感想
1話完結の強盗団編。
私は氷室がこの回感情の移り変わりの描写が細やかだっただけに、ストーリーがどうにも腑に落ちなくてちょっとうむむです。
リモートは設定そのものが「ありえない」話なわけですが、だからこそどうでもいいような小さいところは落とすと話がちゃちになるからやめて欲しいんですよね。
仮にも謎解きやってるんだから、基本は押さえようよ。
・くるみの前任金庫破り担当は、捕まったのか?自首したのか?どちらでもないとしたら、なぜ彼が潜伏先のホテルに残した遺留品から謎の強盗団が割れるのか?
・盗んだお金をなぜ使っていないのか?
・つーか、盗んだ金を預ける前になんで確認しないのか?
強盗団方面の設定がさっぱりわからなかったです。
さらに、夜泥棒に入るのと昼間人がいる時に強盗に入るのとじゃ、全然気持ちって違うと思うんですよねえ。その辺り葛藤とかないのか?とか。
普通、お金が欲しいから泥棒なり強盗なりをするわけで、その割に盗んだお金使ってないし。なんで黒幕に預けてプールする必要があるのかがわからない。
つーか、ルパン元から仲間のこと知ってたんじゃん?ひとりの人間の交際範囲の中でそう都合よく全く接点のない、なおかつ借金に苦しむ人間をかき集められるものか?でも、お互いのこと知らないって言ってるし。
話の大前提が謎だらけなんで入り込めなかったです。
キンモクセイのエピソードは悪くないんですが、今現在の季節とマッチングしてないんで、台詞なり情景描写なりでさりげなくドラマにおける現在が「キンモクセイの咲いている季節」だってことを知らせてくれないと最後の
「窓を開けて」
が宙に浮いちゃうんだよなあ。
なんてことを思う余地があったというのが一番問題かな。
たーだーし。
氷室は別。氷室の心情の細かい描写はよかったです。
くるみとの仲違いのシーンなんて、氷室の隠された過去の一端を見る思いがしましたよ。何があったんだ、氷室!
そこまで強く人間らしい気持ちを否定するその理由は???何か強い理由がなければああはならないわよね。ああ、謎が深まるわあ。興味はつきず。
くるみが絶体絶命のピンチに陥った時に、あの太田黒に「頼む」という氷室もだ!
言葉少ない表情の中で逡巡する氷室。己の無力さを痛感するやるせない表情にウェイブでございます。
人間らしい感情を言葉で否定するのに、本当はちゃんと人間。前半と後半の氷室の言動の矛盾がそのまま氷室光三郎が抱えている内面の矛盾そのものなんですね。
怒鳴る氷室。氷室が怒鳴るのってくるみが危機に陥った時だけなんですよねえ。うっふん。
普段の無表情が激するのって素敵。 |