痛いファンだとお思いでしょうが。
なんというか、いろんな意味ですごい初日でした。
光ちゃんは、自分で最後のご挨拶の時に今日の通し稽古の最中に足首を捻挫したと告白し、ために100%で幕を開けられなかったことを「悔しい」と言いました。
「ステージでこんなに泣けたのははじめてだ」と言いながら涙を拭き、涙声で私たちに謝り
「いつか、100%でお見せできる日にもう一度観に来てください」
と言っていました。
一幕はともかく、二幕の途中からはどんな人が見てもわかる位にはっきり足をひきずっておりました。
そりゃあ悔しかろう。まあ、言ってみれば座長本人のミスで満足のいく出来にすることが叶わなかったんだから。
誰も悪くなくて全部自分の責任だと思ってしまっても仕方ないと思います。
実際その通りなのかもしれない。
ですが、こんなに感動したのはちょっと久々かもしれません。
光ちゃんが初日を観に来たお客さん全員に対して
「この舞台をやるようになってから今日が一番温かい拍手だと思いました」
と言う通り、観客は舞台においては「拍手」こそが最善の応援方法であることを覚えてきたのかもしれないな、と思いましたです。
「Press Conference」(2幕・・初日の楽屋裏)の時や「BroadWay
Medoley」や「One」で、自然にわき起こる手拍子、曲の後の拍手、拍手、拍手。
今日は本当にこれまで観てきた光ちゃんの帝劇舞台の中でも際だってそういう拍手の多い日でした。みんな明らかに光ちゃんの足がおかしいのがわかっていて、精一杯の応援方法として拍手という手段を選んでいたみたいです。
そのことに、感動しました。
会場から割れんばかりの「声」が響いたのは、光ちゃんのケガの告白の時だけでした。
「硝子の少年」で出演者が全員ステージに上がり、歌が終わっての三方礼になった時にスタンディングオーベーションは当たり前に起きました。
みんな「この舞台は立ち上がって賞賛をするべきだ」と思って立ち上がった、それはスタオベだったと思います。
そして、幕が降りても拍手は鳴り止まず、多分予定になかった二度目のカーテンコール。
舞台の中央に光ちゃん、後ろに出演したJr.の皆さん。
なんだか照れたような言葉にし難い光ちゃんの表情をして観客のアンコールに応えてお辞儀をする姿がとても印象的でした。そして、後ろに並んでいたJr.の皆さんから誰ともなく起きた光ちゃんに対しての拍手。
びっくりしたようにJr.の方に振り返る光ちゃん。とても驚いたような、でもとても嬉しそうな顔を忘れることはできません。
多分、光ちゃんの中には「後輩」という存在に対する苦手意識がずっとあったはずで、多分今も持っているのではないかな、と思います。
その苦手意識があの拍手で少しは解消できたのかな?と思ってしまうような、それは拍手でした。
今日明日からいきなりその意識が変わることはないかもしれないけれども、多分光ちゃんの心の中でとてもエポックメイキングな出来事だったのではないかな?
光ちゃんのケガの具合が心配でないわけではもちろんありません。
動揺というのは後からくるものなのだな、と今日改めてしみじみと思ったわけで、帝劇にいる間はなんか冷静だったのに実はものすごく動揺した挙げ句逆ギレしてることにしばらくたってから気付きました。
なんだか、自分はこんなに光ちゃんすきだったのか、とちょっと驚いたくらいです。
手が震えてるとか、電車の駅乗り過ごしちゃうとか。友達と携帯でメールをむきになってやりとりしてる自分はきっと何かで気を紛らわせたくて仕方なかったらしい。
でもなあ。
なんか、彼なら平気かな?という妙な信頼を同時に私は光ちゃんに対してもっていたりするわけですよ。
捻挫してから数時間の多分一番痛い時間にあれだけのハードなステージをやってのけちゃうんだから。今日の悔しさを経て、また一歩先に進んだような、そんな気がいたしました。
心配だけど心配していない、という今はそんな奇妙な状態です。
お腹の中は動揺が渦巻いているけど、でも大丈夫な気がする。そんな感じ。
で。
肝心要の舞台ですが。
正直、開演前までは「内容に関する期待はあんまりするまい」と思っていました。
始まって、驚きました。
前回の「SHOCK」よりも数段いい、と思います。
まずはストーリー。
大変更は
コウイチが嫌がるツバサを無理矢理ツーリングに誘い大怪我を負わせてしまう
この点でしょう。
この設定のために、コウイチが周囲のみんなと「舞台の続行」を主張することで溝ができる理由がよりくっきりしてくる。
コウイチは「ツバサが戻ってきた時のために絶対に舞台は続けなくてはいけない」と主張し、実行する。周囲はそれを観て心の中にわだかまりを持ちながらもついていく、という構図がちゃんとできあがる。
これは大正解だったと思います。
しかもステージ上で本当にツバサを後ろに乗せて光ちゃんバイクに乗ってくれたし。
よかったのはなんと言っても一幕。
本当に、素晴らしかったです。前回やった内容を大幅にカットしてスピーディーで無駄の一切ない内容の濃い舞台を仕上げていると思いました。
今回は「ハムレット」も「忠臣蔵」「新撰組」いずれもありません。
コウイチがツバサの帰還を待ちながら続けるステージは、そう「千年」なんですよ!!!
「千年経」〜「Tell Me Why?」〜「龍神」〜「弁慶」〜「カルミナブラーナ」は、圧巻のひとことです。
特に、特に「弁慶」〜「カルミナブラーナ」が!!!!
恐らく2階席後方列あたりと目線が同じ、というくらいに高い急な階段セットが組まれていてそこを、敵に追われるやたらと派手な弁慶が敵を切り結びながら駆け上がる。無敵の僧兵もだが敵の弾幕を浴び、断末魔の中それでも主君義経を狙う敵を切り捨てながら階段を昇りかけ途中で息絶える。
死した弁慶を捧げるように持ち上げた人々は階段の頂上まで上がり、天上で弁慶はまた大長刀をふるう。
という感じの内容(だと思う)ですが、光ちゃんかっこいいんだ、これが。
正直「その階段昇るのやめて」と思う程の高い急な階段ですが、セットを生かした立ち回りは素晴らしかったです。
倒れそう。
そりゃあなた、N.Yのエージェントも絶賛するわな、というくらい。
でもって、設定の大変更により「白鯨」の役所が
エイハブ船長・・・光ちゃん
イシュメル・・・翼
へと変更になっておりました。
ツバサに対する良心の呵責が、コウイチの中で「白鯨」のエイハブと重なっているのね、というシーンでした。前回は翼が「動かない自分の足、過酷な運命」=白鯨にみたてて芝居が展開してましたが、今回はショーは続けなければならない、だがツバサに対する良心の呵責が「続けることの是非」について葛藤させる、という解釈でいいのかしら?
船の舳先の位置が高い!
ここで感心したのは光ちゃんの発声のよさですね。正直、この前の「SHOCK」の千秋楽あたりの時より遙かに進歩しております。
歌もえらい進歩です。
まさかこんなによくなっているとは思いもよらず、何度目になるかわからないけれども「みくびっててごめん」と思ったですよ。
確かに台詞を噛む部分はあるんですが、その噛み方がなんというか「技術としてできなくて噛む」というのではなくて「できるけどたまたま噛んじゃった」な噛み方なんですよね。言い方おかしいかしら?
とにかく昨年あたりの光ちゃんのそれとは種類が違うのは確かです。
一幕はものすごくよくなっていて、私大興奮だったんですが二幕はオープニング以外はほぼ全面的に前回を踏襲しておりました。
二幕は黒髪のコウイチの兄がN.Y.にやってきて初日を終えあまりの劇評に絶望して命を絶つところからはじまります。
今回「兄」は黒髪、「コウイチ」は金髪という、眼で観てわかるように違いを出しております。正しい。眼は光ちゃんを同一人物として追っているのだから、視覚で「この人とこの人は別人」とわからせる必要は舞台には絶対にありますから。
まあストーリー部分に対する最大の文句は
前回とオチが変わってない
ことでしょうか。
「悪魔の子」だったことにショックを受け走り去ったリョウを追おうとしたサキホに「リョウは兄貴の子だよ」とコウイチが慰めるのはいいんですが。
なんでその理由が
例えばジュンがライオンとやっちゃったって人間の子は産まれないだろ?
になるのよーーーーーーー!!!!!!
しかもそれに対してツバサが「こんなにさっぱりした気分は久しぶりだよ」と声をかけてコウイチと三人して「はっはっは」で終わる。
あんまりだ。これはいくらなんでもあんまりだ。
会場からも失笑しかおきてませんでしたよ。当たり前だってば。
そりゃあ最後にリョウの眼が赤くぴかーっと光らなかっただけマシかもしれませんが。他がいい感じで改善されてただけに惜しいことこの上ない。
何が何でもリョウはタクさんの子じゃないとだめなのか?亡くなった兄ちゃんの子供だっていいじゃないか。なんでだめなのよ?
身もだえしちゃいましたよ。
ああもう、それさえなければジャニーズ舞台だからなんてワクとっぱらっていいだろう、という程いい内容になってたと思うのに。
ダンス部分は変更の嵐でした。
まるまる違うのもあれば「A列車で行こう」みたいに、曲は同じでも振り付けが違ったり。ほぼ一緒なのは「Hello,Broadway」〜公園のベンチに座ってるところからはじまる光ちゃん中心ナンバー〜Jr.のタップナンバー〜ウエストサイド〜光ちゃんソロ。それから「Motown
Medoley」〜光ちゃん・樹里さん・翼によるステッキダンスナンバーぐらいじゃないだろうか。ちなみにリョウのタキシードナンバーは「Millenium
SHOCK」の時と同じ感じになってました。
確かにこれだけ違えば再演とは思えない。話の筋が同じだし、同じ曲や場面も多数使ってるから再演といえば再演だけど。
ショータイムは一度完全に幕が降りてそれぞれのキャスト紹介の後に「カナシミブルー」から翼ソロ、KAT-TUNナンバー〜やはり台宙なしだった「アンダルシアに憧れて」の後に、ギネス記録記念KinKiメドレー 司会:秋山純でした。
まあここで突然ぶっつり流れが断ち切られてしまってるので、いかがなものだろうか、と思わないでもなかったですが。「ボク羽根」では天女の代わりにリングに掴まり空中でぐるぐるしてました。恐いし、それ。
メドレー曲順
「情熱」
「ボクの背中には羽根がある」
「夏の王様」(with 翼)
「ジェットコースターロマンス」(翼)
「やめないでPURE」(Jr.)
「愛されるより愛したい」
「雨のMelody」
「愛のかたまり〜スローバージョン」
MC
「硝子の少年」
舞台見終わって、オチはまあともかく「面白かったー」と素直に言える舞台でした。
やっぱりなあ。いい人見つけましたよ、我々は。
そうそう、これを言わなくちゃはじまりませんね。
光ちゃん、初日おめでとう。 |