祝!堂本光一さん 主演ミュージカル!
11/26(日) |
千秋楽、おめでとう。 思い返すのは初日。正直なところを言えば本編ラストに白燕尾服を着て大階段の中央に立ち「これがぼくたちの『SHOCK』です!」とシメる光ちゃんを観た時、同じ台詞であっても私の中でより重かったのは去年の『MASK』の時の「これが、ぼくの『MASK』です!」だったんですよ。 それが、例の17日以降とてもとても重い台詞になったんですね。 そして今日、全ての場面で我知らず笑みが咲き零れるような光ちゃんを観ていたら、また少し最後の台詞が重みを増しました。 昨日の大好きで大切な人たちを前にして零れていた花のような笑顔とはまた違う、舞台がすきですきで仕方のない、ステージへの愛情がこもった笑みでした。 光ちゃんは舞台に立つために生まれた人なのだろうな、と思います。どうやら舞台の女神様はとても光ちゃんを愛しているようだ。 奇しくも「どーもとモード」で山下達郎さんが裏方作業がすきだと語る光ちゃんに対して「幸か不幸かあなたには華があるから」と申されておりましたが、全く同意見です。いくら本人の志向が裏方であったりプロデュース作業に向いていたとして、これほど舞台に愛される人もまた早々は出てこないんじゃないかな。 きっと、舞台が彼を放さないでしょう。 冷静な目で見れば、体格的に決して恵まれているとは言えません。 ヒガシや翼みたいに手足が長くてすっとしている人は立つだけでぱっと見栄えがする。ヒガシってスタイルいいなあ、というのは今回のSHOCKで特に思いました。 技術もまだまだ向上の余地が残されていて、ボイトレもまだまだやり続ける必要が大ありです。もともとの声質がきんとして通るものではないから声を通すための努力というのがまた必要なのですね。今回本当に台詞がよく通るようになっていて驚いたさ。でも、まだまだ君の声は通るようになるし、歌えるようになる。 比較に出して申し訳ないですが、光GENJIが出てきた時「こりゃひどいな」と(失礼)マジメに思っていた晃くんがあれだけしっかりした、四天王様の中ではまず一番よく通る声を出せるようになってるんです。光ちゃんにできない理由はない。 とは申せ。 あの出てきただけでその場が華やぐスター性だとか、内側から世界を創り出すような踊りのイメージはあれは、一体なんなんでしょう。 確かに私は紛れもない光ちゃんのファンだし、その辺を歩いている人よりは彼が同じことをしたとしてもよい評価をするんだろうけれども。だけど、観ていてこれほど私の中の感受性を揺り動かすのは、それは多分ファンだから、だけではないと思います。 実は昔からすきになる人と「すごいな」と思う人というのは、私の場合は一致したことがなかったんですね。愛しく思う人と畏敬の念の対象になる人は違っていた。 光ちゃんは、はじめて「すごい」と「すき」が一緒になった人だったりします。 すごいよ、この人。 行き着く先が見えない。どこまで行くのかが本当に見えないです。 洋々たる未来といいますが、本当に果てのない先まで行く人だろう、とまじめに思えるんだな。ファンだから、とかそういうのを抜きにして。 今回は特にそれを感じました。大した人です。 SHOCKがはじまる前に、BBSでどなたかが少年隊のFCの会報にあったヒガシの言葉を紹介してくださったことがありましたが、そこに 「言葉ではなく踊りだけで何かを表現できるということはすばらしい」 でしたっけ?そんなニュアンスの言葉があったように記憶してるのですが、確かにね。 「幻炎」は私、毎回大変なことになっていました(笑)頭の中に勝手にぶわーっと言葉が浮かんできてぐるぐるしてるんですよ。それが毎回豊かになっていって、どんどん補足が加わりました。私、「幻炎」と「ハムレット」は人の7.8倍くらい楽しんでいたという自負がございます。 あーでね、こうでね!と幕間に興奮してSさんに話して聞かせたら 「私はそのあなたの頭の中身が観たい」 と言われました(^^;; そんなものを見せたら友達をなくすからいやです。 手の動きの美しさとか、眼差しの鋭さとか、首を傾けた時の頬から首筋そして肩に流れ着くラインの美しさとか。 何よりも、言葉よりも雄弁に語りかけてくるダンスは、他では得がたい快楽です。身体の動線が何かを物語る人なんてそうはいないもんな。 光一ハムレットマニアとして語らなくてはなるまい、本日の「ハムレット」様はすばらしいできでした。 もう、12日あたりからはほとんど安心しながら観ているハムレット様ですが、台詞の抑揚や間を自在に操っておりました。タメがね、いい感じです。 決め台詞の多い芝居というのは、観客がぐっとくる間が多数存在していてその最大公約数をいかに的確に押さえられるかが勝負なのよ。 タメてタメてここ!というところでびしっと決めてもらえるとそれが快感につながるわけだ。 ハムレットはそういう台詞がいくつもあるのさ。 私が毎回大絶賛している「運命がおれを呼んでいるのだ!」・・・あまりのかっこよさに倒れそうになる。いつだったか、こらえきれず「かっこいい・・・」というため息まじりのつぶやきがすぐ後ろの席から聞こえてきたこともあったわ・・・・・・とか 「女とはそうしたものか」・・・・・これが、もう!11/3以来の最高の間としゃべりだった。なんちゅうか、あの瞬間に全ての「女」という生き物に対する嫌悪と絶望がありましたね。うう、こんな台詞を操れるようになったか、光ちゃん・・・・・・とか 劇中劇「ハムレット」のはざまにある「兄貴・・・・・・」と素に返った時の声音の違いとか。 すばらしくよかったです。 入ってるんですよね。毎回「ハムレット」は本人、ばりばり入り込んで演技してるなあ、というのが伝わってくるんですが今日はすごかった。 私は本当に本当に本当に光一ハムレット様を観るのがこれで最後なのが哀しくてなりません。 ミュージカルナンバーも、ふとした瞬間に零れるように笑みが浮かんでいるのを見るたびに、なんていい表情してるんだろう、と泣けちゃいました。柔らかな表情を見ながらしみじみとこんな表情をする場面に居合わせることができてよかったな、と感じました。 楽しそうです。 ステージでのびのびとダンスをしている姿はとっても楽しそうで、大好きだ。 「HELLO BROAD WAY」ではじめてリフト失敗してましたが、そこはご愛嬌。 ウエストサイドでの人台宙も、綺麗な弧を描いて跳んでました。ヒガシの背に手をついて空中移動するところも、初日は全然足があがってなかったのが格段に高い位置で移動するようになってます。ホント、ここだけ「うーん、汚いわ」と思ってたのにな。 すばらしい千秋楽であったと思います。 ヒガシも壊れっぷりが見事でした。今日は「チャールズ・チャップリン。プッチンプリンじゃないよ」と(^^;・・・・・・っていうか、誰だ?あんた。 翼も成長しました!例のNY再会場面でのアリナミンネタ。光ちゃんついうっかり 「銅像だって動いちゃう」と、またもや「石像」と「銅像」をいい間違えたら、翼に 「どうでもいいけどさ・・・・・・石像だよ」 と言い返され 「言い返すようになって・・・・・・成長したなあ、ツバサ!」 とやたら嬉しそうに言ってました(^^) 本当に、アドリブふられていちいち固まって動けなくなっていたのがウソのようだ。ブロードウェイメドレーでもちゃんと光ちゃんにちょっかい出すだけのゆとりが生まれてるし、今日は一緒にしゃかりきの「全抱き」ダンスやってシメてたし。 ついつい、読んだばかりのJUNONでの翼に対する言葉を思い出してしまったよ。 うーん、翼がかわいくてならん。基本的に弟体質なウチの光一さんだけに、こういう「下がいるポジション」というのを見ていると、なんだか不思議な気がします。 がんばったね、翼。私は頑張ることを知っている子はちゃんと応援するしかわいいと思うぞ。 ラストのゴスペルコーラスのところでは光ちゃん自身感極まっていたように思えます。ぐっとくる表情でした。ああいう表情は、まず私、お目にかかったことがないです。 うん、あるとしたらやっぱり「MASK」の千秋楽の時だろうか。 そこはそれ、光一さんですから、涙を流すようなことはいたしませんが。でもうるうるだったのは伝わってきたよ。 ラストの「Let's go to TOKYO」も、イントロで大階段のてっぺん中央から仕立てなおしてもらって綺麗に身体にフィットしたサテンの白燕尾服を着て、大層誇らしそうに、大きな仕事をやりとげた「男」の顔をして出てきた時にはお姉さん涙です。 世界で一番のいい顔をしてました。 いろいろ思いはあるわけですよ。 ああ、17日のあの時、この大階段を降りてくることができなかったんだよな、とか。 その後降りてくることはできても、本当なら降りて上がってまた降りてもう一度中段まで上がるっていうのに戻るまで少しかかったんだよな、とか。 だけど今は本当に誇らしげな顔をして、嬉しそうに、楽しそうに歌って踊っている。 そりゃあなた、ぐっとこない方がおかしいってもんです。だって私は光ちゃんのファンだもん。 「これが、僕たちの『SHOCK』です」 光ちゃんが作り上げたのがMASKなら、これは4人で作ったミュージカルなんだな、という思いがとても強い。 主役は本当に、前回の「MASK」以上に大変だったと思うけどね。 今日はゲストの方は見えられませんでした。4人で作ったものだから、最後は4人だけでシメる。 非常に相応しい幕の下ろし方であったと思います。 光ちゃんが噛み締めるように 「終わるのが寂しい。この最後のあいさつの時がこなければいいってずっと思ってた」 と言うのがとても印象的で。 私も観ながら「この場面も今日で見納め」「ここも見納め」と思っていただけに、その気持がよくわかりました。 最後のカーテンコール。 ステージにはただ4人がおりました。全員で手をつなぎ上にあげて観客に応える。 お客さんは、自然に全員が立ち上がり拍手を送る。あんなに自然なスタンディングオベーションは珍しいです、実際。 本当に本当に、いい表情をしていました。 いい仕事を、20世紀の最後にできてよかったね。またいつか、4人で舞台に立ってください。いいカンパニーでした。 拍手。 そしてまた拍手。 すばらしい千秋楽でした。 楽しい日々をありがとう。なんてきらきらした11月だったことでしょう。 光ちゃんのファンになって、本当によかったなと心から思います。 お疲れ様。 拍手。そしてまた拍手。 |