あらすじ

くるみはひとり、一年前の事件の検証を始める。直美は目の前で姉が殺されたショックによる逆行健忘に陥っていた。そして、氷室の言葉通り由香の身体からは氷室の銃の弾丸が検出されていたことと同時に、事件直後入院中の氷室がうわごとをしきりつぶやいていたことも知った。
スネイルから再び身代金を持ってくるようにとの指示が入る。今度こそ氷室ひとりでこい、とも。氷室は外に出ようとするが叶わない。
大田黒が氷室邸まで持ってきた捜査資料を観た氷室は、自分の記憶から消えた空白の１０分間が存在することを知る。
受け綿足し場所が一年前と同じ場所だと聞いたくるみは氷室の代わりに、スネイルとの取引の現場に向かうことにした。
由香と氷室の思い出の場所をたどりながら、二人の過去に思いを馳せるくるみ。そうすることで失われた１０分を取り戻そうというのである。
そうして、一年前と同じ倉庫にくるみはやってきた。
氷室の言葉通りの風景の中を歩いていくくるみ。氷室は何気ないくるみの一言から過去の記憶の断片を思い出し、犯人の正体に思い至る。
犯人は、誘拐されたはずの直美自身であった。
レストランで偶然スネイルと再会した直美は無くしていた記憶を全て思い出し、自分から狂言誘拐をもちかけたのだった。当のスネイルは直美の手によって殺害されてしまっていた。
それだけではない。一年前、直美は、気を失っていた氷室の銃と逃走したスネイルがその場に落としていった銃をすり替えたのである。
氷室は全てを思い出した。
由香は氷室をかばって、氷室の銃を持ったスネイルに撃たれて死んだのだった。
氷室を愛していた直美は、姉が氷室をかばって死んだことを氷室に知らせないため、銃のすり替えを行ったという。。
由香の代わりになろうとした直美は計画の失敗に、倉庫に火を点けて自殺しようとする。くるみはそんな直美を叱咤し、氷室に説得させることに成功した。
炎の中、くるみは直美を連れて逃げるが現場に携帯を置き忘れたことに気づき火の中に戻ってしまう。
意識がもうろうとする中、くるみを助け出したのは地下室に引きこもっているはずの氷室であった。
結局、氷室はそれからすぐに地下室に戻ってしまい、くるみは慎吾との結婚式の当日を迎える。
が、その時くるみの携帯に一本の電話が入った。
それは、Ａ別館の氷室からの新たなる事件発生の連絡だったのだ。
くるみは、再び出動する。

感想

原作者、ちょっとそこに正座！今から反省会！
と、言いたくなったのは私だけだろうか。
いやもちろん。氷室はかっこよかった。途中で何度か気を失いそうになるほどにかっこよかった。
ぺたんこ髪の若氷室もよかった。つくづく大きなわんこと一緒にセットインするのは犯罪に等しいと思う程にかわいかった。
ああ、炎の中危険を省みず飛び込んでくる氷室には１０００回惚れ直したって足らない。
頭いいんだか悪いんだかよくわからないところもいい（てか、自分が由香を撃ったんではないことに気付くのがあまりにも遅いのはなぜだ、氷室）
くるみはかわいい。氷室の過去をトレースしながら、少しだけ甘い嫉妬を覚える姿には正直姉さんもオチそうになった。
あれは、先週の聖母と眠る氷室と並ぶ今年の名場面。
恋愛でなく、ただ相手を大切だと思う気持ち。
そういうものが二人の間にはあるのだな、と思う。
くっつくとかくっつかないとかで測れない想いというもの。
だから、くるみの胸には慎吾がいていいし、氷室の心の中に由香が住んでいてもお互いが特別であることは許されるんだと思う。

んだがーーー。
ハングリーマンの時もそうだったけど、なんだって犯人のディティールがあまりにも弱いのか。
スネイルですよスネイル。
氷室のトラウマの原因。引きこもりの元凶。あの！氷室と対等以上の頭脳合戦をやりぬき、あまつさえ出し抜くほどの相手。
それがだ！
なんだって単なるちんぴらになるんだ！教えてドラえもん！
直美にぱすっと殺されてしまう程の、まあ言ってみれば雑魚キャラだ。大ボスはどこだ？ラスボスが案外弱いというのは割とＲＰＧでもありがちな話だが、それでもあんまりだ。うえーん。
いや、直美しか犯人はいないんだけど、スネイルの扱いをなんとかしてくれーーーー。初回から引っ張りに引っ張った氷室事件の顛末のしょぼさ・・・いやさ、一年前の事件はいい、それをリピートした事件の顛末のお粗末さに倒れそうになりましたよ。
スネイルはなんで「スネイル」なんて名のってんのよーーー？
なんであんな入れ墨してんのよーーー？
一体なんで氷室を憎んでる（た）のよーーーー？？？
一億ふんだくったはずの犯人がなんでレストランでウエイターやってんのよーー？
てか、なんで今更直美ごときにそそのかされてんのよーーー？
と、謎だらけ。予想したことより上にいってくれない寂しさ。くすん。
私は驚きたいのよ。

とりあえず、SPなりPART２なりを作れる布石は打ってあったので、やらなければ許しません（えらそう）
でなきゃ、氷室が地下室に戻った意味がない。

とはいえ、出てくる全員みんな大好きだったし楽しませてもらった三ヶ月に嘘偽りはありません。
一日も早く「リモート」メンバーに再会できる日を楽しみにしております。