祝!堂本光一さん 主演ミュージカル!

11/2(木) 初日
ううーむ。
まず最初に言っておくと、これを「ストーリーミュージカル」として観ると、途中で追いきれなくなります。私はなりました(^^;; あらすじ書くの大変だったぞ。「ショー」を楽しむためのミュージカルと思っておくといいかもしれない。
話としては、MASKの焼き直し。と思えばほぼ理解できます。
話の筋、それからテーマ、そして主役の性格に一本通った筋があった「MASK」の方を、私はストーリーとしては評価いたします、が。
金はかかってましたねー。セットはなかなか豪華でした。動き方はがたがたしてましたが、金は確かにかかってる。光ちゃんMASKの比じゃないな。空の切り取りセットとか、結構視覚的に楽しいものがありました。
で、ですねー。
ショー部分は光ちゃんの成長著しいことが一目でわかります。
「全部新曲」とかいう割には「MASK」で聴いた曲が満載なんですが、しかも翼はなぜか「涙くんさよなら」を歌ってたりするんですが、同じ曲だとよけいわかるんだな。

オーバーチュア。
いきなりタクトをふってヒガシ様ご登場。彼はゴーストの役なんですが、生きている人間達の世界よりはみ出た存在であることを強調したいらしく、ストーリーに入った途端、同時進行で人物紹介。一瞬混乱します。BGMがでかすぎてこの辺りの声は聞き取れないんですが。
OPのセットにたたずむ光ちゃんの姿は結構感動モン。セットの動きはぎこちなかったけどな。ああいう衣装がホントに似合う。ああ、すてき。んでもって、ぶんぶん飛んでました。四天王様。
客席の上を飛んだらいけないとかっていう問題をクリアしたらしく、ばんばん飛ぶ飛ぶ。
噂の光ちゃんのフライング失敗&落下もありましたが、ストーリーとしては「SHOW MUST GO ON」を強調したかった・・・らしいですが、ちょいと流れとしてはつかみづらい。
ど頭は「Put on The Happy Face」(うーん、このタイトルってもしかして「Happinnes」でしょうか?)なつかしいMASKのOPナンバーと同じ。つい口ずさんじゃいますね。
途中女性バックダンサーに光ちゃんがぶちあたるところとかあったりして(^^;; まだ呼吸がそろってないらしい。後で自分でアドリブでフォローしてましたけどね。
冒頭、カンパニーの旅が延々と繰り広げられます。ちょいと長いか。でも、夜行列車のセットなんてなかなかいい感じでした。晃くんと光ちゃんのナンバー。
そして晃くんと翼が別行動をとり、なぜか通りかかる吊り橋から落下。翼は再起不能と思われる大けがを負います。
この辺りはMASKで不治の病を宣告されるところを思い出しましょう。BGMも確か一緒です。
それでも「SHOW」はやる、と言う光一さん。誰もが反対するけれども、舞台が用意されていて、お客さんが待っている限りは自分は何があっても舞台に立たなければならない。
こういうところは光ちゃん本人と被るところがあります。
親の死に目にあえなくても仕方ない。
横浜スタジアムの一件を思い出しました。確かに君ならそう言うだろうね。
で、ここからお楽しみの「幻炎」です。
よかったっす。
例えば、オリジナルを基本においた場合、光ちゃんとヒガシのダンススタイルというのは、似ているようで違うのでそのまんまをなぞるわけじゃないんですよね。
光ちゃんの場合、手の動きが非常に美しいので、ああいう繊細で緻密な手の動きを要求されるダンスはぴったりです。夏のプレゾンで観たヒガシとは、おそらくたどり着く場所が最終的に違うのだな、と観ていて思いました。
ヒガシがテクニカルポイントの高い踊りをするなら、光ちゃんはアーティスティックポイントの高い踊りをするタイプだと思う。
表情を感じるダンスでした。多分これはここから磨かれていくのだな、と思います。楽しみ。
そこから連続して、ヒガシのナンバー。
この舞台、光ちゃんとヒガシのコンビがいくつかありますが、いいですよう。ふたりとも動きは綺麗だけど到達するべき場所が違うから、いい意味でしのぎを削ってる。
ヒガシはあれですね。女性ダンサーをバックにつけたダンスがいいですね。ボレロのような動きの踊りはなかなか圧巻でした。
で、ハムレットです。
和風ハムレット。最初身につけた衣装はいわゆる普通のハムレットの衣装だったのが、気が付けば脇差しさして一重の薄ものをまとって、和のセットの上で繰り広げる。
この解釈と演出はすきです。ジャニーズって伝統的に和物すきよね。
父王を謀殺した叔父への憤りに脇差しを突き立てる場面なんかよかったですねえ。
「SHOCK」のお話自体はとっても破綻してるんですが(^^;; ここだけがきっちりとした芝居になってました。
ハムレット。台詞難しいし、大変なのにここまでやるとは思わなかったです。
悩める王子、というよりは激情の王子。それが光一ハムレットでした。
激しい火の様な性格のハムレット。駆け回り悔しさと無念を若々しく叫ぶ「動」のハムレット。これはもう、よかったなあ。
一重の薄ものに足すべらせてすっころびそうになってたことなんて忘れるわ、この際。
ホレイショー(晃くん)が刺し殺した父王の亡霊は当然ヒガシ。
私の友人は幕間に「もしかして、ヒガシの自殺は実は晃君が黒幕だったりして」と、そっちのが面白かったのに、もう!な発言をしてました(笑)

二幕・NY、ブロードウェイ。
劇場に集うゴーストたちのダンスから。ここらあたりは、MASKの二幕冒頭。
優貴が孤独だったのに対し、コウイチはなんだかんだ言ってついてきてくれるカンパニーの仲間がいる。この辺が違うところだ。
公演前夜にさわりだけの「Sleep to Death」が!全部やれーー!!マジックのみだったわ。さみしいわ。あれ、あの踊りすきなのよう。
で、NYでの公演はNYメドレー。
NYメドレーは、ウエストサイドがありました。ここらへんは本当にまんまMASKなんですが、同じダンスなんですよ。なんですが、ここはもう、いかに光ちゃんが成長したのかがよくわかる。MASKの時より全然いいじゃんか、畜生。
結構興奮しました。
ちなみに、普通はそこ、マリア役の女の人のパートだろっていうのが晃くん。あっきーがやっていた相手役(マリアの兄ちゃん)はヒガシ。いいっすね。光ちゃんとヒガシが同じ板上でダンスするのは観ていて楽しい。非常に見応えがある。
大成功の舞台を上演したカンパニーのトップスターを取材しようと報道陣が集まってくる。ここで新曲があるんですが「素晴らしい初日の幕があけたよー」っていう女性コーラスが目立つナンバー。途中で光ちゃんのソロが入ります。二幕はひっじょーに華やかで群舞も多くて楽しい。ここで影で光ちゃんを支えていたのがリーダーと義姉だとわかり、和解するんですね。
ところが、ここまでの夢のような展開にいきなり現実の波が襲いかかる。
てゆーか、ここから話が破綻するんですな。覚悟して読んでください。
いきなり、大成功の舞台にクレームが入ります。
どこぞの人が「あんたが舞台で歌った曲はおれんとこが権利を持ってるから著作権使用料払え」っていうものなんですが。
なぜに、いきなり著作権なんて現実はなはだしいものをもってくるのかがよくわからない。
しかも、義姉は素直に払おうというし、コウイチは「んなもん知らねえよ」とこれで通ると思ってる。おいおいおい。そんな現実的なもの持ち込んだ割に反応が非現実的だぞ。と思っていたら、ヒガシ様扮する謎の男登場、自ら自殺したコウイチの兄の友達、と名乗り、実はちゃんと著作権登録を亡き兄ちゃんはしてんだから、言いがかりつけてんのはそっちだろ、と一刀両断にするんですよ。
そんな、ザルな話があんのか?いやさ、ようはおっちゃんたちサギってやつだろ?違うの?と思っていたら義姉ちゃんは「あなたたちのおかげで夫の曲がヒットしました」とか礼を言ってんですよ。
ヒット?ヒットしたのって、コウイチさんが舞台成功させたからじゃないのか?違うの?
だからー。舞台のストーリーに現実を持ち込むとだな、しかも著作権なんていう現実でもややこしいものを持ち込むとだな、破綻してくるからやめとけって感じなんだけど(T_T)
とにかく。その妻も知らないような兄ちゃんの友達のおかげでちょっとした混乱は即解決。
晃くんは取材は自分のところに来てくれないは、役立たずだわで、存在価値を見失い日本へ帰ると言い出す。翼のために。
翼のために、ってあなた、さっきは「お前ひとりじゃ・・」とか言ってコウイチのためにNYまで来たんじゃないか。
しかも、今ブロードウェイで大成功を収め、これから!っていうコウイチに向かって
「一緒に日本に帰ろう」
とか言い出すんですよ。しかも理由は翼のために。
そんなんないだろ、そりゃいくらなんでも帰らないよ。
そしてふたりはMASK名物・求愛ダンスをする。
ただ、MASKはふたりの心が今も遠いところにはないと確かめ合う、和解への糸口だったのに対し、今回の晃君とのダンスは、目指すもの、志向するものは同じでもそれでもすれ違うふたりの心、というのがテーマ。
ちなみに「おセンチはもうなしだぜ!」はありません。ダンスのきっかけと使い方はMASKよりSHOCKのがすきですね、私。
そうして、晃君に帰国されてしまい、まずコウイチは最初の孤独にぶちあたるわけです。
さて。コウイチを置いて翼のために日本に帰った晃君。翼の元にお見舞いに行きます。ところが、晃君がくるのに気づいた翼は「おどかしちゃえ」と思ってドアの影に隠れる。
ところが、それに気づかない晃君は、病室からどこかに遊びに行ってるにちがいない、と決めつけ、のんきな翼に憤り、やれ翼がそんなだからみんなに見捨てられただのなんだのと文句をぶちかまして去ります。
翼くん、ショーック!
で、失意の翼くんにヒガシの声が届く。「NYへ来い!」・・・って、あなた、踊れ!でもなく立ち上がれ!でもなく、いきなり「来い!」か・・・と思っていたら、翼くん。
セットの梁のところを歩き、晃くんの制止も聴かずにダイビング!
落ちたんですよ。それも二回も(もちろんダミーが)なんで二回だったのかよくわからなかったんですが、とにかく結構な高さから落ちました。
死んだのか?翼。義兄と同じ運命をたどったのか?
謎は謎のまま、ところ変わってNY。
ほのか姉さんは篠井さんとヒガシの墓参り。そこで衝撃の事実発覚。
ほのか姉さん、実は好きな人の子供をおなかに宿しているらしい。妊娠三ヶ月。びっくり!しかも相手は
「あなたも知ってる人」だあ?
私はてっきりコウイチさんだと思いました。でも、相手は篠井さんなんですって。びっくり。ヒガシと篠井さんってタイプ似てるのか?
そしてまた、それを物陰で聴いてしまったコウイチ。
彼は、孤独に悩みひとり密かにNYの兄の墓を尋ねていたのでした。ますます孤独に襲われるコウイチ。
実はNYに来て以来、兄の影をずっと感じ続けていたらしいです。で、墓の中に兄がいるとは信じられない。思いあまって墓を暴くが、棺の中には兄の姿はない。
見えない兄。でもしっかりと強い絆で結ばれた兄弟。で兄弟の絆を表すダンス。
これは、いかったです。これまでのコウイチを孤独に追い込む手段(というか話の流し方)がまずかったんですが、これを踊らせるためならばまあいいと、いいと・・・しきれないけど、でもここのダンスはよかった。
この出来事をきっかけにふっきったらしいコウイチさん。NY公演も大成功の連続に、そろそろ自分がNYでやるべきことが終わったのではないかと考えます。
兄の雪辱は果たした、と。
だから、この辺がコウイチの性格が破綻してる部分なんですよ。
1幕のコウイチは[SHOW MUST GO ON」何があっても舞台はやるべきもの、として捉えてました。次に二幕では翼がきっとケガを克服して戻ってきた時に、戻ってくる場所を確保しておきたい、と言ってました。で、今はやるべきことは終わった、と。
わかんないよう。翼、まだケガを克服できてないじゃん。翼の戻り場所は確立されたっていう判断したわけなのか?
そこにやってくる晃君。
「翼が行方不明になった」
そんな緊急を要することは国際電話で話せ。とかいう無粋は言いませんが、その翼はあっけなく現れます。
手段はわからないけどとにかくきたそうで。
「この人に連れてきてもらった」
って、だから、どうやって?とコウイチも聴いてるぞ。おんぶ?おんぶなの?そんなあ。
で、コウイチさん突然はたとひらめきます。この謎の男こそ「兄」では?
だからですね、そういう時は伏線をはってください。今までヒガシ=亡き兄だということを暗示する伏線がひとつもないじゃないですか。コウイチが疑ったこともない。なのに、なんで「行方不明の兄」と思うならまだしも、「死んだ兄」と思うのかがわからん。棺が空だったから?
だったら台詞で「兄さんがいない。やっぱり、どこかでおれを観ていてくれるんだ」とかなんとか言わせようよ。は!それをさっきダンスで表現してたのか?絆はそういう意味合いで捉えるものなのか?
そしてヒガシが死んだ兄だとばれる場面がやってきます。
見破ったのは妻。今は他人のもの。
最後にカンパニー全員のそれぞれ進むべき道を示してくれた(コウイチ談)兄は、ゆっくりと客の頭上をぶんぶん飛びながら天へと戻っていった、と。
うううううううう。
やっぱり後半の話の構成が無茶あると思うんだけどなあ。MASKは本当に一本ぴしっとしたテーマが貫かれていたから見やすかったんだけど。
で、大階段使ってのレビュー。タイトル不明ですがおそらく「One and One」とかそんな感じ。きれいな大コーラス。いいですねえ。ミュージカルのテーマにふさわしい壮大なナンバーです。
光ちゃんのソロもいいです。はい。
最後はひとりひとりをフィーチャーしてのカーテンコール。そしてショータイム。
少年隊のナンバーが多かったですね。
光ちゃんのカーテンコールから、いきなり「夏の王様」のサビを歌いはじめて、そこから「シークレット・エージェントマン」(ヒガシ)「踊り子」(翼withタキ)あといろいろあって、「硝子の少年」〜「雨のメロディ」は光ちゃんが最前列かぶりつきで観ていたつよを舞台にあげて一緒に。
光ちゃんは剛が本当に本当にすきなので剛が現れるといきなり目がなごみます。剛もそうです。
その変化はそれはいっそ凄まじい、というレベルでして、本当にいきなり表情が変わる。他の誰にもあんな表情を見せたりしないので、やっぱり将来光ちゃんたちの嫁になる人は大変だなあ、と思うわけですよ。
不仲説とやらを唱える人は目が腐ってんじゃないか、と本気で思います。あの顔みろよ。口よりも何よりも雄弁に物語ってるよ。ふたりともお互いを大好きなんだな、って。
至福、という言葉はきっとあの剛を観ている光ちゃんのためにある言葉でしょう。いや、本気でそう思います。
光ちゃん、もう一度舞台に出てきますが、その時に、剛の前にしゃがんで剛をじっと観ながら歌うんですよね。あの顔!すげかったです。優しいというかなごんでるというか、愛しいものを観る目というか。ああいう目で見てくれる誰かがいるというのは幸福だ。本当にそう思う。剛くんが本気で羨ましいです。
そうして剛を舞台にあげて一緒にフラワー。
で、ラストはみんなで「Will be Together」。デザイン違いの白の燕尾服。綺羅星四人。いい感じです。
でーもうひとつの特筆は「やるんじゃないか」と思っていたが、本当にやった四天王揃い踏みの「アンダルシア」!!!いやあ、会場どよめいてました。ヒガシ→翼→光ちゃん(悲鳴があがった)→晃君で、4人のアンサンブル。
あのジャケットをくるくる回し、床に落として口で加えるのも全員一列でやってました。すげーー。
ラストはヒガシと光ちゃんのW台宙。すげーや。マジで。
ヒガシと光ちゃんが並んでアンダルシアをやる姿を見るとは寿命が延びる。
最後のごあいさつ。光ちゃんいろいろなところでヒガシにがんがんツッコミいれられてました(笑)がんばれ、座長!
いい感じでしたよ。雰囲気が。ともあれ、初日終了。
次観たら解釈とか変わるのかしら?わからーん。

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