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drop16_6.gif (136 バイト) 第五話「さよなら輝さん」 2000/5/10 22:00〜23:00 drop16_6.gif (136 バイト)


 

◆あらすじ◆

輝は京子に約束を破られたことがショックで食事も喉を通らない。
達郎はそんな輝を心配する一方、輝を裏切った京子が尋ねてきたのを拒絶する。
輝は暴れだし、達郎が安原に押しつけられ置き場所に困って隠しておいた拳銃を見つけて誤って発砲してしまう。
達郎が拳銃を所持していることに驚くタマキ。だが、達郎とて事情を話せるわけもない。
とにもかくにも達郎は安原に拳銃を返しに行くが、逆に安原からその拳銃で指示した人間を殺せ、と要求される。
一方輝は、タマキと共に約束の丘でずっと京子を待ち続けていた。
たまりかねたタマキが京子に連絡を取ろうとするが、彼女の部屋に居候していた智也のためにそれも阻止される。輝は京子に再びメールを送るが、それに気付いた智也から京子を装った残酷な絶縁のメールを返信されてしまう。
京子からのメールを見た達郎は、輝にあきらめるよう説得するが、輝には伝わらない。
ある朝、自転車ごと行方不明になった輝を追いかけて、約束の丘に探しに行く達郎は、危うくトラックに轢かれかかる輝を助けた。
さすがにそこまで思い詰める輝の姿に、物思いに沈む達郎はタマキが「輝ちゃんは京子さんを宝物のように思っている。いらない部品でもそこまで人をすきになることはできる」と言った言葉に考えを改める。
そして、智也に去られて茫然とする京子に、輝の思いに決着をつけてくれるよう頼んだ。
その夜、改めて安原のところに「人殺しはできない」と謝りにいく達郎は、なぜか昏倒させられ、翌朝望郷横丁で目を覚ます。
TVでは、達郎が殺しを依頼された相手が何者かに発砲され、重傷を追ったとのニュースが流れていた。
達郎が家に戻るとほぼ同時に、京子が輝を尋ねてくる。
そして、はっきりと智也の側についていてやりたいから「もう輝に会えない」と告げた。
失恋した輝を気遣う達郎の前に、入れ替わりに現れたのは警察だった。
 

◆感想◆

愛情について考えてみる。
達郎という人間は本来、ものすごく愛情の深い人なんではないかと思います。
でも、これまではその対象をどうしても他人に見いだせなくて愛情を押し殺して、生きてきた。
でも、ここにきて輝という無条件に愛情を注いでもいい人間に出会ってしまったから。
際限なく愛情を降り注ぐようになってしまったんですね。
だんだん染みるようにつのってきた輝への愛情は、目の前で他人に傷つけられた姿を見て堰を切ってしまったんだなあ、と。
もう、この回では、達郎ははっきりと
「あいつがかわいそうだ」
と言ってます。
安原の前で人殺しができない理由として「輝を放っておけない」と言いました。
トラックに轢かれそうになった輝を本気で怒鳴りつけ、怒っていました。
もう、なくせないし、傷ついてほしくない人に、輝はなってしまったのね。
生きていく一番の理由に、輝はなってしまった。
自分がどうしても他人を愛せないのに、すんなりと目の前で京子に心を寄せていった輝を、もしかしたら達郎は羨ましいとすら思っていたのかも知れない。
本当は誰かを愛したくて仕方ないのに、どうしたらいいのかわからない。
入り口のところで戸惑って立ち止まっている。
達郎という人間はそんな人なのかな?と思います。
やっぱり、輝ちゃんはお兄ちゃんなのね、と思うのは、そうやって立ち止まっている達郎の前に、きっちり道をつけてみせているところでしょうか。
子供は親の背中を見て育つ、と言いますが、見るべき背中を幼い頃に失ってしまった達郎がようやく見つけた背中が、輝ちゃんだったのかもしれない。
京子に恋をして傷ついた輝でなかったら、達郎はこれほど爆発的に愛情を注がなかったかもしれない。
少なくとも、こんな短い間にはそれはなかったと思います。
恋をする輝を見守るしかできない、達郎が切なくて。
もちろん、輝ちゃんの面倒を見ているのは達郎ですけど、実は達郎こそが輝に依存しているのかもしれないな、と今日は心から思いました。
「あいつってすげえのかな?」
そう思う達郎が愛しいです。
光ちゃんは達郎という人がすきだろうか?
私は、大好きだ。
あの切なさがとても、愛しい。

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