指南書之一〜四
指南書之五〜八
銀幕版スシ王子!
指南の五 勝浦編 倒せ!真空千手握り
2007年08月25日
***あらすじ***
巻きのジンベエに弟子入りするため勝浦を目指す司は、途中で後を追ってきた河太郎に出会う。次の目的地が勝浦だと知って必死に司を止めようとする河太郎。
不審に思いながらも勝浦を目指せば、近くまできたところで房総半島のヤクザ達と遭遇し危機に陥ることに。ところが、ヤクザ達は河太郎の姿を見て全員がひれ伏すのだった。
河太郎は、本名を河原太郎と言う、勝浦のヤクザの一人息子だったのだ。父親に反発してスシ職人になるまで家の敷居はまたがないと誓っていた河太郎は、後を継がせようとする父親と自分の将来をかけた勝負をすることに。
フグ免許を持っていない河太郎に、父親は南房総ヤクザの懇親会で食べる縁起物のクロシオオナガフグの調理を命ずる。
一方司は、河太郎の幼なじみユリの努める保育園で偶然巻きのジンベエと遭遇するのだが、ウオノメ症候群を抱える司の弟子入りはすげなく断られてしまう。一人修行に励む司は、指南書の中に
手の平で真空を作れ
との謎の一文を見つけその修行に没頭し、その境地を知る。
夜通しフグの勉強を続けていた河太郎はついうとうととしてしまった朝、部屋の水槽にいたはずのクロシオオナガフグが何者かに盗まれていることに気がついた。
巻きのジンベエの助言で、フグが盗まれたのは河太郎の父の面子を潰そうと企む対抗勢力の差し金に違いないと気付いた司は河太郎にはフグの勉強に専念しろ、と言ってジンベエと共に敵の本拠地に乗り込む。
そこには、一柳からの刺客・鱗林が待ち構えていた。
勝浦名物カツオ対決は、真空千手握りを擁する鱗林の先攻。だが、カツオの声を聴き、その鮮度を見切った司が修行で身につけた掌で作る真空により完成された司の無重力握りがそれを上回った。
無事、会場にフグを届けた司は河太郎がフグをさばく姿を見守る。それは父が息子の本気を測るために仕掛けた試しだった。
親子の和解を見届けた司はようやく巻きのジンベエに弟子入りを認めてもらうことができた。
巻きのジンベエには一柳にかつて弟子がいたという。その弟子とは司の双子の兄弟・スシウルフと呼ばれた男だった。
***感想***
前後編の割には一話完結のごとく綺麗にまとまった回だったなあと思います。
今回は司が兄貴として弟分をバックアップするというお話。
なんだかんだいって、いい兄貴っぷりでした。
「親子水膨れ」がまともに脇腹にきました。脇腹に。
あと、ユリと出会ってからのやりとりが。河太郎とユリが語り合ってる側でずーっと前かがんでる司とか。
双子だらけとか。
マダイくんにコハダちゃんにマッキー再びとか(たまらないすごくたまらない)マッキーかぶって咆吼とか。
修行歌の合いの手に手でぷっぷ、とか。
冒頭の河太郎の不自然な台詞や異常に勝浦ヤクザ事情に詳しいくだりはちゃんと、勝浦に行きたくないがためのものだったりとか。親子のシンクロ率の高さとか(笑)お母さんがいい味出し過ぎとか。
ラーメンの小池さんとか。
ジンベエが時にはキャッと空中三回転的なニャンコ先生だったり、子泣きじじいだったり。
真空千手握りの鱗林が案外雑魚だったのでちょっと笑いました。
もっと強いかと思ったよ、第三の刺客。
千手握りは今までで一番派手な技ですね。すごすぎて笑える。スシ王子の刺客達はこれっくらいの大げさなのでちょうどいいと思うのですがどうでしょうか?今回のすごい面白かった。
司の手の平に銀河が見える。
ゲームセンター嵐……って、一体いくつだ?>ユリ
私は笑ったけど!
むしろ、司大丈夫???とか思っていたよ。今週は負ける番だとばかり(笑)
ウオノメの乱闘シーン。最後の空中決闘、空中姿勢がたいそう綺麗でした。そして発症の時のイリオモテヤマネコ襟首掴まれる!の図がものっすごいツボった。
双子の兄弟は成宮くんですか。美形な双子だ。
それにしても、双子だったらヒロシも船造の息子だろうに、一体何が違うというのだ、どっちも根絶やしにしたい血なんじゃないのか?
それも来週わかるのか???
それにしてもこのばかばかしい緩さが和む。
途中何度かカメラがぐらぐらしていたのは来週への伏線でしょうか。綺麗に一話完結してるけど、スシ職人嫌いの子どもとかジンベエの修行とか積み残しがあるんだよなあ。
勝浦編も面白いです!
指南の六 立ち上がれ!勝浦の心!
2007年09月01日
***あらすじ***
巻きのジンベエの修行が始まった。修行の中で司は、同じくスシの才能に恵まれた双子の弟・洋が、母に食べてもらいたいがゆえに哀しいスシを握っていると聞かされる。
だがその一方で、美食評論家に酷評されたことで立ち行かなくなってしまったスシ屋の息子・匠のかたくなな態度が気になって仕方ない司だった。
「スシ屋なんか大嫌いだ」という匠は父のスシが大好きだったとジンベエに聞かされ、実際に磯貝寿司の見事な貝の合わせ握りを食して感動を覚えた司は匠を立ち直らせるためにスシで勝負を挑め、と奨める。
司に特訓を受けた匠は、いじめっこの同級生達に見事な握りを振る舞って、感心されるのだった。匠は心の傷を克服した。その様子を見ていた父は何かに感じ入る。
いじめっこと仲直りした匠。だがそこに前回倒した※※組が一柳の刺客・巻周五郎を伴って乱入してくる。幾度目かの勝負を申し込まれた司は受けて立つことにする。
司は勝利の鍵になるかもしれないと、匠の父に貝の目利きの極意を指南してもらいに行く。自分で「味を盗め」と言われた司は一晩かけた貝の目利き修行に挑む。
翌日。
巻周五郎との三本勝負。
早巻き対決は司の勝利。だが、絵心が哀しい程に欠落している司は二本目の太巻き図柄対決で完敗してしまう。
いよいよ最終決戦。おまかせ軍艦巻対決。
巻はうに・いくら・白子を使ったスペイン無敵艦隊軍艦巻。
対する司は前夜匠の父と特訓をした貝の目利きを最大限に生かした10種類の貝の合わせ握り・勝浦巻。
さらに、勝浦巻の中には「匠」の文字が隠されているおまけつき。
最後まで巻の心を忘れなかった司は、見事勝利を収めた。
だが、その勝利を快く思わない巻は※※組とともに司に襲いかかる。もちろん、ウオノメ症候群がバクハツした司の敵ではなかった。
磯貝寿司には活気が戻ってきた。司はその様子を見届け、いよいよ母・サヨリのいる東京へと向かうのだった。
待っているのは血を分けた弟・洋との対決だ。
***感想***
勝浦編後編。
あの畳回しは巻きのジンベエによる「巻きの極意はものの中心を知ることに通じる」という教えによるものだったのか!(笑)
この前のヅケ修行も大概だったけど、今回の巻き修行もなかなかなものでした。
ちょろちょろカメラにフレームインしてくる度になんか回してた。
そしてかんぴょうなわとび……海苔で炎を切る修行。
このくだらなさがステキ。
司の巻いた巻きものの図柄がツボすぎてたまりません。なんだあの妙な生き物は!かろうじてほ乳類と思われるあれは、猫?熊?
司も絵はなんかかわいそうな人だったのか。これは美意識がどうとか言う問題じゃないよな。かわいそう。司がなんかかわいそう!!
スシの修行の前に絵の修行した方がよさそうなところがかわいそう!
どうどうと「犬!」って言ったのに全否定されてかわいそう!
そういえば、最初の宮古島の時も創作スシで負けたんだったよね。
ないか!絵心!ないのか!愚直な職人、絵心ないか!
絵は描けなくても字は書ける、っていうオチがなんか泣けたよ。だね、そうだね、絵はちょっと残念だったもんね(涙)
でもって、ちゃんと匠の名前なところが粋な心配りじゃないのさ。
それと巻き修行の一環の南京たますだれですが。
何はともあれジンベエのまぐろに「捕獲」ってやったのがど直球でした。思わずぷっと吹きだした。
あと「くるりんぱ」がやけにツボ。対決の時もちゃんと「くるりんぱ」なのがツボ。
しかし、毎回スシ対決シーンを見るにつけ、光ちゃんのスシ王子前のスシ修行はなんか役に立ってるのか?とふと思う。
もちろん普通におスシ握るシーンもちゃんとあるのはわかってますけどもー(笑)
今回の刺客は、スパニッシュ(笑)
まきすも赤いのか!スペインで無敵艦隊だから軍艦巻なのか!ああ海に浮かんで進軍してるよ!
もうくだらないなあ!だがこのくだらないところがいい。
このくだらなさを私は愛する。
今回は、巻きに加えて貝の目利きが裏テーマ。
とはいえ、磯貝匠の父は、先週全く姿が見えなかったので若干唐突感はあったかもしれませんなあ。
スシネタ、どうしても食べられないのは魚卵なんですが、貝もちょっと苦手。だけどさすがにあわびとホタテのあわせ握りは美味しそうだったなあ。
軍艦の中に、10種にも及ぶ貝が隠れている貝づくし巻。なんかすごい。どんだけ薄く切ってるんだろうか、と思ったです。
ところで小出しのスシウルフですが。
二卵性双生児はいいけど、どっちにしたって船造の息子には違いないのになぜヒロシは跡継ぎなんだろうか、と思ってるのですけど。
なんかあるのかな?
司のことはスシの世界から抹殺してやるとか言ってるのになんでヒロシはいいのか。
びみょーにわかりませんが次回そして最終回で明かされるのかしら???
……やっぱあれか。血の繋がらない年の離れた双子……全部間違ってる……
最後の最後で、子泣きの人が「夢見るぞ」言ったのが最高でした。
あと、先週出てこなかった「おスシだーいすき!」もあったので満足。
磯貝スシのお店にあった「山下慎司」サイン色紙もよかったわ。
さて来週からはいよいよ東京編。さーみしーぞー!!!でもたーのしみだぞー!!
指南の七 東京編 越えろ!瞬間抜刀
2007年09月08日
***あらすじ***
東京にやってきた司は、ついに指南書の全ての項目を達成する。
宮古島から海月とウミも訪れ、いよいよ一柳に乗り込む日がやってきた。
修行の成果は司の上に如実に現れており、海月に案内されてやってきた鮫島の店で再び早握り対決を行っても司は余裕の勝利を得る。
だが、肝心の自然流秘技・気泡握は、なぜか思ったところに届かない。
悩みながら指南書をもう一度あたっていた司は、突如現れた暴漢に指南書を奪われてしまった。
司が指南書を持っていること、ウオノメ症候群という弱点を持っていることを知っていた暴漢は一柳の差し向けた者に違いない、と司と海月は一柳を目指す。
道に迷いまくった道中、司は父船造の思いを海月から聴くのだった。
一柳、今度の刺客は入り婿の鱒太郎。
瞬間抜刀により魚を生きたままの状態でさばける奥義を持っている強敵である。
三本勝負一本目は握り、ネタはシマエビ。鱒太郎の活き作りに対し司はあぶりスシで引き分けに。二本目の細工では美的センスが欠落しきった司の大敗北。
そして三本目は活き作り。ネタはカレイ。ウオノメ症候群を封じるために秘技・裏返しをサクレツ。カレイが死んだことに気付かない見事なさばきを見せ、勝利した。
一柳のDNAに破れたと肩を落とす鱒太郎。そして、いよいよ司の弟・洋が登場する。
「一柳で待つ」
との捨て台詞と共に魚を投げつける洋は、司への憎しみに燃えているようだった。
あわやウオノメ症候群覚醒かと思われた司は、海月のおかげで事なきを得る。そして、指南書最後の項目が「全てを目を閉じたままで行え」というものだと聞かされた。
そして同時に。
司の行動を逐一一柳に報告し、司から指南書を奪った犯人が、兄弟弟子のはずの河太郎だということを知る。
愕然とする司だが、河太郎は一柳四代目の元へと去っていってしまうのだった。
***感想***
急転直下の大波乱。
確かに今までのおばか路線とはちょっと違う。いや、おばか対決とか、どこまでも東京を彷徨う兄弟弟子二人とかあほあほなところは残しつつ。
それでもやっぱり、シリアス展開。
スシ王子!第七話は、これまでのストーリーでさりげなくばらまいていた伏線がざっくりと回収された感じで。
河太郎がいちいち消えていたのも、一柳の刺客が行く土地に必ず現れたのも河太郎が一柳のスパイだったせいなのかー!って、じゃあ、そもそも河太郎が宮古島へ行ったのも、海月の弟子になったのも司監視のためだったのか!
さすがに、散々「河太郎は実は」って記事で言い続けていたし、特に今週の予告とか見たら
「ああ、裏切り者なのか」
って一目瞭然でしたけども。
あんなのほほーんとして、なーんも考えてなさそうな子だったのに、河太郎!って感じですよね。
河太郎の裏切り発覚により、次回予告がウミになってたし。
河太郎の胸ぐらを掴んで叫び、地面に拳を叩き付けて嘆く司がかわいそうだったなあ。
司はなんだかんだ言って、もうすっかり河太郎を自分の「身内」だって認定しちゃっていて、それに裏切られたんだもんなあ。
そして、司、そういうの明らかに慣れてなさそうだ。
人生にそんなことがあるとは思ってなさそうだ。切ない。
それにしても、一柳の司追い落としの仕込みって遠回りすぎっ!
鮫島がすっかり味方キャラになっていたのがちょっと面白かったです。
袴田くんはいい味出してるなあ。なんだよ、N700系のぞみって(笑)新型?新型なのか!
でも、あのドイツ寿司って、あんまりおいしくなさそうだったなあ……鮫島さん、鮫島さん、なんかひとつ根本的に考え直した方がいいと思うよ、あなたのお店。
あと相変わらず絵心が崩壊している司(笑)
スシ対決で作ったの、ものっすごいキモいんだけど、妙にがじゅまるに見えるところが、どこかの堂本光(以下略)さんと共通する匂いを感じた!!
今回もスシ対決は大層ばかばかしくて大満足です。
確かに舟盛りのアジとかってまだぴくぴくしてるけど、正直シャリの上でびちびち跳ねるエビとかカレイはホラーの領域だと思うのですけどもどうですか?
怖いよ!絶対怖いって!
おまけに司のさばいたカレイは水槽に入れたら泳ぎ出すし。いいぞいいぞ、もっとやれ。
このばかばかしさ全開の対決を私は求めていたのよ!てか、前半は二回に一回しかやってくれなかったのが口惜しいです、正直。
「銀座は海に沈んだのか?」
に吹きだしたのは私。
司も海月もものすごい地理感覚してたけど、考えてみれば海月は別に一柳で修行したことがあったわけじゃなかったんですよね?確か。
世の中のスシ職人は全員一度は一柳に行かなくちゃだめなのか?的雰囲気の中で、よくぞ一柳を通らずに……とか思ってしまった。
司の自然流がウオノメなしの場合に強さにやたらばらつきがあるような気がする(いや、ウオノメありの時もそうか。てゆーか、かじきの刀があんなに突き刺さってたのは大丈夫だったのか?生命的に)のは気のせいでしょうか?強いんだか弱いんだかよくわかんないよ。
もう普通に気泡握(ノーコンだけど)打てるんだなあ、と思いました。なぜ、戦ってる時に出さないのかと。
あ、打っても当たらないからあんまり意味ないのか。
自然流指南書、最後の隠しコマンドは「全ての修行を目を瞑って行え」というものでした。
一からか!また一からやらないとだめなのか!
田植えも!かんぴょう縄跳びも!反復横飛びも、塩と大豆の天秤持ちも!畳回しも!!!!!
一瞬くらっとなりましたとさ。
てゆーか「食道楽」欲しいーーー!!!
って思ったのは私だけじゃないですよね?
指南の八 東京編 熾烈!兄弟対決!
2007年09月15日
***あらすじ***
河太郎の裏切りに傷つく司はひとり修行に没頭することで気を紛らわせていた。
目隠しをしたまま、指南書の項目をすべてこなすこと。それが最後の修行だ。司は必死にチャレンジする。
一方の河太郎はスパイ行為の対価として約束されていた一柳ののれん分け話が砂漠への出店というほぼだましに等しいものだったと知って愕然とする。
また、スシウルフの異名を持つ洋の神業とも呼べるスシの腕を目の当たりにして恐れを抱くのだった。
指南書の項目全てをやり遂げた司は、ウオノメ症候群克服の仕上げとして築地魚市場を訪れる。
だが、どうしても最後の最後でためらいを感じて目隠しを外せずにいた。
その時、ふいに脳裏に幼い頃の母の記憶がよみがえってくる。
記憶の中の司は一人ではなく、二人。双子の弟・洋がいた。
亡き父の面影に励まされ、ようやく目隠しを取った司が目にしたのは魚市場ではなく島の海に続く水のある場所だった。
海月は天然自然流の免許皆伝の目隠しを渡して、司に新しい業・心眼握りを伝授すると告げるのだった。
その足で一柳に向かった司は、母に「会いたい」と銀次郎に申し出る。
母親に会うための条件として銀次郎が提示したのは、司の二卵性双生児の弟であるスシウルフ・一柳洋との勝負に勝つことだった。
勝負のテーマは、特上五人前盛り込み。
決戦に向けて心眼握りの修行に励む司の元に、河太郎が現れる。
司をだましていた天罰が下ったと自分を嗤う河太郎は「一度でいいから勝負してくれ」と司に申し出る。河太郎の握りを食べた司は「砂漠から帰ったらもう一度勝負しよう」と河太郎を許すのだった。
そんな折り、づけの閻魔の醤油・巻きのジンベエのまきすが届きいよいよ決戦への準備は整った。
勝負が始まる。
両者一歩も退かない勝負は、ほぼ互角。
だが司は洋の業・暗流群狼握りの中に恐ろしいほどの孤独を感じずにはいられなかった。
司は心眼を用いて洋の業を見切る。
スシ勝負の間に、徐々に互いと向き合いはじめる兄弟。
両者死闘の限りを尽くして出来上がった特上五人前盛り込みを、司は用意された審査員ではなく母・サヨリに委ねたいと願いでる。
だが、サヨリは二人のスシどちらにも手をつけようとはしない。
母の求めるスシを握れなかった自分を悔やむ司は、母がふと口ずさんだ修行歌に、サヨリが本当に食べたかったスシが何であるのかを悟った。
兄弟がいつも食べていた母親の味。
それは、おいなりさんだった。
兄弟の合作稲荷寿司にはじめて手をつけ、微笑むサヨリ。
兄弟はやっと母親の心を取り戻したのだった。
一柳を、兄弟二人でついでもらいたいと銀次郎は申し出るが司はそれを断るとさらなる修行の道へと旅立つのだった。
ずっと、司のそばでさりげなく見守っていた師匠が示した次の修行の場所はN.Y
シャリの極意を掴むため、また司の旅がはじまる。
***感想***
いやあ、最終回です。
長かったような、始まってしまえばあっという間だったような二か月。
最終決戦は双子の弟・スシウルフ洋との兄弟対決です。
タイプが違うけれどもどっちも男前の兄弟。サヨリさん、あんたよくやった!としか。
そしてどっちも母さん大好き。
いい息子たちです。
冒頭は、前回の河太郎の裏切りに落ち込む司。それがなんとなくあっという間に兄貴と弟分の関係も修復されてたりして。
ええー。前回あんなに慟哭してたのにそんなあっさりと!
とか思いましたけど(笑)
微妙に尺が。いや、なんというかいろいろ猛スピードで走り抜けた感のある最終回です。
毎朝早起きして、おにぎりではなくあえてのおいなりさんを作るサヨリ母さんはなんかすごいです。もちろん、そこでおにぎりだったら『スシ王子!』のタイトルが号泣すると思うので異論はありません。
母さん、黙ったまんまのうつろな感じからは抜け出せたとはいえ、まだまだ予断を許さない状態だと思ったわけですがそこをつつくのは野暮だということで。
兄弟が幼い日のままに洋は泣き虫で、司は口をへの字に引き結んでぐっとこらえてるのがかわいくてよかった。
今回のキモである兄弟対決はおおむねいい感じでした。
もうそこだけがっつりといってもよかったかもしれません。
しょうゆにやられる二人がね。てか、そんな危険なしょうゆがこの世にあるってことが既に間違いじゃないかとか思うのですが(笑)食べてホントにただ「美味しい」だけで済むのか?と半信半疑ですよ。
それにしても、今回は対決中の司のちょっとした表情がすごくよかったです。
真剣勝負の中基本はきりっとした恐い顔をしているのに、洋が具合悪そうな様子を見せると、瞬間、司の顔が兄さんの表情になってるんですよ。
洋のことを何気に気遣ったり気づいてたり。それがすごく自然で、一緒にいたらこの兄弟はいい兄弟になってたんだろうなあと思いました。
そもそも洋、何気に兄さんのこと尊敬モード入ってるし。
兄さんという呼び方がとても当たり前に入ってるのがその証拠だと思います。
洋は和解した途端、兄さんっこになるような気がします。N.Yからエアメールとか来たら部屋の一番いいところに貼っていそうな。
毎朝毎晩声に出して読み上げて、一日の気力をためそうな。てか、それじゃ読経なわけですが。
とにかくそんな弟になりそう。
ウオノメ症候群は急には直らないものらしく、亡き父の面影も弟との葛藤も徐々に克服していくために必要な積み石という感じでした。
サヨリが大切にしていた幼い日の兄弟からの誕生日プレゼントガラス細工の金魚の目玉にすら反応していたし(笑)
司がウオノメ症候群を克服するのは映画へ持ち越し、ということで。
ラストはいつもの感じで。
あーそーが実は見守っていた師匠でした!ってオチにはさすがに絶句です。そうきたか。卑怯だな(笑)
卑怯といえば師匠です。
元からその気はあったけど、ついに人間の枠を超えて遠い存在になってしまった……でも一体いつから人間でなくなったのかは定かではありません。
師匠、企画外にもほどがある。
映画への思い切ったフリで終了したテレビシリーズ。
あちこちにちりばめられた光ちゃんの小さいリアクションが時として異様にツボにきました。
何よりも、豆しぼりがこんなツボとは思いもよらなかったです。
あとはやっぱり、司の動きがすごくきれいでなめらかだったのがとても印象的。その辺はさすがだし、もしかしたらそこを気にしてる人はファン以外いないのかもしれないけれどもでも、私はそこはとっても鼻高々でした。
動線の美しさは光ちゃん一流の持ち味ですから。
久しぶりのドラマシリーズでいろいろ気持ちが上がったり下がったり大変でしたけど、楽しい二か月でした。
お疲れ、光ちゃん。
次回も、そして映画も楽しみにしていますよ。
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