第一話「いらない部品」 2000/4/12 22:00〜23:15
◆あらすじ◆
高野達郎は友人の作った借金を肩代わりしたために、夜の街で殴られ屋をしてヤクザに借金を返す日々を送っていた。
ある日、達郎の元に岡谷と名乗る男が尋ねてくる。
その男は達郎に異母兄がいることを告げ、引き取ってはくれないかともちかけてきた。
不承不承吉井タマキと共に兄に会いにいく達郎。
古ぼけた工場で出会った兄は達郎の目には理解不能の言動をする異星人のように映った。
岡谷に「輝は自閉症である」と告げられ戸惑う達郎。
いったんは引き取るのを拒絶したものの、工場が倒産して輝を手元に置いておけなくなった岡谷は、殴られ屋の仕事場に輝を連れてきてしまう。たまたま客とトラブルを起こした達郎のすきをみて失踪してしまう岡谷。
警察から戻ってくると、家には、殴られ屋の常連・カウンセラーの進藤京子、タマキと共に達郎の持っていた絵本を熱心に見ている輝がいたのだった。
京子やタマキに輝と一緒に住むよう説得される達郎。だが、自閉症が一生治らないと聴かされますます同居をこばむ。
工場に連れ帰ろうと階下へ下りるエレベーターの中で自閉症の症状を現す輝。達郎のとまどいはますます大きくなった。
なんとか工場へ連れ帰ったものの、すでに無人となった工場。
達郎は輝を置き去りにしようとする。が、そこで待ち受けていた岡谷の借金取りに捕まってしまう。
岡谷は輝を保証人にして500万もの借金をしていたのだった。
輝の代わりに借金返済を迫られる達郎。
嫌気がさした達郎は、輝を雨の粗大ゴミ置き場に置き去りにしてしまう。
ひとり部屋に戻った達郎は、なんとなく落ちつかない。が、物音に気付いて玄関を開けるとそこにはいつの間にか輝が戻ってきていた。
とりあえず、一夜の宿は貸すことにしたが、輝の特異なこだわりに閉口してしまう。
明け方、ようやく寝付いた輝を見守りながらふと目に留まったのは輝が気に入ったらしい一冊の絵本だった。明け方の光の中で幼いころの思い出に思いを馳せる達郎。
翌朝、タマキに輝を押しつけてふらりと外へ出る達郎は、幼なじみで上昇思考の強い瀬戸かおりに企業の発足パーティーに誘われる。
迷った末に出かけたそのパーティーの席上で、騒ぎを引き起こした輝をかばって、達郎ははじめて兄のために激した。◆感想◆
日テレ、万歳。
最初の殴られ屋のシーンのカットを見た瞬間から私、半涙でした。
光ちゃん、どうやらとてもいいドラマに出会えたみたいだ。
それが嬉しい。
フミヤ兄ちゃんの演技には正直びっくりしました。まさかここまでできるとは。
でも、やっぱりね。光ちゃんでしょう。
輝ちゃんというのは基本的には変わらないんですよ。出会った時もそれから少し時間が流れても、達郎に対する態度は変わらない。
でも、達郎は、少しずつ変わってきてるんですよ。
一番それが見えたのはラストシーンの歩き方。
それまでと明らかに違うんです。何が違うんだろう、と思っていたら友人が答をくれました。
輝を気遣って後ろを振りかえり、振り返りしながら歩いてるんですよ。それまでの達郎は輝を半ば意識的に省みずに歩いていたのが。
あのベンチャー会社の起業パーティーで、はじめて輝をかばってからのこの劇的変化。
うるっときましたね。
目が変わってくるんだわ。最初と最後では輝を見ている目が違う。
言葉は乱暴でも、態度はあれでも、少しずつ目が変わってきてる。
パーティー会場で輝が乱暴されてる時に目が泳ぐじゃないですか。迷って、そのまま捨ておいた方がいいんじゃないか、でも・・・その内にいきどおる心が勝って助けに入る。
怒ってる時がまた!これが!あんな怒り方する光ちゃんははじめてじゃないか?
全編ツボだらけで幸せすぎてどうしたらいいんだろう?という感じです。
うう、表情の演技がホントに、たまらない。
なんて切ないんだ。目が、傷ついてるんだもんさ。
達郎は、悪い人間じゃないんですよね。なんでだろう。ひどいことをしてもなんとなく痛みを心に抱えた人のように見えるから、悪感情はわかない。
どうしてあんなに辛そうに生きてるんだろう?
複雑な心を抱えてるからこそ、あまんじて友人の債権なんて背負っちゃったんだろうなあ。とか。
なんかいろいろなことを考えさせるキャラクターです。
夜明けに絵本を見ながら回想した幼い日の出来事、おもむろに外したバンデージの下にあったのは、あれはアザ?それともいれずみ?なんだろう。
あれが全編を通した謎に関わってくるんでしょうね。
そして単なるファン的には。
かっこいい。
もうめっちゃめちゃにかっこいい。煙草をばかすか吸うシーンが出てきますがもうそれがはまってる。ああ、かっこいい。
殴られ屋もさまになってるじゃありませんか。いいぞ、いいぞ。
達郎が時折見せる、コミカルな動作もいいですねえ。
パトカーに大きく「ご苦労様です!」とか、粥屋の金魚に脅えたりとか、輝のために床屋の看板運び込まれるのを見られた時の表情とか。階段を昇りながら「なんでおれまで階段使ってるんだ?」とふと我に返ったりとか。
モブシーンもいい感じ。
特に達郎のいる街の住人。
粥屋のチャイニーズ娘'sとか、店主。ビデオ屋の兄ちゃん。コンビニの店員。みんなが「達ちゃん」と達郎を呼んでることだけでも「ああ、こいつ、いいヤツなんだわ」って思えるし。
実はすでに3回見てます。
ありがとう、日テレ。来週が待ち遠しい。
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