◆6月28日(金)
なごやかな、なごやかな。本当になごやかで湿っぽさのかけらもない、そんな千秋楽でした。
外は六月、梅雨の空。昨日までの雨はあがっていたもののやっぱりちょっと湿気てる感じ。ですが、帝劇の中はなんとなくおだやかーな、ほんわりとした空気に満ちておりました。
まあ、前日の報道でどうやら来年の1〜2月にまたのSHOCKがあると知っているから、なのでしょうし。
光ちゃんが期間中何度も何度も何度も「えーい、わかった!みなまで言うな!そんなに言うな!」と押しとどめたくなるほどに「再演」がどうだこうだとごあいさつで口にしていたので先の報道も「まあ、そうよねえ。あれだけ言ってたんだからそりゃやるわよねえ」という感じで、誰もが正式報道はなくてもずーっと前から。ひょっとしたら初日から「6/28は千秋楽だけどまた次がある」と思っていたからだろうし。
・・・基本的にこういうことに関してうそのつけない体質だからな、光ちゃん。ある意味サトラレ。

だけど、今日はやっぱり区切りの日なわけで。
みんな気合いが入ってるんだよなあ。会う人会う人みんな表情がちょっと違う。
それは座長にも同じことが言えました。
本人いつでも全力投球の人ではあるけれども、いつもよりもゆっくりと噛みしめるように、惜しむように口にのせるオープニングの口上。
わざわざ言葉にしなくても、光ちゃん自身が舞台を終えることをとても切なく感じているのね、とわかるような速度でした。
出来は技術点では文句なく最高!・・・というわけではなかったんですが、それさっぴいてもいい出来でしたよ。
毎回違う意味で手に汗握る「ジャパネスク」の仮面を操るシーンも、前日は「どうしたもんだか」という程ポカが多かったのに対し、無難にできておりましたし。仮面ひっくり返らなかったし。
アドリブシーンは、舞台を惜しむからなのか、座長曰く「全員が空回り」しておりました。
少しでも長く、ちょっとでも多く舞台の上に立っていたい、という感じ。微笑ましくて笑ってしまいましたよ。
N.Yの楽屋にツバサがやってくるシーンでは、ついに落ちたらしい(笑)ハセジュンが、座長からの
「顔が悪い」
のまぜっかえしにひとしきり悪態ついた後もなお、じっとにこにこ見つめてくる光ちゃんに
「そんなに見つめんなよ」
とときめいて(BY あっきー)いるし、そもそも初日の楽屋のシーンで
「みんなでコウイチをもっと輝かせてやろう」
とかなんとかアドリブいれてるし。
ハセジュンはなんせ「ロマンティックタイム」アドリブ以来、長谷川大明神として私は讃え奉ってるくらいなので(笑)いやあ、いい仕事してくれてます。
本日のNY楽屋での犠牲者は3人(除くツバサ)光ちゃん、ついに来た樹里さん、あっきーでした。
えーと、つまり21日の金曜日夜公演以来(だと思う)翼が、脳みそ治った証拠を見せるアドリブを散々光ちゃんたちにけなされると
「じゃあ、見本見せてよ!」
とやるようになったんですね。生か死か、その時の舞台の空気で座長にまわったりあっきーにまわったりハセジュンだったり。あるいは寸止めでかわして何事もなく次のシーンにうつったり。
まあ、主導権握ってるのは大概において光ちゃんなので、アドリブがまわる可能性と言えば、その時舞台に立っている中では、あっきー、ハセジュン、樹里さん、ツバサ二回回し、くらいしか可能性ないんですけどね。
今日は樹里さんが
「恐怖のみそ汁」
をやってのけ、全員を凍土に招き。
光ちゃんが
「教えな〜い!」のそれKinなつかしキャラを披露して誰にも理解してもらえず、
あっきーが
「ソラ耳アワー・情熱」をぶちかまして会場をしんとさせておりました。
三連発。楽しかった〜。でも空回り。座長のおっしゃる通りでございます。
ちょっとでも長引かせたいのかしら?と思わず考えてしまいましたわ。

今回の「SHOCK」ツボのひとつは「白鯨」の船長。
せんちょおおおおおおーーーーーっ!
何がすきかと言ったらやっぱりコートを脱いでコウイチから船長に変わる瞬間。これが最初の頃のイチオシでしたが、ここんところ演技がすっかり入ってきている光ちゃんはもうひとつ。
「船員達は怯えている。船を降りたいと思っているヤツもいるらしい」
の後の間ですよ、間!
くく・・・くくくくっ
と、自嘲の笑みをこぼすんですよ、お客さん!つーぼーーーーーーーーーーー!!!!
27日はちょっと笑いすぎてましたが、今日はOKです、船長!
この時ばかりは例え結構な良席であっても双眼鏡釘付け。
船長、ツボですーーーーーーーーーーーーー!!!
これも今日で見納め、うううう。
そう思っていたら6月SHOCKの間、光一ファンであることをすっかり思い出した私にその存在をすっかり無視されていたグレ子さんが最後の意地、とばかりのロングダイブを客席にかましておりました。
客席前方に座ったみなさん、思わず頭上に舞うグレ子をトス。
ボランティアの皆さんの決死の行動により、無事海に帰っていくグレ子。ああ、グレ子。さよなら、グレ子。今日はちょっと飛びすぎよ。
あまりにも面白すぎる光景でした。

もひとつ。
今回のSHOCKでは実に危なげなくこなしていた二幕ツバサの帰還の後のステッキダンス。最後の最後になって光ちゃん、ステッキ落としました。
どよめく客席。その時彼は、ステッキを拾って、なぜかおじいちゃんダンスをかましてくれたのでした。
もうこの辺りまでくるとフォローも余裕しゃくしゃく、といっていいのか、あれだけ回数踊っててまだ落とすか、と言うべきか。まあ無礼講だしフォローは完璧だったからいいか、と思う私は光一ファン。

MCは相変わらず「台本なんてないんだろうなあ」と思わせる、彼自身の言葉で来場してくれたファンの皆様への感謝とスタッフへの感謝とを。
舞台が終わってしまうのが寂しくて、全員アドリブシーンで空回りしてしまったと謝ったりとか。
特に来年の舞台についてのコメントはありませんでした。
ただ今日を楽しみ、この舞台を終えよう。ということでしょうか。
とても名残惜しそうに最後の曲へ。
「硝子の少年」のラスト、にっこり嬉しそうに光ちゃんは緞帳の向こう側に消えました。
いやしかし。さすが千秋楽。
お客さんは拍手を続けます。鳴り止まない拍手。
二度目のカーテンコール。もう一度キャストみんなで。
降りる緞帳。まだ拍手は鳴り止まない。
退場を促すアナウンスの声は何度も流れ、それでも立ち去らないお客さん。何度も何度も。
「最後だから、座長ひとりで出てきてあいさつしてくれてもいいのにね」
と一緒に観ていたAさんと話していたら、願い叶って今度はひとりで出てきた光ちゃん。
拍手。拍手。波のように拍手。
再び退場を促すアナウンスが何度も。でもまだ帰らない。手が痛くなっても拍手。
と。
するりとあがった緞帳の向こうに、もう衣装を解きかけていたらしい光ちゃんたち。キャスト全員が立っておりました。
タオルを首からかけた光ちゃんは満面の笑顔で手を振りながら
「お疲れ様!」
「ありがとう!」
とマイクなしで会場に呼びかけ、最後はもちろん座長のキメ台詞。
「千秋楽に、かんぱーい!」
最後の乾杯はもちろんキャストの皆さんでご唱和。私も思わず拳が上がってました(笑)
みなさん、あれが「生」千秋楽に乾杯!です(笑)
まだ耳に残る最後の御発声。
楽しくてなごやかで明るくからりとした、そんな千秋楽に相応しい、それはずっと前から用意されていた台詞だったのね。

千秋楽おめでとう。
とりあえず私は神社にお礼参りと次の舞台の無事を祈願してくることにします。
次は舞台の間ずっと元気でいてね。

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