこうと思います。
あの時、確かに会場の過半数は堂本光一さんを呼んでいたんだという事実を残しておかなくてはいけないと思いました。
BPMのオーラスは最高でした。
でも、最高に幸せで楽しくてうれしい時間と空間に、同時にこんなことがあったことも事実です。
今でもMy Wishは大切で大好きな曲なのに変わりはありません。
けれど、やっぱり少しだけのどの奥でひっかかる。
そのことがとても悲しいのです。

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