第10話

あらすじ

誠と北見は勤務中、偶然小火を発見し消火活動をする。それは、管内で起きている連続放火魔の犯行のようだった。火事発見と消火活動の実績を買われてふたりは刑事課が捜査にあたっている放火魔事件の応援に回されることになった。
その直後、犬を近くのアパートに住む女性に盗まれたと一組の親子が訴えにくる。誠と北見は飼い主一家に虐待を受けていた犬を助けただけだと主張する女・・・美希を説得して犬を取り返す。美希がうそをついているように思えなかった誠は後味の悪い思いをした。
その帰り、たまたま通りかかった第一の放火現場で、誠は壁に書かれた不振な文字を発見する。思い当たって佳織からもらった昨夜の現場写真を取り出すと、よく似た筆跡で同じように壁に書かれた謎の記号を見つけたのだった。果たして、第二の放火現場にも同じような記号が書かれているのを見つけたふたりは、これが犯人の残したメッセージだと考える。
ところが、捜査会議でそれを発表した誠は逆に刑事課の面々に「すでに犯人の目星はついている」とそれを一笑にふされてしまう。
容疑者の名は窃盗を繰り返して刑務所を出たり入ったりしている山川。奇しくも初犯の時に北見が逮捕した男だった。
動機はある。アリバイはない。状況から考えれば山川犯人説は濃厚だったが、誠はどうしても記号のことが気になってならない。犯人が残したと思われる謎のメッセージに奮闘している内に山川の自供により、放火事件は解決してしまう。
どこかひっかかりを覚えながらも、通常の勤務に戻ったふたりは不良少年の補導の最中、とある不動産屋の泥棒事件に出くわした。それが、放火を自供した山川と同じ犯行の手口であることに気づいた北見は課長にかけあって、山川に尋問を行い、やはり自白が偽証であったことを聞き出す。
捜査はふりだしに戻った。
誠は、商店街で見かけた美希が強い人間不信であること、そして美希が働くペットショップの定休日が毎週放火が起きる火曜日であること、放火現場で目撃された犯人らしき人物の着ていたジャンパーと同じものを着ていることに気づいた。証拠はない。だが、美希のことが気にかかって仕方がない誠は美希に接触するが、すげなく無視されてしまう。
その上佳織から、犯行現場にメッセージを残す犯人の心理のひとつとして「犯行を重ねる自分を止めてもらいたい」というものがある、と聞かされてますます美希の存在が大きくなっていく。
一方捜査会議では山川犯人説が崩れた直後の火曜日に際して署員一丸となってパトロール体制を組むことが決定されていた。目黒区内で庭付き一戸建て、駐車場付という以外に被害者宅の共通点が見出せないでいる会議において、望月はもうひとつの共通点、アジサイが咲いているという点を指摘したが、時間はない。管内にある条件に適合する家を見つけるのはとても不可能だった。
それぞれの分担を生安課内で決めている最中に、ふいに誠はあの記号が美希が持っていた目黒の地図のページと位置を指していることに気づく。今度こそ美希の犯行を確信した誠は夜までには戻る、と北見に断って美希の身辺調査をはじめる。
そしてたどり着いた美希の小学校の時の担任から美希が幼いころに両親が死んだこと、そして預けられた親類の家で虐待を受けていた過去を聞かされるのだった。
なんとか次の犯行を止めたい誠は望月と北見に連絡して、前回の火事現場で美希が予告した地図のページと記号の区域から、幼い美希の心の中に焼きついた虐待の家の象徴、アジサイの咲く家を見つけて先回りする。
果たして美希は現れた。火を点けようとする美希の前に飛び出した誠は必死に説得を試みる。だが、美希は自分でアルコールをかぶると自殺しようとした。
そこに北見が、以前自分の犬を虐待していた少年を伴って現れ、美希の思いはちゃんと少年に届いていることを知らせる。
その事実と、誠の言葉に心を動かされた美希は自首することに同意した。

感想

あの写真欲しい度
 ★★★★★★★

ミステリって感じ?
★★★★

……補導されたい。度
120%

いい話だったと思いますよ。
この話は美希が自首をしなくては意味がなかった。だから犯人は美希でなくてはならなかったんですね。最後に自首をする美希がいるから、全てが生きてくるんだな。
誠は成長したなあ、と思います。
数話前の誠なら北見に断ってから美希のことを調べに行くようなことはしなかった。だけど今はちゃんと北見に自分がどうしたいのかを告げてから行くようになってる。北見もまた信頼してちゃんとフォローする姿勢で見守っていてくれてますもんね。
二人の間に信頼関係がきちんとできてるんだよねえ。
望月とふたりして誠を見守る目が実にいいです。今回は佳織の使い方もよかったと思うな。
・・・それにしても。名前を確認するのに行った公式HPで少し泣けちゃいました。
「みき」って「美しい希望」って書くんですね。なんかほろり。
で、それはさておき。
消火活動をして消火器の粉をいっぱい浴びたふたりのツーショ写真がすきーーーーー(はぁと)それ、新聞に載せておこうよ。ウケるって、絶対。
誰にか?といわれれば、それはもちろん、私にだ(笑)
あの時のふたりの呼吸の合わせ方はよかったなあ。
え?新聞に載るの?と顔を直すタイミングも一緒だし(笑)初回、二回目と撮られるのは不名誉なことばかりだった誠が、お手柄で載るチャーンス!だったのにー(笑)あの写真をさり気に誠にあげる佳織はかなり高得点でした。今回の佳織が私は一番すきだな。
ミステリ好きにはたまらない、暗号。
地図のページとか位置を示す番号だった、ってオチは割とよくあるネタですが、実は。ああ、これは私のサガ。
最初に美希がいた公園にSLがあったじゃないですか。汽車ぽっぽ。
それが頭にあった私はてっきりあの記号、SLの型番(てゆーのか?)だとばっかり(^^;;
 きっとあの公園に謎を解く手がかりがあるんだわ!機械の製造番号じゃなくってよ、誠!とひそかに大間違いのタレコミをしていたのでした(笑)
ヨミすぎだってば>自分
ところであのぼったくりバーの被害にあった酔っ払いのおっちゃんはどうしちゃったんだろうか?あの騒ぎでは酔いも覚めるわな(笑)