第八話「サヨナラ旅行」 2000/5/31 22:00〜23:00
◆あらすじ◆
輝を安原の元から連れ出そうとした達郎とタマキは、反対に安原一派に捕まってしまう。達郎に多額の生命保険をかけた安原達は輝やタマキもろとも達郎を事故死にみせかけて殺そうとする。
すんでのところを逃れたものの、三人は行くあてがない。そんな中でも達郎は結果的に輝のせいで会社が倒産に追い込まれたかおりの身を案じていた。
街をふらふらしていて安原達に捕まってしまった輝を取り返すため、達郎とタマキは家に戻る。
たまたま達郎を訪ねてきた殴られ屋の弟子・聖(安原の息子)は、父親が人を害そうとしている現場を目の当たりにして発作的に自殺を図ろうとする。達郎の必死の説得で聖は自殺を思いとどまった。
安原はそれを恩に感じたのか、達郎達を解放する。
一方かおりは、仕事のパートナーからも見捨てられ、債権者に追われるようになっていた。かおりの元を尋ねた達郎は輝の贖罪のために一生かおりに側にいようと決心する。
最後に、京子に会いたがる輝のために、タマキと三人で京子の元を訪れることにした。
何も知らない京子は三人を歓迎する。
そこで達郎は京子に「輝と出会えてよかった」と素直な胸の内を告白するのだった。
輝と約束通り自転車に乗る京子。そして、子犬をかわいがる輝を見ている内に、お腹の中の自分の子を産む決意を固めるのだった。
京子には結局何も話さず、帰りのバスを待つバス停で、達郎は輝に自分がかおりと暮らすことにしたこと、そして輝はこれから施設で暮らすことになるのだと、丁寧に話して聴かせる。
輝は達郎の話を理解したのかしていないのか「施設に行きます」と口にするのだった。◆感想◆
いやーもう。
正直言って前半だけなら私はちゃぶ台ひっくり返して終わってるところでしたが(^^;; 後半の達郎にすっかりやられ返されました。
文句は山ほどあるんですが、それは「冷静」に書くとして。
達郎ですよ、達郎!!!!
えい、主役だ、こんちきしょう!
とにもかくにも、このドラマは達郎だ。特に最後のバス停で輝に「なぜ自分たちが別れなくてはいけないのか」をきちんと、一から十まで話して聴かせるシーンの達郎はもう最高だ。
達郎は何がいいかと言えば、私は「なぜそうなのか」をちゃんと輝に話してきかせることができるところがいいんだと思います。
それは、ひどく当たり前のことなんだけど、達郎の輝ちゃんへのものいいっていうのは、単純に庇護する相手に対してのものとは微妙に違う気がするんですよ。
真上からばんとつきつける説明じゃなくて、解いて聴かせるやり方。
わからないんですけどね、多分違いは、相手に敬意をもって接しているかいないか、ってことだろうか。
同じ目の高さで理由を説明しているように、私は思える。
そうして、輝ちゃんを見つめる、空を見る達郎の表情のひとつひとつがものすごく、深い。
目で語れ。表情で語れ。
達郎の胸中に渦巻くフクザツな感情の嵐と、輝ちゃんに対する紛れもない愛情。惜別の情。
達郎にとって、かおりはもっとも「同族意識」の強い相手だと思います。
もしかして初恋の女の子だったのかもしれない。
私が思うに、俊平に対する小夜子のような存在、といえば光ちゃんファンはわかりやすいかな?
だから、大切にしなくてはいけない相手なんだけど、いわゆる男女の愛情かといえばそれは絶対に違うと思うので。
いわゆる「自己犠牲」ということは絶対に思ってないけど、こうすることが一番いいんだと思っているけど、でもやるせない。
人間の感情なんてわり算ですっぱり割り切れるものじゃないと思うので、あの切なさの理由はきっと達郎本人にもわからないんじゃないか、と思います。
「大切」も「愛してる」も、全部同じひとくくりの中にある感情じゃないんだよな、きっと。
光ちゃんが探り当てている達郎は、なんだかすごく深い。
そんな風に思います。
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