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drop16_6.gif (136 バイト) 第九話「達ちゃんといっしょにいたいです」 2000/6/7 22:30〜23:30 drop16_6.gif (136 バイト)


 

◆あらすじ◆

達郎と輝は離ればなれに生活をはじめた。
かおりと同居をはじめた達郎は慣れないスーツでサラリーマン稼業をはじめる。だが、どこかで無理をしているという感じはぬぐえない。
結局、就職した会社を辞めて元の殴られ屋をはじめるようになってしまう。
輝は施設で拾ってきた子犬にタツローと名前をつけて暮らしはじめるが、ある日突然倒れてしまう。
それを知ったタマキと東京に戻ってきた京子は達郎に知らせようとするが、かおりが伝えようとしないため、達郎は知らずに過ごしていた。
ひょんなことから輝が病気だと知った達郎は施設に会いに出かける。そして、かおりが探し出してくれた父親に会いに行こう、と輝に提案する。
だが、久しぶりに会った父親は、ふたりを歓迎するどころか金を無心してくる始末。
それに怒った達郎は一度は輝を連れて帰ろうとするが、以前からどうしても気になっていたこと・・・なぜ輝の絵本を達郎にくれたのか、を父に聴くために再び父の前に現れる。
そして実は、達郎がずっと父からもらったと思っていた「ぐるんぱのようちえん」は、輝が達郎にくれたものだったということを知る。驚く達郎。
父は、達郎の驚愕も感知せず、輝の持っていた絵本を燃やしてしまう。パニックに陥る輝の姿を見て、思わず父親に殴りかかる達郎。
父との再会はひどく苦いものになってしまった。
ずっと父親のとの思い出と大切にしてきたものが崩れた達郎は、はじめて輝の前で涙を流す。
そんな達郎に輝は「達ちゃんと一緒にいたいです」と告げるのだった。
そして、家路につこうとした、その時輝は達郎の前で倒れてしまう。
輝の冒された病。それは急性白血病だった。
 

◆感想◆

ラストシーンの海辺、輝に出会うまでの人生の中で唯一達郎のよすがになっていた父との思い出が砕け散り、文字通り二度父を失うことになった達郎の涙。
はじめて、輝の前で流した涙。
肉親の縁に薄い達郎だからこそ余計に、格別の思いをもってすがりついていたぬくもりを失った瞬間でしたね。
泣きましたわ。
達郎はバンデージを外して海に捨てます。
もう、いらないから。
ことあるごとに、恨むという形ですがってきた父親を本当に失ってしまったから。
そうして、残ったのは皮肉にもやはり血のつながりのある兄・輝だけだった。
なのに、またそれも失いかけている達郎。
達郎の人生というのは「喪失」の人生であるような気がします。
もう、何も残っていないくらい失い続けている。
あるいはあの達郎が持つ独特のニヒリズムみたいな影はあまりにも取り上げられ続けた人生から得た教訓だったのかもしれないですね。
悲しい人だ。
そんな人生の中でようやく得た輝をまた失って、さらにまた失おうとしてるんでしょうか?
先週の放送回で、達郎は京子に「いつ死んでもいいみたいに思ってた」と告白してますが、こんなにもなくし続けてばかりいる人生だからこその言葉だったんですね。あきらめたら楽になる。そういうことなのでしょう。
だけど、輝のおかげで「生きてるもの悪くない」と思えるほどになった。
輝は達郎にとって、絶対に失ってはいけない人になったのに。
・・・一体、運命はどこに流転していくのでしょう?
悲しい人だ。本当に。

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