2002/12/7(sut) 21:00〜 from NTV


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あらすじ

様子を心配してやってきた直美を氷室はむげに追い返す。伸吾に言われて辞表を持って訪れたくるみは、直美に出くわしそのままふたりで食事に行くことになった。直美に氷室の引きこもりのことを話し、逆に氷室の恋人だったという直美の姉をことを尋ねるくるみだったが、直美は「自分に姉などいない」と笑うのだった。
その帰り、直美がスネイルと名乗る謎の人物に誘拐される。
直美は実は一年前、氷室の恋人由香と間違われて同じスネイルという人物に誘拐された過去があった。そしてその事件こそ氷室が愛する恋人を失い引きこもりとなった原因となった事件だったのである。
犯人の指示は、一年前とまるで同じ。くるみは氷室の代理として身代金と直美の交換に向かう。まるで弄ばれているとしか思えない一年前とまるで同じスネイルの指示に翻弄され、いつもと違って冷静さをなかなか取り戻せない氷室。結局交渉は失敗に終わる。
氷室は激しく動揺する。
心配したくるみは華江に当時の詳しい様子を尋ねる。
口の重かった華江が語った一年前の誘拐事件、だが、それにもまだ裏の真相が隠されていた。
あまりのことに言葉もないくるみは、伸吾にこの事件が終わるまでは警察を辞めない、と告げる。
伸吾の許しを貰い氷室の元を尋ね慰めるくるみに対し、氷室は吐き捨てるように語り出す。
氷室はエリートゆえのおごりから単独でスネイルの潜伏先に乗り込み、誤って恋人の由香を撃ち殺してしまったのは他ならぬ氷室本人だったのである。
氷室の告白にくるみは言葉もなく立ちつくす。
その時、氷室邸にスネイルから小箱と新たなる挑戦文の書かれたメッセージが届く。
小箱の中には直美のものと思しき切断された指が入っていた。
いたたまれずにベッドの脇で座り込む氷室。
落ち込み深く傷つく氷室をくるみは優しく抱きしめ「あなたのせいじゃない」と赦しの言葉を与えるのだった。
明日の決戦を前に、ふたりは深い眠りにつく。

 

感想

ああ、なんで来週はもう最終回なんだよ、リモート!!!
今週は名作と私が認定しております、第三話に決して勝るとも劣らぬ素晴らしい出来でした。
なんだよ、面白いじゃないかよ、えい!
やはり、氷室。氷室事件がクローズアップされたら予想通り面白かったです。

(↓この先来週の展開予想。間違っててもあっててもあれなので反転ぷりーず↓)

スネイルの正体は直美とみましたが、どうでしょう。
直美なら全ての犯行が可能だと思うのですが。
スネイル=かたつむり は、環境によって一個体がオスになったりメスになったり変化する生物なので、直美自身の心が何かの要因によって男になったり女になったりするのかな?という気がします。あるいは別人格か。
(※ちなみにこのかたつむりの知識は「お前はケダモノだ、ヴィスコヴィッツ」(アレッサンドロ・ボッファ/中山悦子・河出書房新社)という本を読んでの聞きかじりでございます。間違ってたらすみません)
氷室を愛していた直美は、幼なじみの自分ではなく姉を選んだことに対して氷室を、普段の直美とは違う心で憎んでいた。
そして氷室の心をただ傷つけ苦しめるために、一年前の狂言誘拐及び姉の誘拐・殺害を決行した、と。
そして爆弾事件でくるみと出会い、再び氷室の心を動かしそうな女性の出現に、再び現れた、と。
スネイルは普段は眠っている直美のもうひとつの人格なのかなあ、と思います。
多分、由香を殺したのは氷室ではなくスネイルなのでしょう。なーんかトリックあると思うんだよなあ、あの現場での発砲について。

(↑ここまで。間違ってたらあざ笑いましょう ↑)

ところで、あのラストシーン。
ものすごく納得してしまったんですが、要するにくるみというのは氷室にとって「聖母」なのですね。
自分のことを許し癒してくれる聖母。
これはどうあっても、このふたりがくっつくわけがないや。これでくっついたらサギだわ。
最後のベッド前から横たわるふたりへのくだりを観ていて、ひとつも嫌らしさとか性愛に通じるものが見受けられなかったことに驚嘆いたしました。
氷室には、言葉でなく心の奥底で「許されたと思える」ことが必要だったのね。
他人がどんなに言葉にしてくれても、それでも自分を責め続けているのだなあ、と思ったです。
外に出て、また自分のやることが悲劇を生んだらどうしよう、事件の現場に立ち会っても冷静でいられないだろう自分、それでも犯罪を憎む心は残っているからこその引きこもり警視ってことかな。
なんて不器用な人でしょう。
過去編を観ていると、氷室は自分が切れる人間であることを知っていてエリート故のおごりが少なからずあったのだと思います。
しかし、結果としてそのおごりが恋人を殺すことになった。
ハングリーマンの時くるみへ当たり散らしたのは、その辺りのトラウマを刺激されたが故か?
どこまで原作者の方がお考えかわかりませんが、そういった想像の幅が大きいのはとても楽しい。
いいラストを期待してます。そして、SP熱烈希望。

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