第三話「ケガは痛いです」 2000/4/26 22:00〜23:00
◆あらすじ◆
輝と暮らしはじめた達郎は改めて、自閉症を抱える輝と自分との感覚の違いに閉口する。
殴られ屋の売上金をみすみす盗まれたり、洗濯物を濡れるにまかせていたり、高熱を発した自分を気遣ってくれなかったり。
次第にいらいらが募る達郎。
そしてついに、ヤクザの取り立て屋に殴られた自分にさえ反応しない輝に激怒し、彼を殴ったあげく絵本を破り捨て家を出ていってしまう。
病の達郎はかおりの家に転がり込んだ。
タマキの説得にも家に帰るつもりのない達郎。
そんな中、京子の紹介で輝は清掃の仕事をはじめる。
一方京子はひょんなことから、婚約者・智也が母親へ暴力をふるうところを目撃し、止めようとしてケガを負ってしまう。
家に帰る道すがら携帯に入った電話で京子は輝が行方不明になったことを知り、急ぎ輝の仕事場へ駆けつけた。結局、輝は先輩にいいつかった仕事を黙々とこなしている内に会議室に閉じこめられていたのだった。
輝を引き取り達郎の家に戻った京子のケガに気付いた輝は「ケガは痛いです」と京子に話しかける。その言葉で張りつめていた京子は涙を流した。
翌朝、眠り込んでしまって目覚めた京子は輝が自分の絵を描いてくれたことに感激する。
熱の下がった達郎は殴られ屋の仕事を再開するが、気になるものの、意地をはって帰ろうとはしない。
輝が破り捨てられた絵本を一生懸命直している姿を見たタマキは輝を連れて達郎を説得に行く。
タマキとの口論の最中達郎の元に、再び取り立て屋が借金の請求にやってくる。
タマキが慌てて警察を呼びに行く間、殴られている達郎を見た輝は「ケガは痛いです」と必死に取り立て屋にすがって抵抗した。
その姿に、わだかまっている心をほどいた達郎は、再び輝とふたりの家に帰っていった。◆感想◆
わはははは。
もう、最初の達郎が輝ちゃん殴るシーンから涙。
なんかそれまでのシーンが笑ってしまうくらいだったからよけいです。なんかもう、辛いんだわ。
輝ちゃんがかわいそう、とかいうのではなくて、通じ合えない哀しさに涙。
達郎っていうのはすごい人だと思うんですよ。
以前友人と「天街」の話をした時に言ってたのが、このドラマは障害を克服しようとしてるんじゃなくて、受け入れようとしてるドラマなんだね、ということで。
まさに達郎はなんだかんだ言って、まんまの輝を受け入れてる。
でも、本能で兄ちゃんには甘えたいのに、できないもどかしさにいらだってる。
タマキは偉い。
「お兄ちゃんに甘えたいだけ」とはよく言った。その通りだ。
達郎は兄ちゃんに甘えたいんだな、とつくづく最初の数分で思ったですよ。
期待してるんだと思う。
紛れもない血のつながりを感じる人が自分に優しくしてくれるのを。
他人に愛されることを拒絶した人が、兄ちゃんには愛してほしいと思ったのね。
売上金を盗まれても、ぶつくさ怒るだけたったのが、痛めつけられた自分をかまってくれない寂しさにキレたもんな。
自閉症に関する難しいことは、多分ほとんど知らないまでも、「輝はああなんだ」ってことをわかっていても、それでもキレてしまったのは、輝ちゃんの自分への愛情が欲しくて仕方なかったからだろう。
達郎は冷めたフリをしているけど、寂しい子供のままだ。
で、もーあのぐるんぱよ!ぐるんぱ!
ポケットから輝ちゃん描き損じの紙を取り出して広げたら「ぐるんぱ」の絵で、それをじっと見つめる達郎にまた涙。
ううう。素直になれよー。達郎!
もーぐらんぐらん。
で、あとラストね!ラスト!
あの、ループするという黒のエンディングはなくなってしまったのかもしれないけど、フミヤの「INSIDE」が流れる中、ふたりして洗濯する姿にぐらんぐらん。
最後自分の洗濯物をきれいに干しに行った輝ちゃんがまたよかったね。
輝ちゃんのこだわりたいことには素直にそれに任せて、二人並んで洗濯物を干す。
いやもー泣けた、泣けた。
静かで穏やかな愛情がちゃんとふたりの間に流れているのが痛いくらいわかったもん。
輝ちゃんにとって達郎が必要な以上に、達郎にとって輝ちゃんはもう、ちゃんと必要な人なんだなあ。
ああよかったわあ。うるうるだ。今も涙目。
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